はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

再び、ダニの話

連日、過去最高の感染者数を記録してしまっている 関東。
そんな中、また関東に台風の予報です。


台風から 水害に至らなくても、ダニなどの 虫の被害は広がります。
以前、当ブログで取り上げたように、ダニからうつる 致死率30%の恐ろしい病気、SFTSが 関東でも出ていますから、
絶対に 油断は禁物ですよ。


SFTSは、日本語では 重症熱性血小板減少症候群 といいます。
熱が出て、吐いたり下したり、あるいは 皮下出血や下血といった症状のあらわれる病気です。
もともとは海外の病気でしたが、2013年に西日本で出たあとに どんどんと北上。
ついに、千葉県で、海外へ行ったことのない方が この病気になりました。
つまり、千葉県内に、この病気のウイルスを持ったダニが 生息している…ということです。


虫によって 広がるウイルスですから、完全になくすのは なかなか難しいウイルスです。
でも、目に見えないウイルス自体とは違い、ウイルスを感染させてくる虫は 目に見えますから、対策もしやすいのが 幸いなところ。
しかも、ベニヒカゲとか、オオイチモンジといった、どんな虫か 想像もつかないような虫ではありません。
ダニです。
メジャーな マダニです。
ですから、居そうな場所、予防にふさわしい服装は、簡単に想像がつくのですね。


草むらに入る可能性のあるときは、必ず 長袖長ズボンを着て、靴下と 靴を履いてください。
できれば長靴を。
そして、虫よけスプレーも。
半ズボンにサンダル、虫よけもせずに草むらへ入るのは、もはや ノーマスクで羽田空港の国内線ターミナル内、あるいは 新宿駅前を深呼吸しながら闊歩するくらいの 自殺行為です。


Covid-19 デルタ株の発生状況から、今はそもそも家から出るべきではありません。
それでも、さまざまな事情で台風や水害の後に、少しでも自然の中に行くのなら。
必ず、きちんと対策をしてください。


Covid-19の死亡率は低い、とまだ言う人もいます。
死ぬこと以外はかすり傷かもしれませんが、たとえかすり傷でも、避けられる痛みは避けることをお勧めします。
そんな Covid-19の死亡率は、1.5%。
でも、このSFTSの死亡率は 30%あるのです。
発熱が症状にありますから、Covid-19の影響で 手当の遅れが予想され、
結果として 死亡率はより高くなると考えられます。


まずは、家から出かけない。
出かけるのなら、しっかりとした対策を。
Covid-19対策だけでなく、SFTSのリスクがあるところへは そもそも入らない。
入るのならば、マスクに加え、長袖、長ズボン、長靴といった ダニ対策も お忘れなく!


当院では、ダニ対策のお薬を 処方しています。
ノミや蚊の対策状況によって、お出しするお薬が変わりますから、まずは ご来院をお願いします。
あなたのご来院、お待ちしています。