はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

どんなに短時間でも。動物は車内でお留守番はできません!

# 車内 #放置 #コロナ #ドライブ #熱中症
コロナ第7波の到来です。
私たち獣医師の間では、犬は小さい猫ではない(だから犬には犬の、猫には猫の医療を提供しよう)といわれるのですが、人間のお医者さんの間では、同じ文脈で、子どもは小さい大人ではない、といわれるのだそうです。
今回は子どもが発症するケースが多いということですが、子どもを診られる病院、あるいは医師は大人のそれよりはきっと少ないはず。
1号家も、まだワクチンの打てない4歳児がいますので、まだまだ油断できない夏になりそうです。


さて、そんな夏。
行動制限のない夏とはいえ、第7波による医療崩壊が心配される今、人との接触が少ないアクティビティが人気だそうで。
通勤で車を日常的に使うようになったとはいえ、まだまだ運転の下手くそな1号も、教習を兼ねてと言い訳しながら、毎週末のようにドライブに出掛けてしまいます。
そんな時、出先の駐車場でよく見かけるのが、中にどうぶつがいて、換気がわりに開けているのでしょうか、少しだけ窓を開けた車です。
エンジンをかけっぱなしにして、エアコンが入った状態ならいいのですが、エアコンが切られていると どうにも心配で、なんとなく様子を見てしまいます。


よく知られていることですが、夏の車内はエアコンを切るとすぐに温度が上がってしまいます。
猛暑日の日中など、ダッシュボード付近は数分で80度近くまで上がることもあるそうですよ。
たとえ ほんの数分でも、
窓を開けてあったとしても、
車内に残されたどうぶつたちには、熱中症のリスクがあることを 意識してくださいね。


一度熱中症にかかってしまうと、たとえ 命は取り留めることができても、元通りに回復することはできません。
それは、体の細胞を構成しているタンパク質が変化してしまうから。
死んでしまったら生き返れないのと同様、熱で負ったダメージは、治ることはないんです。
皮膚の日焼けのように、新陳代謝で新しい細胞に生まれ変われる場所ならまだ良いのですが、脳など 新陳代謝をしない、生まれ変わらない細胞で構成されている臓器がダメージを負ってしまうと、後遺症が残ってしまうんですね。


どうぶつたちの場合、熱中症の後遺症として 一番出やすいのが 痴呆。
いわゆる ぼけ の状態です。
何もないところに向かって噛み付いたり、ずーっとぼんやりしていたりといった症状が出る子もいれば、
ずっと吠え続けてしまったり、性格が変わって突然怒るようになったり、
中には、ずっとグルグルと歩き続けてしまう、いわゆる徘徊のような症状が出てくる子もいます。
こうした症状が出てくると、家族への影響も とても大きいですね。


熱中症は、予防のできる病気です。
動物と一緒にドライブを楽しむときは、絶対に車内に残して エアコンを切らないでくださいね。


あなたのご来院、お待ちしています。