はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

いのちだいじに

#エアコン #熱中症 #設定温度 #鼻ぺちゃ
いやあ…
暑いというか、熱いというか…
もう昼間に外を出歩く季節じゃありませんね。
昼間は室内にこもっているべき季節です。


そんな室内。
実は、室内で熱中症になることもよくある、というのは かなり知られてきましたよね。
室内で熱中症になり、亡くなった方の半数から9割が エアコンを使っていなかったということもわかってきました。
1号も、数年前の引っ越しの時にタイミングを誤り、7月に1週間くらいエアコンなしで過ごす羽目になったことがありますが、もうほんと死にそうになりました。
夜中になって室温が下がるまでは家に帰れないんです。
仕事が終わっても、スーパーやショッピングモールをハシゴし、最終的には車。
当時は始発で出勤する生活をしていたので、しんどかったです。


さておき。
エアコンの設定はどうしていますか。
全身で汗をかくことのできない動物たちは、除湿モード(ドライモード)ではあまり恩恵を受けられないことがあります。
必ず、冷房モードにして、湿度だけでなく 室温が下がるようにしてください。


設定温度は…
正直、とても難しいところがあります。
というのも、節電のお願いが出ているくらい、電力は逼迫している状況で。
当院にも、在宅で酸素室を使いながら頑張っている子など、医療的ケアに電気の欠かせない患者さんがいます。
もし、停電 なんてことになれば、その子たちの使う電気も止まってしまうから、命に直結します。
エアコンにもよりますが、設定温度を1度変えると、消費電力は15%近くも変わるのだとか。
ですから、設定温度は とても大事です。


お年寄りの子や大型犬、パグ、フレブル、ブリティッシュショートヘアの猫さんなどのいわゆる「鼻ぺちゃ」の子は、
暑さにとても弱いです。
このような子には、25度以下の設定温度が理想的。
少しでも消費電力を抑えるためには、家の中でも狭めのお部屋を締め切ってつけっぱなし、がベスト。
基本的にはそこで終日過ごしてもらう…というのがおすすめです。


いっぽう、若い子や 暑い地方が原産の子、小型犬や大多数の猫さんは、こういった子たちに比べれば 暑さに強いもの。
ですから、25度以下にまで設定しなくても 快適に過ごせることが多いです。
27度くらいの 人間も快適に感じるくらいの室温で大丈夫ですから、在宅勤務などでお家で過ごす方がいれば 一緒のお部屋にいるだけでも十分です。


電力は、みんなで使うエネルギー源。
ムダ使いは当然ダメですが、過剰に我慢するものでもありません。
熱中症にならない室温の維持は、ムダ使いではありませんよ。


当院では、来院されたどうぶつたちが快適に過ごせる室温を維持して みなさまをお待ちしております。
あなたのご来院、お待ちしております。