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熱中症になったらどうすれば? 冷やし方にはコツがあります!

# 熱中症 #緊急事態 #発症 #受診
コロナによる医療崩壊が深刻な日々です。
実際に発症していても病院を受診できないとか、
救急車が来ない、そもそも電話が繋がらない、なんてこともあるようですね。
医療の必要な人に、必要なだけの医療が提供されるよう、祈るしかないのが歯痒いですが…
せめて今は、病院にかかる必要がないよう、気をつけて生活したいと思っています。


さて、熱中症
前回は熱中症を予防しましょう、という記事を書きましたが、今回は実際に発症してしまったり、あるいは 発症してしまったんじゃないか?というときにやって欲しいことをシェアします。
大前提として、熱中症は緊急事態です。
どんなに軽症だったとしても、熱中症かな?と疑った時点で、できるだけ早く動物病院を受診してくださいね。


熱中症を発症しているときには、体温調節の能力が落ちています。
もちろん、体温を下げるのが第一なのですが、下げ過ぎてしまうと 今度は自力で体温を保つことができないんですね。
ですから、たとえば氷水を張った浴槽にドボン!などやってしまうと、一気に体温が下がってしまって  今度は低体温で昏睡状態になってしまうことも。
特に、全身の毛が長い子は、毛が濡れてしまうと 体が冷えますから、自販機で買った冷たいお水を頭からかける…なんてことも 逆効果になってしまうことがあります。


私たちのお勧めする冷やし方は、まずは冷房の効いている室内に連れて行くこと。
そして、室温を22度くらいに下げます。
次に、自販機などで冷たい缶飲料を買って、脇と腿に挟みましょう。
凍らせた保冷剤などでもいいのですが、霜焼けになってしまうことがありますから、湿らせたハンカチなどで包み、直接 皮膚に当たらないようにしてあげてくださいね。
人間の場合は、首筋の血管も冷やすといいと言いますが、どうぶつたちは人間よりも首筋の血管が深いところにあるので、首すじは缶や保冷剤が余っていたらで大丈夫です。
動物たちは汗をかけませんから、団扇などで風を送ってもあまり意味はありませんが、もし 口を開け、舌を出してハッハッと息をしているようなら、嫌がらない程度に 口元をあおいでもいいかもしれません。


そして、できれば同時進行で、近くの動物病院へ電話をかけ、熱中症になってしまったことを伝えてください。
緊急事態ですから、熱中症の子は順番を繰り上げる病院が多いとは思うのですが、運悪く他にも緊急の子を診ている場合、別な病院へ行ったほうが早く診てもらえることもあるからです。
特に、遠出した先で熱中症になってしまった場合など、土地勘がない場合、すぐに診られないとなると困ってしまうことがありますから、電話をしておいた方がいいですね。


熱中症は予防できる病気ですが、なってしまったら その後の対処が命を分けることが大いにあります。
当院では、熱中症など、緊急の子が来院された場合、順番を繰り上げることがあります。
皆様のご理解、ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。