はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

追悼・鳥山明さん、TARAKOさん


続く時には続いてしまうものですね。
ドラゴンボールの作者・鳥山明さん、ちびまる子ちゃんの声優・TARAKOさんの訃報が。


1号家の利用している 自治体が運営する学童では、ほぼ全ての施設に、ドラゴンボールちびまる子ちゃんの単行本が 全巻揃っているのだそうです。
そして、どれもこれも ボロボロで、開いたまま伏せたのか 開き癖のついたものや、急いでページを閉じたのか ページが大きく折れてしまったもの。
破れたページをテープで修正した跡も たくさんたくさんあるのだそうですよ。
長女曰く、男子は今でも毎日のようにかめはめ波を打つし、女子もボブにすればまるちゃんまるちゃんといじられるのだとか。
年代を問わず、ちびっ子を惹きつける世界がありますね。


最近、ペットの名前特集ということで、一番数の多いペットの名前ランキング!なんて特集を見かける機会が何度かありました。
ナナちゃんとか、ココちゃん、モモちゃんなんかが定番ですね。
こういった特集は、大体 ペット保険などの 名前を登録するようなサービスがネタ元になっているわけですが、1号の体感では、マルちゃんもかなりの数でいるような気がしています。
そして、飼い主様とのお話ベースですが、マルちゃんは割と お茶目だったり、ムードメーカーだったりする子が多いように思いますよ。
他にも、悟空くん、ごはんちゃんも診たことがあります。
悟空くんはワンちゃんだけなのですが、マルちゃん・ごはんちゃんは、ねこさんもワンちゃんも…という印象です。


素晴らしい作品の魅力は、人を惹きつけるストーリーはもちろん、呼びやすくて親しみやすい キャラクターにもあるのかもしれません。
生み出され、命を吹き込まれた作品たちは、いろいろな形で わたしたちの中に生きていきますね。


昭和生まれで、平成初期に小学生時代を過ごした 1号。
ばりばりに 楽しませていただいた世代です。
アニメ ドラゴンボールの最終回では、家族で悟空にげんきを送りましたし、まるちゃんの声マネ・顔マネを一生懸命練習した世代なんですよね。
もう、あの才能に触れられないことが、残念でなりません。
お二人のご冥福をお祈りいたします。

甘い誘惑。チョコレートにご用心


バレンタインデーですね!
甘いチョコレートが街中にあふれる季節がやってきました。
他部署から回ってきた 回覧板に、一口サイズのチョコが添えられていて、それをきっかけに…エンダアアアアアアアア
なんて経験をしてみたい人生でした。
1号の職場で見かける ちょっとした茶色いものといえば、圧倒的に アレ の可能性が高いですから、ホイットニーしてる場合ではありません。
まずは ビニール手袋を取りに行かねば なのであります。

そんな、仕事中のちょっとした気分転換にもなれば、軽いコミュニケーションツールにもなる チョコですが、
実は、わんちゃんやねこさんにとって リスクのある食べ物なんです。
とはいえ、一般的なミルクチョコレートやスイートチョコは 実は大したことはなくて。
一番危険なのは、実は ビターチョコなんですね。

チョコレートに含まれるテオブロミンという成分は、犬や猫にとって有害な物質です。
この成分は、どうぶつたちの体内では 代謝されにくく、蓄積されると神経や心臓に悪影響を及ぼします。
ビターチョコレートは、実はこのテオブロミンを多く含んでいます。
ビターであればあるほど、含有量は多いですから、たとえば100%に近いものなどを体重の少ないチワワちゃんなどが1枚、2枚と食べてしまうと、体重に対する摂取量が多くなってしまい、中毒症状が出てしまう可能性があるのですね。
中毒の症状には、嘔吐、下痢、不安、動悸、けいれんなどがあり、重度の中毒では、命にかかわることもありますよ。

それに、チョコレートの中にはカフェインも含まれています。
これも、どうぶつたちにとっては危険です。
私たち人間もそうですが、カフェインの摂取量が多いと、神経刺激が過剰になり、不整脈や高血圧を引き起こす可能性があります。
最近、翼を授かりすぎたり MONSTERになってしまった人の話を耳にすることがあると思いますが、取りすぎたカフェインが原因なこともあるのです。


ミルクチョコレートやスイートチョコレートは大丈夫、といっても、たくさんの量を一気に食べれば 中毒はもちろん、お腹を壊すこともありえます。
チョコレートって、意外と脂っこいですから。
わんちゃんやねこさんがチョコレートを誤って食べてしまった場合は、ビターチョコの場合は超特急で。
それ以外でも、できるだけ早めに 動物病院を受診するようにしてくださいね。
みなさんのご来院、お待ちしています。

飲むぞ!牛乳


最近良くコーヒーを飲むようになった 1号。
特に、ドリップコーヒーとミルクを半々にした、カフェオレが好きで良く飲みます。
元スタバのバリスタとしては、朝ごはんはカフェラテで…とか 言いたいところなのですが、家にエスプレッソマシンがなくて。
1号は朝に弱いので、朝ご飯を食べる代わりにミルク入りのコーヒーで済ませてしまうこともしょっちゅう。
700mlも入れられる、大きなタンブラーを愛用していて、午前中いっぱいをかけて飲みきっていますよ。
そんな勢いで牛乳を飲んでいると、消費量がすごいことに。
1号家には、他にも、牛乳を飲めば身長が伸びると信じている6歳児と8歳児に加えて、食事中の飲み物が牛乳でも構わない41歳児もいるため、1日で牛乳パックが1本以上空になることも 普通にあるのですね。


ところで、今回の地震で大きな被害を受けた 能登地方。
実は、酪農や畜産がとても盛んな地域であること ご存知でしょうか?
日本海の海の幸が有名な能登ですが、実は 一大酪農地域でもあるのです。


そんな、能登の牛乳。
最近、1号家の近所のスーパーでも、被災地支援の一環として、取り扱いが始まりました。
全国のスーパーでも、同じような取り組みが始まっているところもあるようですよ。

牛乳は、今出産して授乳期間の牛からしか 取ることができません。
牛の妊娠、出産のサイクルも関わってくるため、一度 牛を飼うのをやめ、牛乳を取ることを止めてしまうと、やり直すことはとても難しいのです。
牛乳の生産を続けていくためには、消費が欠かせません。
私たち 消費者が牛乳を飲み続け、消費を続けることで、牛乳の生産が続けられますから、これまで以上に どんどんおいしく飲んでいきましょう。
どうぶつも 牛乳が好きな子は多いですからね。


とはいえ、中には 牛乳を飲むと下してしまう体質の方もおられますし、腎不全や尿石症などの持病があり飲めない子もいると思います。
無理せず、できる形で 応援していきましょうね。
1号も、牛乳だけでなく、いろんな形で息長く続けていきたいと思っていますよ。

あなたのご来院、お待ちしています。

あの日から1ヶ月


能登半島のあの地震から、早くも1ヵ月が経ちました。

1号の先輩や友人にも、福井県や石川県などに住んでいる人も多く、幸い無事は確認できているものの、引き続き心配な日々が続きます。
命を繋ぐことができたのに、災害関連死で亡くなってしまった方、1ヶ月という時間が経ってやっと土砂や瓦礫の中から掘り出された方など、悲しいニュースを耳にすることも続いています。

 

その一方で、災害対策の前進を実感する機会もありました。
中でも、大きいと感じたのが、どうぶつと一緒に避難ができる避難所ができてきたことです。


東日本大震災熊本地震の時も、動物と一緒に避難所にいることができず、車の中に避難をしてエコノミークラス症候群を発症し、重症になったり亡くなってしまう方がいらっしゃいました。
今回の能登半島地震でも、最初の頃は動物と一緒に避難できる避難所はなかったようですが、少しずつ状況が落ち着いてくるにつれて、動物と一緒に避難をすることができる…いわゆる 同行避難所も作られてきているようです。
こういった避難所があれば、動物を連れている人たちが安心して動物と一緒に過ごすことができますよね。
実際に、どうぶつと過ごせる避難所ができたから避難をしてきた…と言う方もおられるようです。

 

実は、1号が大学の頃にお世話になった先輩が、熊本地震の時に、獣医師会の役員として、同行避難のできる避難所の設置に尽力をしていました。
その頃はまだ、同行避難という考え方すらも、なかなか受け入れられないことも多かったようですが、あれから7年と少しが経ち、コロナ禍で新しくペットを飼い始めた人も増え、動物と一緒に避難をしたいという人も多くなったということなのでしょうか?
今回の能登半島地震では、1カ所2カ所ではなく、たくさんの同行避難所が作られているようです。

 

先輩は、同行避難所を作った実績はもちろん、その経験を全国の獣医師会に広げたいと言っていました。
そのことが、これからの災害においても、動物がいるから避難ができない、避難したくないという人を減らすことにつながると考えていたのですね。
もしかしたら、今回の能登半島地震の後に作られた同行避難所の中には、この先輩の経験が生かされたものもあったかもしれません。

 

自然災害のことは考えたくない。
そう思ってしまうこともありますが、それでもどうしても起きてしまうのが自然災害です。
過去の経験を活かして、少しでも備えておきたいですね。
クレートトレーニングやローリングストックなど、日常の中で備えておくこと ぜひ 始めてみてください。

 

そうそう、石川県獣医師会は、今回の地震のため、募金口座を開設したそうです。
どうぶつの救護活動と、被災した飼い主さんの飼育支援に使われるそうですよ。
詳しい情報は、こちらから→ [Link](http://www.ishikawa-vma.org/donation/)

 

あなたのご来院、お待ちしています。

変えない、ことの大切さ

先日の記事。
読んでくださった方から、症状がひどくなった気がする、とご相談がありました。
詳しく伺うと、日常に変化を!と考えた その方、さっそく 家じゅうを模様替えしたのだそうです。
ですが、実は、認知症の子の場合、日常生活をできるだけ変えてはいけません。
つまり、模様替えは御法度なんです。


日常生活のパターンは変えずに、刺激を加えること。
それが 認知症の子と暮らすコツなんです。
ですから、ご飯の時間や場所、散歩の時間なども 変えないようにしましょうね。
これが、どうぶつたちにとっては、安心感につながり、認知症の進行を緩やかにする助けとなります。


そうそう、みなさんと どうぶつたちとのコミュニケーションもとても大切です。
声をかけたり、撫でてあげたり、そんなふれあいが安心に繋がるんですね。
認知症になると、お家の中で迷子になってしまうこともあります。
以前よりも、不安になることも多くなるんです。
ですから、そんな時こそ、積極的に触ったり声をかけたりしてあげてください。
皆さんと一緒に遊んだり触れ合ったりすることは、認知症を遅らせることにもつながると言われているんですよ。

どうぶつも、人間と同じで、一度認知症になってしまうと、完全に治るとか、元の状態に戻れるということはなかなか考えにくいです。
ですが、進行を遅らせたり困らないようにしてあげる事はできます。
日々の小さな工夫で、生活の快適さを上げていきましょう。

あなたのご来院、お待ちしています。

ペットの認知症には、日常の工夫が効果的!?


先日、交差点で信号待ちをしていると、平坦なトーンのワン、ワンという声が聞こえてきました。
それに続き、飼い主さんでしょうか、疲れの滲む声で うるさいっ!という叫び声。
それでも、変わらず続く吠え声…


近年、ペットの認知症が注目されています。
わんちゃん、ねこさんが年を取ると、時折見られるようになるこの症状。
みなさんとの生活が快適で、しっかりとケアがされているから、健康で長生きできている、ということではあるのですが、
吠え声やグルグル歩きなど、飼い主さんが参ってしまうような症状として 現れてしまうことも。


ペットの認知症は、高齢に伴って脳の機能が低下することにより、記憶力や学習能力、行動などに異常が生じる状態です。
これには様々な原因が影響していますが、どうぶつたちの場合、なんといっても 高齢になることが主な要因です。
特に、わんちゃんやねこさんは、私たちよりも早く歳を取りますから、その影響を受けやすいのですね。


どうぶつたちにとって、散歩は 視覚や嗅覚の刺激を得る貴重な時間です。
外の世界の香りや風景、他のわんちゃんやねこさんとの出会い。
これらの刺激が脳を活性化し、認知症の進行を緩やかにする効果があります。
ふだん、散歩をしないねこさんでも、ケージやスリングで 飛び出し対策をした上で お散歩に出るのは とっても良いんですよ。


こうした、認知症対策でのお散歩の際は、ぜひ 新しい場所や道を試してみましょう。
変化する風景や香りは、脳を刺激します。
これが認知症の進行を遅らせるのに とても有効なんですね。
同じくらい良いのが、新しいおもちゃや遊びです。
刺激的で楽しい時間を過ごさせてあげるのがコツですよ。
忙しいみなさんは、ブラッシングだけでも かなり変わります!
全身の毛をブラッシングすることで、皮膚の健康を保てるだけでなく、普段と違った刺激が入ります。
この、普段と違った刺激というのが とにかく効果的ですから、いろんなやり方で 刺激をしてあげてください。


ペットの認知症は、高齢に伴う自然な現象ですが、工夫次第で その進行を緩やかにすることもできるんですね。
その子に合ったやり方や、みなさんの生活パターンを踏まえた 作戦会議ができるかもしれませんから、お気軽にご相談ください。
あなたのご来院、お待ちしています。

冬の夜、街の小さな命を救う。猫バンバンの必要性と実践方法


暖かい年末年始でした。
とはいえ、夜はやはり冷え込みますね。
そんな 寒さが厳しさを増す冬の夜。
街角に佇む小さな命があるんです…

実は、野良猫たちは暖かさを求めて、車のエンジンルームやタイヤの間に潜り込むことがあります。
そして、わたしたちが気づかずにエンジンをかけることで、予想だにしない事故が発生します。
この悲劇を防ぐ方法が、猫バンバンなんです。


## 猫がエンジンルームに入る理由
猫さんは、暖かくて狭い場所が大好きです。
車のエンジンルームは、風雨が入りにくく、周囲よりも温かいため、彼らにとって安心できる場所なんですね。
冬場が多いとはいえ、実は一年中この手の事故は発生していて、
猫さんのほかにも、ネズミやヘビ、鳥なども 同様にエンジンルームに入り込むことがありますよ。


## いたましい事故を防ぐための対策
私たちが車に乗り込んでも、猫さんが気づかずにエンジンルームにいることがあります。
そのため、猫さんに 人間の存在を知らせる必要があるんですね。
その手段が、猫バンバン。
クルマに乗り込む前に、軽くボンネットを叩くのが 一番効果的なんです。
バンバン といっても、軽く叩くくらいでよく、本気でバンバンやらなくても 大丈夫。
それだけで、猫さんはクルマから離れてくれますよ。
ラクションを鳴らすことも有効なのですが、住宅街など、大きな音を立てにくいときもあると思います。
そんなときでも、猫バンバンなら 大丈夫ですからね。

それから、日常的に 猫さんがクルマに近づかないよう、対策をしておくこともお勧めです。
屋外でクルマを保管する場合は、猫避けグッズや忌避剤を使う方法もありますよ。


## 事故が起きた場合の対処法
当院でも、エンジンの回転に巻き込まれて怪我をしたねこさんを診察したことがありますが、かなりかわいそうなことになります。
また、クルマへのダメージもかなり大きく、JAFやディーラー、修理工場のお世話になる場合も多々あります。
エンジン音や異臭で気づいた場合は、ねこさんのためにも、そして クルマのためにも、速やかな対処が必要ですよ。
事故を防ぐためには、「猫がいるかもしれない」という意識が重要です。
乗車前にクルマの周りを確認し、ボンネットを叩く習慣を ぜひ身につけてくださいね。


冷たい冬の夜、私たちができる小さな行動が、街の小さな命を守る 手助けになります。
猫バンバンを実践し、安心してクルマに乗りましょう。
みなさんのご来院、お待ちしています。