はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

ペットの認知症には、日常の工夫が効果的!?


先日、交差点で信号待ちをしていると、平坦なトーンのワン、ワンという声が聞こえてきました。
それに続き、飼い主さんでしょうか、疲れの滲む声で うるさいっ!という叫び声。
それでも、変わらず続く吠え声…


近年、ペットの認知症が注目されています。
わんちゃん、ねこさんが年を取ると、時折見られるようになるこの症状。
みなさんとの生活が快適で、しっかりとケアがされているから、健康で長生きできている、ということではあるのですが、
吠え声やグルグル歩きなど、飼い主さんが参ってしまうような症状として 現れてしまうことも。


ペットの認知症は、高齢に伴って脳の機能が低下することにより、記憶力や学習能力、行動などに異常が生じる状態です。
これには様々な原因が影響していますが、どうぶつたちの場合、なんといっても 高齢になることが主な要因です。
特に、わんちゃんやねこさんは、私たちよりも早く歳を取りますから、その影響を受けやすいのですね。


どうぶつたちにとって、散歩は 視覚や嗅覚の刺激を得る貴重な時間です。
外の世界の香りや風景、他のわんちゃんやねこさんとの出会い。
これらの刺激が脳を活性化し、認知症の進行を緩やかにする効果があります。
ふだん、散歩をしないねこさんでも、ケージやスリングで 飛び出し対策をした上で お散歩に出るのは とっても良いんですよ。


こうした、認知症対策でのお散歩の際は、ぜひ 新しい場所や道を試してみましょう。
変化する風景や香りは、脳を刺激します。
これが認知症の進行を遅らせるのに とても有効なんですね。
同じくらい良いのが、新しいおもちゃや遊びです。
刺激的で楽しい時間を過ごさせてあげるのがコツですよ。
忙しいみなさんは、ブラッシングだけでも かなり変わります!
全身の毛をブラッシングすることで、皮膚の健康を保てるだけでなく、普段と違った刺激が入ります。
この、普段と違った刺激というのが とにかく効果的ですから、いろんなやり方で 刺激をしてあげてください。


ペットの認知症は、高齢に伴う自然な現象ですが、工夫次第で その進行を緩やかにすることもできるんですね。
その子に合ったやり方や、みなさんの生活パターンを踏まえた 作戦会議ができるかもしれませんから、お気軽にご相談ください。
あなたのご来院、お待ちしています。