はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

飲むぞ!牛乳


最近良くコーヒーを飲むようになった 1号。
特に、ドリップコーヒーとミルクを半々にした、カフェオレが好きで良く飲みます。
元スタバのバリスタとしては、朝ごはんはカフェラテで…とか 言いたいところなのですが、家にエスプレッソマシンがなくて。
1号は朝に弱いので、朝ご飯を食べる代わりにミルク入りのコーヒーで済ませてしまうこともしょっちゅう。
700mlも入れられる、大きなタンブラーを愛用していて、午前中いっぱいをかけて飲みきっていますよ。
そんな勢いで牛乳を飲んでいると、消費量がすごいことに。
1号家には、他にも、牛乳を飲めば身長が伸びると信じている6歳児と8歳児に加えて、食事中の飲み物が牛乳でも構わない41歳児もいるため、1日で牛乳パックが1本以上空になることも 普通にあるのですね。


ところで、今回の地震で大きな被害を受けた 能登地方。
実は、酪農や畜産がとても盛んな地域であること ご存知でしょうか?
日本海の海の幸が有名な能登ですが、実は 一大酪農地域でもあるのです。


そんな、能登の牛乳。
最近、1号家の近所のスーパーでも、被災地支援の一環として、取り扱いが始まりました。
全国のスーパーでも、同じような取り組みが始まっているところもあるようですよ。

牛乳は、今出産して授乳期間の牛からしか 取ることができません。
牛の妊娠、出産のサイクルも関わってくるため、一度 牛を飼うのをやめ、牛乳を取ることを止めてしまうと、やり直すことはとても難しいのです。
牛乳の生産を続けていくためには、消費が欠かせません。
私たち 消費者が牛乳を飲み続け、消費を続けることで、牛乳の生産が続けられますから、これまで以上に どんどんおいしく飲んでいきましょう。
どうぶつも 牛乳が好きな子は多いですからね。


とはいえ、中には 牛乳を飲むと下してしまう体質の方もおられますし、腎不全や尿石症などの持病があり飲めない子もいると思います。
無理せず、できる形で 応援していきましょうね。
1号も、牛乳だけでなく、いろんな形で息長く続けていきたいと思っていますよ。

あなたのご来院、お待ちしています。

あの日から1ヶ月


能登半島のあの地震から、早くも1ヵ月が経ちました。

1号の先輩や友人にも、福井県や石川県などに住んでいる人も多く、幸い無事は確認できているものの、引き続き心配な日々が続きます。
命を繋ぐことができたのに、災害関連死で亡くなってしまった方、1ヶ月という時間が経ってやっと土砂や瓦礫の中から掘り出された方など、悲しいニュースを耳にすることも続いています。

 

その一方で、災害対策の前進を実感する機会もありました。
中でも、大きいと感じたのが、どうぶつと一緒に避難ができる避難所ができてきたことです。


東日本大震災熊本地震の時も、動物と一緒に避難所にいることができず、車の中に避難をしてエコノミークラス症候群を発症し、重症になったり亡くなってしまう方がいらっしゃいました。
今回の能登半島地震でも、最初の頃は動物と一緒に避難できる避難所はなかったようですが、少しずつ状況が落ち着いてくるにつれて、動物と一緒に避難をすることができる…いわゆる 同行避難所も作られてきているようです。
こういった避難所があれば、動物を連れている人たちが安心して動物と一緒に過ごすことができますよね。
実際に、どうぶつと過ごせる避難所ができたから避難をしてきた…と言う方もおられるようです。

 

実は、1号が大学の頃にお世話になった先輩が、熊本地震の時に、獣医師会の役員として、同行避難のできる避難所の設置に尽力をしていました。
その頃はまだ、同行避難という考え方すらも、なかなか受け入れられないことも多かったようですが、あれから7年と少しが経ち、コロナ禍で新しくペットを飼い始めた人も増え、動物と一緒に避難をしたいという人も多くなったということなのでしょうか?
今回の能登半島地震では、1カ所2カ所ではなく、たくさんの同行避難所が作られているようです。

 

先輩は、同行避難所を作った実績はもちろん、その経験を全国の獣医師会に広げたいと言っていました。
そのことが、これからの災害においても、動物がいるから避難ができない、避難したくないという人を減らすことにつながると考えていたのですね。
もしかしたら、今回の能登半島地震の後に作られた同行避難所の中には、この先輩の経験が生かされたものもあったかもしれません。

 

自然災害のことは考えたくない。
そう思ってしまうこともありますが、それでもどうしても起きてしまうのが自然災害です。
過去の経験を活かして、少しでも備えておきたいですね。
クレートトレーニングやローリングストックなど、日常の中で備えておくこと ぜひ 始めてみてください。

 

そうそう、石川県獣医師会は、今回の地震のため、募金口座を開設したそうです。
どうぶつの救護活動と、被災した飼い主さんの飼育支援に使われるそうですよ。
詳しい情報は、こちらから→ [Link](http://www.ishikawa-vma.org/donation/)

 

あなたのご来院、お待ちしています。

変えない、ことの大切さ

先日の記事。
読んでくださった方から、症状がひどくなった気がする、とご相談がありました。
詳しく伺うと、日常に変化を!と考えた その方、さっそく 家じゅうを模様替えしたのだそうです。
ですが、実は、認知症の子の場合、日常生活をできるだけ変えてはいけません。
つまり、模様替えは御法度なんです。


日常生活のパターンは変えずに、刺激を加えること。
それが 認知症の子と暮らすコツなんです。
ですから、ご飯の時間や場所、散歩の時間なども 変えないようにしましょうね。
これが、どうぶつたちにとっては、安心感につながり、認知症の進行を緩やかにする助けとなります。


そうそう、みなさんと どうぶつたちとのコミュニケーションもとても大切です。
声をかけたり、撫でてあげたり、そんなふれあいが安心に繋がるんですね。
認知症になると、お家の中で迷子になってしまうこともあります。
以前よりも、不安になることも多くなるんです。
ですから、そんな時こそ、積極的に触ったり声をかけたりしてあげてください。
皆さんと一緒に遊んだり触れ合ったりすることは、認知症を遅らせることにもつながると言われているんですよ。

どうぶつも、人間と同じで、一度認知症になってしまうと、完全に治るとか、元の状態に戻れるということはなかなか考えにくいです。
ですが、進行を遅らせたり困らないようにしてあげる事はできます。
日々の小さな工夫で、生活の快適さを上げていきましょう。

あなたのご来院、お待ちしています。

ペットの認知症には、日常の工夫が効果的!?


先日、交差点で信号待ちをしていると、平坦なトーンのワン、ワンという声が聞こえてきました。
それに続き、飼い主さんでしょうか、疲れの滲む声で うるさいっ!という叫び声。
それでも、変わらず続く吠え声…


近年、ペットの認知症が注目されています。
わんちゃん、ねこさんが年を取ると、時折見られるようになるこの症状。
みなさんとの生活が快適で、しっかりとケアがされているから、健康で長生きできている、ということではあるのですが、
吠え声やグルグル歩きなど、飼い主さんが参ってしまうような症状として 現れてしまうことも。


ペットの認知症は、高齢に伴って脳の機能が低下することにより、記憶力や学習能力、行動などに異常が生じる状態です。
これには様々な原因が影響していますが、どうぶつたちの場合、なんといっても 高齢になることが主な要因です。
特に、わんちゃんやねこさんは、私たちよりも早く歳を取りますから、その影響を受けやすいのですね。


どうぶつたちにとって、散歩は 視覚や嗅覚の刺激を得る貴重な時間です。
外の世界の香りや風景、他のわんちゃんやねこさんとの出会い。
これらの刺激が脳を活性化し、認知症の進行を緩やかにする効果があります。
ふだん、散歩をしないねこさんでも、ケージやスリングで 飛び出し対策をした上で お散歩に出るのは とっても良いんですよ。


こうした、認知症対策でのお散歩の際は、ぜひ 新しい場所や道を試してみましょう。
変化する風景や香りは、脳を刺激します。
これが認知症の進行を遅らせるのに とても有効なんですね。
同じくらい良いのが、新しいおもちゃや遊びです。
刺激的で楽しい時間を過ごさせてあげるのがコツですよ。
忙しいみなさんは、ブラッシングだけでも かなり変わります!
全身の毛をブラッシングすることで、皮膚の健康を保てるだけでなく、普段と違った刺激が入ります。
この、普段と違った刺激というのが とにかく効果的ですから、いろんなやり方で 刺激をしてあげてください。


ペットの認知症は、高齢に伴う自然な現象ですが、工夫次第で その進行を緩やかにすることもできるんですね。
その子に合ったやり方や、みなさんの生活パターンを踏まえた 作戦会議ができるかもしれませんから、お気軽にご相談ください。
あなたのご来院、お待ちしています。

冬の夜、街の小さな命を救う。猫バンバンの必要性と実践方法


暖かい年末年始でした。
とはいえ、夜はやはり冷え込みますね。
そんな 寒さが厳しさを増す冬の夜。
街角に佇む小さな命があるんです…

実は、野良猫たちは暖かさを求めて、車のエンジンルームやタイヤの間に潜り込むことがあります。
そして、わたしたちが気づかずにエンジンをかけることで、予想だにしない事故が発生します。
この悲劇を防ぐ方法が、猫バンバンなんです。


## 猫がエンジンルームに入る理由
猫さんは、暖かくて狭い場所が大好きです。
車のエンジンルームは、風雨が入りにくく、周囲よりも温かいため、彼らにとって安心できる場所なんですね。
冬場が多いとはいえ、実は一年中この手の事故は発生していて、
猫さんのほかにも、ネズミやヘビ、鳥なども 同様にエンジンルームに入り込むことがありますよ。


## いたましい事故を防ぐための対策
私たちが車に乗り込んでも、猫さんが気づかずにエンジンルームにいることがあります。
そのため、猫さんに 人間の存在を知らせる必要があるんですね。
その手段が、猫バンバン。
クルマに乗り込む前に、軽くボンネットを叩くのが 一番効果的なんです。
バンバン といっても、軽く叩くくらいでよく、本気でバンバンやらなくても 大丈夫。
それだけで、猫さんはクルマから離れてくれますよ。
ラクションを鳴らすことも有効なのですが、住宅街など、大きな音を立てにくいときもあると思います。
そんなときでも、猫バンバンなら 大丈夫ですからね。

それから、日常的に 猫さんがクルマに近づかないよう、対策をしておくこともお勧めです。
屋外でクルマを保管する場合は、猫避けグッズや忌避剤を使う方法もありますよ。


## 事故が起きた場合の対処法
当院でも、エンジンの回転に巻き込まれて怪我をしたねこさんを診察したことがありますが、かなりかわいそうなことになります。
また、クルマへのダメージもかなり大きく、JAFやディーラー、修理工場のお世話になる場合も多々あります。
エンジン音や異臭で気づいた場合は、ねこさんのためにも、そして クルマのためにも、速やかな対処が必要ですよ。
事故を防ぐためには、「猫がいるかもしれない」という意識が重要です。
乗車前にクルマの周りを確認し、ボンネットを叩く習慣を ぜひ身につけてくださいね。


冷たい冬の夜、私たちができる小さな行動が、街の小さな命を守る 手助けになります。
猫バンバンを実践し、安心してクルマに乗りましょう。
みなさんのご来院、お待ちしています。

2024年の年頭所感


新しき年の明けたるを言祝ぎ白し上げます。
長かったコロナ禍も、ようやくひと段落した 2023年でした。
どうぶつたちによる癒しが、一段と大きな 一年だったのではないかと思います。


そして、2024年が始まりました。

とんでもない形でしたが、これから取り戻していきたいですね。

新たな年、皆さんの大切な家族がますます元気で、幸せでいられるよう、私たちも全力でサポートしていきます。


健康に過ごすためには、やはり欠かせないのが 定期的な健康チェックです。
今までに受けたことがない方はもちろん、最近ご無沙汰だわ、という みなさん。
ぜひ、健康診断を受けましょう。
わんちゃん、ねこさんたちは言葉では教えてくれない分、体調の変化は見逃せませんから、少しでも気になる点があれば、お早めにご相談くださいね。


それから、新年の計…ということで、ぜひ 新たな習慣にも チャレンジしてみてください。
例えば、新しいおもちゃとか、新しい遊びとか。
思い切って歯磨きを始めてみる、なんていうのも とても素敵です。
これは ストレスの軽減や運動不足の解消にもつながりますし、健康に直結しますから。


そして、お家でのケアも お忘れなく!
もう少しすれば、換毛期。
全身がなんとなく、埃っぽく、毛玉になりやすくなり、皮膚に厳しい季節がやってきます。
ブラッシングや爪切りを行い、健康な毛並みを保ちましょう。


今年も 当院は、みなさんと一緒に、どうぶつたちの健康と幸せをサポートしていきます。
何かお困りのこと、疑問点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。


みなさんのご来院、心よりお待ちしております。

年末年始の安全対策。こんな点に気をつけて!


冬が深まり、いつの間にやら 年末年始が迫っています。
師走とは よく言ったもので、毎年毎年この時期はバタバタバタバタと過ぎていきますね。


寒さがいっそう厳しくなるこれからの季節、小さな家族の健康管理が 特に重要です。
まず最初に、お散歩の時の愛犬や愛猫の寒さ対策です。
散歩の時は、寒風からしっかりと守るために防寒具を活用しましょう。
イタグレちゃん、スムースのチワワちゃんなど、見るからに寒さに弱そうな子はもちろん、マルチーズやキャバなどの心臓にリスクのある犬種や、コーギー・ダックスのように 腰に爆弾を抱えている子、他にも 色々な理由で寒さがリスクになる子がいます。
こういった子は、ぜひ お散歩の時だけ、実用的な 飾りの少ないお洋服を着せてあげてください。

それから、足元には氷がないようなコースを選びましょう。
車の運転をする方は、ブラックアイスバーンという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
歩道でも同じような現象が起こるのですが、特に 家の前や草むらなどには、ブラックアイスバーンができてしまうことが。
氷で冷たいので、霜焼けやアカギレになってしまったり、ツルツルと滑るので関節にも悪いですし、いいことありません。
日当たりの悪いところや、川沿いのように 湿度の高いコースは、寒さの厳しいうちは やめておきましょう。


それから、年末年始は 久しぶりの人に会う機会も増えるかもしれません。
コロナが5類になって 最初の年末年始ですから、コロナ禍で小さな家族と暮らし始めたという皆さんは 特に お披露目を楽しみにされている方もいらっしゃるかもしれませんね。
私たちもそうですが、初めましての人や 慣れない環境で、どうぶつたちに襲いかかるストレスはかなりのものです。
逃げ込めるクレートや、視線をシャットアウトできるケージを確保して、どうぶつたちが安心して過ごせる場所を作っておくようにしましょうね。


また、飾りつけには注意が必要です。
クリスマスツリーや、お正月飾りに使用されるリボンや飾りは、嗅ぎ慣れない匂いでどうぶつたちが興味津々になることがあります。
これらは誤飲の危険性があるため、注意深く取り扱いましょう。


そうそう、年末年始には予期せぬ出来事も発生する可能性があります。
盗み食いや急な体調不良など、もしもの時に備え、動物病院の連絡先や緊急時の対応策を把握しておくと安心です。
怪我や病気の症状に気付いた場合は、迅速に動物病院の診察を受けましょう。
当院にカルテのある患者様は、提携の夜間救急病院で診察を受けていただけますよ。

今年も1年間、本当にありがとうございました。
長かったコロナ禍がひと段落した、久しぶりの冬。

どうぶつたちと、素敵な冬の思い出をたくさん作って欲しいなと思います。

みなさんのご来院、心よりお待ちしています。