寒くなりました。
北海道で19年ぶりマイナス35度、という報道もありましたね。
マイナス35度といえば、外でちょっと深く呼吸するだけでむせるくらいの温度。
気道を通っても、空気が十分あたたまるまえに、気管支や肺にたどり着いてしまうからでしょうか。
呼吸で身体が芯から冷えますから、出来るだけ息をひそめるように、浅く呼吸を繰り返していた記憶があります。
そんな夜、散歩に連れ出した犬たちの鼻の頭は、呼気が凍ったり溶けたりを繰り返し、雪明かりにキラキラと反射して…
いや、寒いですね。
綺麗は綺麗ですけど、でも、とにかく寒いですね。
そんな寒い中、新型肺炎がどんどんと広まっていきます。
たくさんの方が亡くなったり、入院したり、クルーズ船から下りられなくなったり。
船に閉じ込めておくのはかわいそうだから、とりあえず船から下ろしてあげて、全員病院で隔離を、という論調もありますが、それならば船の中にいた方が快適なはず。
船ではお金を払えばお酒やタバコも手に入るようですが、病院の、しかも感染症病棟であればまず無理ですし。
お風呂や他の人との交流が自由に出来ないのも、船と病院は同じです。
それに、病気でない人を、健康保険を使って入院させ、病院の施設を使わせるわけにはいきません。
妊娠が病気ではないから健康保険が使えない、臨月だから、いつ生まれてもおかしくないからってすぐに入院はできないのと同じです。
病院は、ホテルではありませんから、隔離をするためだけに利用することはできません。
終わりが見えないのが辛いですが、難しいところですね。
さて、これほど恐ろしい コロナウイルス 。
治療方法が気になるという方も、多いのではないでしょうか。
人間の場合、解熱剤を使って 体力を温存しつつ、点滴で体力を維持して、患者本人の免疫力、回復力での回復を促す治療がメイン。
これに、必要であれば 人工呼吸器を使って呼吸を助けたり、透析をして 腎臓の負担を減らしたりといった さまざまな治療を、個別に組み合わせて行います。
これらは、いわゆる 対症療法 といって、根本的な治療ではなく、ひとつひとつの症状を和らげていくような治療方法。
ウイルス自体を叩くことのできる武器、つまり ウイルスに効く薬がないので、このような治療方法を取ることになります。
この コロナウイルス 。
以前、お伝えしたように、犬や猫にも うつらない、とはいえません。
もし、うつってしまった場合。
犬や猫と、わたしたち人間との、決定的な治療方法の違いがあります。
それは、解熱剤を使わない、ということ。
特に、猫さんには、絶対に使ってはいけません。
肝臓の構造がわたしたち人間とは全く違うので、猫さんは解熱剤を分解し、身体の外へ出すことができません。
解熱剤は、猫さんにとっては毒なんですね。
使うと死んでしまいます。
今回のこの流行では、コロナウイルスで苦しむ患者さんを何とか救おうと、エボラウイルス に効くといわれている薬や インフルエンザの薬を使ってみたり。
検査が受けられず、いま苦しんでいる症状が コロナウイルスによるものなのかどうか わからない人たちも、何かしたいと、ツボを押したり、部屋の温度を上下させてみたり、お茶を飲んだりと、ありとあらゆる方法が試されているようです。
これからどうなっていくのか…
先のことは わかりませんが、常に大切なのは 科学的な知識に基づく行動を取る ということ。
闇雲にマスクを買い占めたり、おかしな差別をしたりする行動は、科学的とはいえませんよね。
やるべきことは、まず手洗い。
そして、咳やクシャミなど 症状のある人は、周りに広めないために マスクの着用です。
そろそろ、花粉のシーズンです。
当院スタッフにも、花粉症で苦しんでいる人がおり、花粉から身を守る目的、万一感染していた場合に 飼い主さまにうつしてしまわない目的で、マスクを着用して 診察を行う場合があります。
ご理解、ご協力を お願いいたします。
あなたの来院、お待ちしています。