はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

プロシュート、パンチェッタが日本から消える日

# イタリア産生ハム #国産肉

「イタリアで豚コレラが出たので、イタリア産の豚肉製品を使った製品の輸入が止まる」

そんなtweetを見かけました。

 

3万件近くの「いいね」がつき、リツイートも4万件近い、いわゆる「万バズ」状態になっています。

病気の名前が「豚コレラ」ではなく「アフリカ豚コレラ」、

最新の正式な名前は「アフリカ豚熱」ということを ぜひ覚えておいていただきたいのですが、

このニュースは本当です。

1/8から輸入が停止されていますよ。

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イタリアから豚肉といったって…

遠い国からお肉を輸入したって、道中で腐っちゃうじゃない…

そうお考えの方もいらっしゃるかもしれないのですが、

ここで問題になるのは、お肉自体と言うより、イタリアで作られた肉製品。

生ハム、サラミ、チョリソー、そういったものたちも 輸入ができなくなるのですね。

 

サイゼリヤですっかり有名になった「プロシュート」や「パンチェッタ」をはじめ、

イタリア産の肉製品は 実は外食産業や 輸入産業でも多く扱われているので、

今後 たくさんの飲食店に 影響が出そうです。

 

とはいえ、今後 新しく輸入ができないというだけで、

今 日本にあるものは、なんの問題もありません。

そもそも、アフリカ豚熱自体、人間への病原性はありませんから、

日本で普通に手に入ったものは 安心して食べても大丈夫ですよ。

 

今回、アフリカ豚熱に感染した野生イノシシが見つかったのは、イタリアの ピエモンテ州でした。

フランスとの国境ですね。

今のところ、フランスではまだアフリカ豚熱は報告されていませんが、

農場などで飼われている豚ではなく、野生のイノシシで見つかった…ということは、

もう すでに 病原体はこの辺りで広がっている、と考えた方がよさそうです。

今後、フランスでもアフリカ豚熱が報告され、輸入が止まってしまうのも、時間の問題と考えられます。

 

そんなわけで、俄然 注目が集まっているのが、国産の豚肉です。

濃厚な味が特徴 と言われるイタリアの豚肉に比べ、あっさりと甘味のある味が特徴の 日本の豚肉。

とはいえ、生ハムやサラミ、チョリソーに加工する過程で、味はしっかりと載ってきます。

くどくなく、美味しく食べられるのは 国産豚肉ならではですよ。

 

日本の国産豚肉も、豚コレラという また別な病気のせいで、かなり追い詰められている状況にあります。

病気が出ると、出荷停止になり、収入源が断たれてしまうのですね。

今、国内にある イタリア産の豚肉を使った 肉製品は美味しく消費をしつつも、

国産の豚肉を 美味しく消費できるよう、いろんな食べ方を模索していきたいですね。

 

年末年始、私たち消費者の頑張りで、生乳廃棄を防止することができました。

これからも、国産の畜産製品の消費を 心がけていきましょう。

当院は、牛乳を飲み、国産の豚肉を食べながら 診療を続けていきます。

 

あなたのご来院、お待ちしております。