はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

夏が終わる前に。フィラリア&ノミ・ダニ予防、続けてますか?

お盆が過ぎて、朝晩にほんの少しだけ涼しさを感じるようになってきました…かね?
日中の暑さがまだまだまだまだ油断できなさすぎて、このまま 囚われて夏…(急な映画トーク)

 

この時期、診察室でよくお聞きするのが、
フィラリアやノミ・ダニの予防って、もう終わりでいいんですか?」というご質問です。
蚊だし、夏が終われば…みたいな印象 ありますからね。

 

ですが、結論から言うと、まだ終わらせてしまうのは早いです!
実は、ここからの時期こそ“うっかり忘れ”が増えてしまうポイントでもあるんですよ。

 

フィラリア予防薬は「蚊がいなくなってから1ヶ月後まで」

フィラリア症は、蚊によってうつる病気。
わんちゃんが蚊に刺されることで感染し、心臓に寄生虫が棲みついてしまう、という怖い病気です。

フィラリア予防薬は、蚊に刺されてから体内に入り込んだフィラリアの幼虫を駆除するお薬。
つまり、「刺される前に飲む」のではなく、「刺されたあとに対処する」予防なんですね。

 

そのため、蚊が見られなくなったとしても、その1ヶ月後まで投薬を続ける必要があります。
この時期にやめてしまうと、最後の1匹の蚊に刺されたフィラリアが、体の中で育ってしまうかもしれませんよ。

 

ノミ・ダニ予防は秋までしっかりと

ノミやマダニは、夏だけでなく秋にも活発に活動しています。
気温が20℃を超えている限り、ノミ・ダニのリスクは続きます。

 

特に秋は、草むらや公園でのお散歩が心地よい季節。
外で過ごす時間が長くなる分、草むらからの“おみやげ”としてノミやダニを連れて帰ってしまうことも。

ねこさんでも、網戸越しのベランダや、玄関先で拾ってしまうことがありますし、
室内飼いのどうぶつたちでも、人の衣服にくっついてきたダニが乗り移るケースもありますから。

「うちは室内飼いだから大丈夫」と思っていても、完全にリスクがゼロというわけではないんですね。

 

ノミ・ダニが引き起こす病気、知っていますか?

ノミやダニに刺されることで、単に「かゆい」「赤くなる」だけでは済まないこともあります。

・ノミ:アレルギー性皮膚炎、大量寄生による貧血(子犬・子猫は命に関わることも!)
・マダニ:バベシア症(命にかかわる病気)、SFTSなど 人獣共通感染症のリスク

特に、マダニは人にも感染する病原体(SFTSなど)を持っていることがありますから、
どうぶつたちの健康だけでなく、ご家族の安全のためにも 予防は重要なんです。

 

💡 忘れないための工夫、いろいろ

「毎月決まった日なのに、うっかり忘れてしまう…」
そんなときは、次のような工夫を取り入れてみてください。

 

スマホのカレンダーやアラームでリマインド
・薬を飲ませた日を手帳やメモアプリに記録する
・動物病院でまとめて処方してもらい、次回分の目印を貼っておく

 

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今お気に入りのアプリがない、というみなさまは 一度使ってみてください。

 

また、最近ではおやつタイプの予防薬も多く、 「本人」がリマインドしてくれることも。
盗み食いには注意が必要ですが、おやつ大好き!な子には 与えやすくてお勧めです。

 

 🐾 最後の1回まで、きちんと投薬を!

予防薬を最後まできちんと使い切ることが、
どうぶつたちの健康を守るうえでとても大切です。

「もう蚊、見ないからいいかな」
「1回ぐらい…」

そう思ってしまう気持ちもわかりますが、
1回の抜けが、一生を左右する感染症につながる可能性もあります。
注意一秒、怪我一生…みたいなことですね。

 

まだまだ暑い日が続きます。
油断せずに、もうひと踏ん張り!ですよ。

みなさんのご来院、お待ちしています。