はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

アロマのはなし

#アロマ #アロマテラピー #ユーカリ #ラベンダー
最近、あるサービスを契約するのに、何度か営業の方に会う機会がありまして。
最初から薄々気付いていたのですが、1号、その方の着けている香水がとても苦手でした。
親切な方で、毎回いろいろと提案してくださるのですが、頭痛がしてきて話が頭に入らないのです。
最後にはもう ほとんど話を聞けていませんでした。
合わない香り、受け付けない匂いというものがあるのですよね。


実は、動物たちにも、苦手な香りがあります。
それはアロマ。
いわゆるアロマテラピーですね。


アロマテラピーは、植物から抽出したエッセンシャルオイルを使った 治療の一種。
ホメオパシーとはまた違い、化学物質を使った 治療法の一種です。
化学成分ですから、さまざまな影響があり、具体的には、呼吸器や皮膚、神経に症状が出てきます。
精油の成分や香りの成分が、粘膜や気管支、皮膚を刺激してしまう事もあれば、
人間よりも体重の軽い動物にとっては 成分の濃度が高すぎて、神経に悪影響が及ぶ場合もあるのですね。


とはいえ、アロマテラピーの効果を実感している方も多いと思います。
1号も、花粉の時期に ユーカリ精油で芳香浴をすると楽になりますし、ラベンダーの精油で頭痛が改善したことも 数知れず。
効果を実感しているからこそ、動物と暮らしているとはいえ アロマを100%断つのはな…と思われる方も多いのではないでしょうか。


動物がいても、アロマテラピーはできます。
とはいえ、いくつかの注意点はやっぱりあります。


①換気
動物が高い濃度のアロマ成分にさらされると、体調を崩すリスクが高くなりますから、しっかり換気をしましょう。
扇風機を使ったり、窓を開けたり、空気の流れを良くして 室内にアロマ成分をこもらせない工夫が必要です。


②別の部屋で
アロマは、動物のいない部屋で楽しみましょう。
普段、動物のいる部屋でするのも、避けた方がいいですね。


③しっかり希釈
これは動物のためだけではなく、わたしたち人間のためでもありますが、精油はしっかりと薄めて使いましょう。
と言うのも、精油はとてもとても濃度が高いのですね。
ですから、そのまま使ってしまうと、成分が濃すぎて 体に害になるのです。
塩だって水だって、摂り過ぎれば死んでしまいます。
どんなにいいものでも、濃過ぎると害がありますから、必ず薄めて使うようにしてください。


④種類を選ぶ
どんなに効果が高く、良い品質の精油でも、有害な精油があります。
特に、ねこさんは わたしたち人間と肝臓の作りが全く違うので、人間が問題なく使える精油でも、ごく少量でも 命に関わることがあるのですね。
ねこさんと暮らしている皆さんは、必ず事前に調べてから 使うようにしてください。
一般的には、ペパーミント、ティーツリー、ユーカリ、柑橘系の精油に合わないものが多いと言われていますが、メーカーや含まれる成分によっては 他にも使えないものがあることもありますから。
しっかり確認して 使うようにしてくださいね。


⑤反応をみる
動物たちは、合わないアロマ、受け付けない香りがすると、吐いたり目が赤くなったり皮膚が痒くなったりと さまざまな症状が出てきます。
こういった症状が出てきた時は、もうそのアロマを使うのはやめましょう。


アロマを使って、動物の体調に異変が出た時は、できるだけ早めに 動物病院に相談してください。
中毒を起こしている場合がありますから。
こんな少量で?
すごく良い成分なのに??
と思われるかも知れませんが、動物たちと私たちの体の構造は全く違います。
ですから、用心しすぎなくらいが ちょうどいいんですね。


蛇足かも知れませんが、1号のアロマの楽しみ方も簡単にシェア。
1号は、花粉の時期には、お風呂場で換気扇をブンブン回しながら、ドアを閉め、熱めのお湯を入れた洗面器にユーカリのオイルを数滴垂らして お湯が冷めるまで芳香浴を楽しみます。
それから、頭痛がひどくて 薬を飲んでも今ひとつ…というときは、もう諦めて布団に入り、ラベンダーとユーカリのオイルを垂らしたマッサージオイルで 鎖骨あたりをマッサージ。
翌朝、犬のいるリビングに行く前に、シャワーでしっかり洗い流していますよ。
大げさかな、と思わなくもないのですが、1号家のチェさんは体重の軽いチワワですし、2007年生まれのご高齢なこともあり、気をつけるようにしています。


アロマの癒しも、動物の癒しも、どちらも欲張りたいですね。
あなたのご来院、お待ちしています。