はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

コロナウイルス と デマのおそろしさ

コロナウイルス の脅威が続いています。
感染が初めて見つかった武漢は、周辺都市と合わせ、明日の旧正月を前に、交通を遮断することになりました。
日本からは、成田・関空から直行便があり、全便欠航となっているそうですね。


原因のコロナウイルス は、MERSと同様、コウモリに由来すると分析されているようです。
コウモリの体内でコロナウイルスが変異→そのコウモリを食べたヘビが感染→ヘビを捕まえて市場で販売→市場関係者から感染拡大、という説が有力なようですよ。

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ウミヘビ…とは また違うヘビの話


先週、猫科動物で恐れられている 猫コロナウイルス感染症、またの名を FIPの記事を書きました。
では、FIPにならないコロナウイルス に感染すると、どうなるか。


犬、猫で知られているコロナウイルス 感染症は、主に子犬・子猫に 下部消化器症状 がみられます。
具体的には、下痢。
ちょっと緩くなる、というより、水状、泥状に近いくらい、ピーピーの下痢になります。


子犬や子猫は、この 下痢が原因で、死んでしまうことも。
でも、それは ウイルスのせいというより、下痢によって脱水するなどしたせい。
コロナウイルス による下痢でも、寄生虫など その他の要因による下痢でも同じように、脱水などが起きれば 死んでしまう可能性があります。


それから、コロナウイルスは、他のウイルスと混合感染することも多いもの。
そうなると、ウイルスがそれぞれ体内で暴れ、ウイルスに応じた症状が起こるので、加速度的に弱ってしまう場合もあります。


とはいえ、もともと、コロナウイルス はどこにでもいる類のウイルス。
ある程度の月齢になれば、自然とかかり、免疫を獲得します。
その結果、さほどひどい症状が起きることは少なく、FIPを除き、コロナウイルス による病気で 大人になったどうぶつが死んでしまうことはまれなんですね。


人間でも同じで、いわゆる風邪は、コロナウイルスによるものであることも多いとか。
でも、普通のコロナウイルスであれば これほどの問題になることはありません。
いま、問題となっている、新型のコロナウイルス は、病原性が強く、症状が重いのです。
だから、これほどの深刻な事態になっているのですね。


とはいえ、いま最も恐ろしいのは、病気そのもののパンデミック(大流行)よりも 病気にまつわる悪質なデマ と言われています。
すでに、このコロナウイルスに感染し発症している人が関空から病院へと搬送される途中で逃走した というデマが拡散し、否定されています。
以前、地震のあとに ライオンが逃げたとか、古くは 井戸に毒が入れられた なんてデマもありました。
こういった事態のときは、まことしやかな嘘や、出所不明な 訳のわからない噂に 振り回されてしまうことも。


なにか、情報を知ったら、何でも鵜呑みにして広めるのではなく、必ず 裏をとりましょう。


小さな家族の健康管理、たしかな情報の知りたい方は 当院へ。
あなたのご来院、お待ちしています。

コロナウイルスの恐ろしさ

大変なことになっています。
中国でいま話題の、肺炎。


もともと、湖北省武漢 という、中国の中央部にあるところで出た病気でした。
症状は重いものの、亡くなった方はいない…ということでしたが、ついにこの三連休、お一人亡くなったという報道に。
さらに、今日、日本国内でも このウイルスの陽性反応が出たとの報道が。
病気の感染も、ヒトからヒトへの持続的な感染は確認されていないとはいうものの、日本で陽性が確認された患者さんは 中国で肺炎の方と過ごしていたとか。
家族のように、濃厚な接触がある場合の限定的な感染は 否定しないかのような表現もありました。


この肺炎。
WHOが公式に コロナウイルスによる肺炎 と発表しています。


コロナウイルス
人間だけでなく、さまざまな動物に さまざまな症状を引き起こすことが知られています。
牛や馬の下痢から、ウイルスが出ることもありますが、
わたしたち獣医師は、やはり国家試験に出題されることの多い ニワトリと豚にまず注目します。
ニワトリでは伝染性気管支炎、豚ではPED(豚流行性下痢)とTGE(伝染性胃腸炎)が、それぞれ 届出伝染病に指定されていますから。
どの病気も、ヒトにうつることはないと言われていますが、
令和に入ってからも 発生報告のある病気。
いったん出てしまうと、撲滅がたいへんな病気なのです。


そして、獣医師のなかでも、動物病院や 動物園で働く獣医師が恐れているのが、猫のコロナウイルス
猫伝染性腹膜炎、という病気です。
これは、FIP、という略称で呼ばれたり、文脈や相手によっては、さらに略してP、だけで伝わることも。


これは、コロナウイルス という、そこまで強い病気は起こさないタイプのどこにでもいるウイルスが、猫の体内で性質を変え、
強い病原性をもつようになったとき、FIPという病気を発症する、という点がとてもおそろしい病気。
まず、発症してしまった場合の致死率がとても高い病気ですし、
どこにでもいるウイルスが体内で性質を変え、強い病原性を獲得、発症するというメカニズムは、他にはあまりありません。
とても怖い病気なのです。


猫。
動物園にも、猫がいますね。
そう、ライオンやトラなど、猫科のどうぶつたちです。
動物園で働く後輩は、「ここにいる限り、怖くて家で猫は飼えない」といいます。
それは、FIPを恐れてのこと。
ペットとして暮らすねこさんよりも、動物園にいるような子たちは FIPに弱いとされています。
つまり、発症しやすく、発症したらさらに致死率が高いということ。


ペットの猫、いわゆる イエネコ以外の猫科動物は、すべてワシントン条約で保護されています。
言い換えれば、どれも 保護しなければ絶滅してしまう可能性のある、貴重な種なのですね。
そんな貴重な動物を、FIPのような病気で死なせるわけにはいかない…という話です。


FIPの厄介なのは、ほぼ無害なウイルスが突然牙を剥く、ということ。
そして、牙を剥くきっかけも、仕組みも、ほとんど分かっていないことです。
分かっているのは、どうやら、ストレスが関係しているようだ…ということだけなんですね。


FIPは、ヒトにうつることはありません。
飼っているねこさんが FIPでも、人間には感染しませんので、そこは安心。
でも、ウイルス自体は、猫さん同士ではうつります。
うつされた子が またFIPを発症するか、無害なコロナウイルスのままで済むかは うつされた子次第ですが…ね。


中国の肺炎も、FIPも。
感染症は、とにかく予防が大切です。
家から一切出ない!のは、人間には難しくても ねこさんには簡単ですね。
ねこさんは家から出さずに飼いましょう。


あなたのご来院、お待ちしています。

2020年の年頭所感

2020年になりました。
令和 初のお正月ですね。
9連休を堪能した方も、ふだんと変わらず 日常を駆け抜けた方も。
時代と年の初めです。
平成の自分も良かったけれど、令和の自分はもっと良い。
そう思えるように、頑張っていきたいですね。

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今年の撮り初めは 実家そばの四季桜でした。

令和はもっと 気に入る写真が撮りたいな。


去年の、ラグビーワールドカップに続き、今年は オリンピックやパラリンピックが開催されます。
あの、東京!ウワアーッ!の中継を見ていたのが、つい先日のことのようです。


東京大会に出ること。
それを目標とし、叶えた選手はもちろん素晴らしいのですが。
前人未到の五連覇を目指した伊調馨選手、現在治療に専念している 池江璃花子選手をはじめ、今回代表に選ばれなかった選手にこそ、惹かれてしまう自分がいます。
甘いジュースも大好きだけれど、ほろ苦いコーヒーにも惹かれる。
努力や、才能や、絶望感や、悔しさや、称賛や、夢や、渇望や…
今までのすべてが濃縮して作り出す、唯一無二のその苦みだからこそ、惹かれてしまう。
…1号もまた一つ、大人になったかもしれません。


いろいろなことがある 今年。
今年こそ、そして 今年も、
頑張っていきましょう。
 

猫と心臓病・終章 治療と予後のはなし

クリスマスでしたね。
1号にとっては、下の子の誕生日でもありました。
サンタさんがやってきた方も、サンタさんの代行という重責を果たされた方も、ふつうの水曜日だった方も。
みなさまお疲れ様でございました。


さて。
今回は、先週の続き。
猫と心臓病 シリーズの3番めの記事をお届けします。


前回、お伝えしたのは、心臓病で足の痛みが出ることがある、ということでした。
それは、肥大型心筋症という、心臓病の筋肉が病的に大きくなる病気によるもの。
全身の血の巡りが悪くなると血栓ができ、足への血管を詰まらせるために激痛が起きる、という流れでした。


実は、当院、この状態で駆け込んできた子を たくさん診ています。
当院には休診日がないので、ふだんは もっとご自宅に近い病院などにかかっている子が、よりによってかかりつけ医の休診日に…!と、駆け込んで来られることが多いんです。


心臓病で足の痛みが出るまでになると、詰まりを取るための治療が必要になります。
飲み薬が効くのも待っていられない、急を要する事態ですから、直ちに入院して 点滴の治療をします。
血栓を溶かす薬、言い換えれば、カサブタを溶かして血を止まりにくくような薬や、心臓の機能を改善する薬を、ひたすら点滴します。


ものすごく高いけれど、時間を戻したんですか?レベルでものすごくよく効く薬を使うか?
一定の効果はあって、実績もたくさんあるけど、ものすごくよく効くというほどではない薬を使うか?
体質や持病の関係で、一般的によく使うものが使えないから、また別な方法を使うか?


人間と違い、保険や 高額医療の制度のない どうぶつたち。
いわゆるペット保険も、月間の使用額や回数には上限があるものがほとんどですし、ねこさんの場合 まだまだ入っていないという方も多いので。
飼い主様や、その子の状態を見ながら、どの薬を使うのか?を 判断していきます。


入院、点滴で症状が改善したら、退院して飲み薬の治療に移行します。
心臓の機能を上げる薬。
心臓の負担を減らす薬。
詰まりにくい血液の状態を保つ薬。
さまざまな薬を使い、少しでもいい状態へもっていけるようにします。


足にまで症状の出るレベルの心臓病ですから、飲み薬もとても重要。
でも、飲みたがらない子も多いので、出来るだけ数を少なくしたり、ごはんなどに混ぜて 飲ませやすいものを選んだり。
他の子に評判の良かったものにしたり。
いろいろ工夫をしながら、病気と付き合っていきます。

 


予後についても 少しだけ。
この病気になった子、しかも、入院・点滴にまでなった子は、やっぱり その後5年、10年と長生きすることは 難しい場合が多いようです。
でも、治療が手遅れにならなければ、おうちに帰れる子も多いんですよ。


足が痛そう?
最近機嫌が悪いし、歩きたがらない。そういえば元気もないようだけど…
そんなふうに感じたら、早めに動物病院を受診してください。
それは、待っていても、治らないどころか、悪化する一方です。
最悪、突然亡くなってしまうこともありますから。
様子を見たりはせず、ご相談くださいね。


あなたのご来院、お待ちしています。
 

猫と心臓病 「風が吹けば桶屋が儲かる」

寒いですね。
寒さにもいろいろありますが、忘れられないのはやはり 某国での寒さ。
気温はマイナス20度以下が当たり前なのですが、向こうで気にしているのはそれより何より 体感温度
実際の気温がどうか?より、何度くらいの寒さと感じるか?が大事なんです。

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川が凍り出す時期。

来てます。寒波が来てます。

 

そんな某国、天気予報に欠かせないのが 「ウインド・チル」の有無でした。
これは、日本で最近使われるようになった、「チルってる=心地いい」とは、真逆の意味。
ウインド・チルとは、北極からの風が強く吹くことなんです。
すごく冷たい風が吹いてくるので、気温は高くても 体感温度がむちゃくちゃ下がります。
晴れた日など、「今日は気温はマイナス20度くらいまで上がりますが、お昼ごろはウインド・チルがあるので、体感温度はマイナス40度以下。室外へ出るのは避けましょう」なんて、予報を聞くことがあります。
低すぎてなんだかよくわかりませんが、気温の差でいうと、20度くらいです。
この差を、日本で考えてみます。
いま、12月の東京の平均気温は 12度。
8月の平均気温が、ちょうど20度くらい上、31度くらいです。
つまり、風が吹くだけで、実際の気温は8月なのに、12月くらいに感じられてしまう、というのが、ウインドチルなんです。


たかが 風。
でも、気温を20度も下げて感じさせるくらいの力があるのが 風なんですよね。


そんな 風。
風が吹けば桶屋が儲かる、ということわざを ご存知でしょうか。
1. 風が吹くと、埃が立つ
2. 埃が目に入り、目の病気で失明する人が増える
3. 失明した方は音楽を生業とすることが多いので、三味線の需要が増える
4. 三味線の材料にされるため、猫が減る
5. 猫が減ると、ねずみが増える
6. 増えたねずみが桶をかじって壊す
7. 桶の需要が増えるので、桶屋が儲かる
というのが一般的ですが、オホーツク海沿岸では違うのだそう。
オホーツク海沿岸バージョンでは、
1. 北風が吹くと、流氷が接岸
2. 室温が氷点下になる
3. 水場で使われる桶が凍結し、壊れる
4. 桶の需要が増すので、桶屋が儲かる
と、全く別な流れで 桶屋が儲かるのだそうですよ。

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寒波により、完全に凍りついた時期の同じ川。

セントラルヒーティングがなければ、確かに、室内のものが壊れてもおかしくないかも。


ところで、足の痛みから、心臓の病気がわかることがあるのを ご存知ですか。
一見、まったく話がつながらないようですが、「風が吹けば桶屋が儲かる」のと同様、背後には隠された流れがあるんです。


足の痛みを引き起こす 心臓の病気。
それは、肥大型心筋症 という病気です。


肥大型心筋症とは、その名の通り、心筋が肥大する病気。
ひらたくいえば、心臓の筋肉が 分厚くなる病気です。
筋肉体操などで鍛えられる、いわゆる 裏切らない 筋肉とは違い、心臓のような臓器は 平滑筋 といって、鍛えても大きくはならない筋肉でできています。
これが、大きくなってしまう病気。
それが 肥大型心筋症なんです。


心臓の筋肉が大きくなる、つまり、心筋が分厚くなると、何がいけないか。
まず、心臓の中の部屋、血液を貯めておくスペースが 狭くなります。
これにより、一回の鼓動で 押し出せる血液の量が少なくなりますね。
全身に血液を巡らせるために、鼓動の数が増えるわけです。


さらにいけないのは、鼓動がうまくできなくなること。
そもそも、心臓は、電気信号で鼓動を生み出しています。
縮め!という電気信号が心臓の筋肉に伝わるから 縮む。
縮め!の信号がなくなるので、ゆるむ。
これの繰り返しが 鼓動です。
ということは。
縮め!の信号が、心臓の筋肉にうまく伝わらなかったり、伝わっても 縮むことができない場合。
心臓は鼓動ができません。


病気で大きくなってしまった 心臓の筋肉は、信号をうまく伝えられず、伝わっても うまく縮むことができません。
つまり、鼓動ができないんですね。


鼓動ができないということは、心臓が止まっているのと同じこと。
全身に血液が巡らないわけです。
でも、止まりっぱなしではありません。
止まりっぱなしでは死んでいたり、倒れたりします。
病気が進行して 重症になれば、もちろんそうなることもありますが、初めのうちは ときどき脈が飛ぶとか、脈が乱れる状態になります。


この、脈が飛んだり 乱れたりしているとき。
血液はどうなっているか?というと、澱んでいます。
巡らない、動いていないわけですからね。


するとどうなるか。
しだいに集まり、固まって、栓を作ります。
これが突然、後ろ足のほうへと伸びている血管に詰まってしまうことが ねこさんではよくあるんですね。


脳の血管に栓が詰まると、脳梗塞を起こします。
このとき、感じる症状としては、「経験したことのないほどの頭痛」「バットで頭を思い切り殴られたような痛み」など、とにかく強い痛みが出ます。
これと同じことが 足に起きるわけです。
脳梗塞と違い、意識はありますから、痛いままなのですね。


そうです。
これが、足の痛みから 心臓病がわかる!?の流れ。
1. 心臓の筋肉が病的に分厚くなる
2. 電気信号がきちんと伝わらなかったり、伝わっていても送り出せる血液の量が減る
3. 血液の巡りが悪くなる
4. 血液が澱み、血栓が出来る
5. 血栓が詰まって、痛みが出る
全身のうち、到達するまでの道のり=血管が長い分、途中で詰まるリスクが高いのが 足。
そして、動かす部分なので、より症状が分かりやすいのも 足なんです。


…すっかり 長くなりました。
次回、治療と予後(その後)を お送りします。


当院、かなり 経験を積んでいます。
ある日急に足が動かなくなり、ニャーニャーと騒ぐようになったら。
出来るだけ早く、病院へ連れて行ってください。
それは、様子を見ていても、良くならないどころか どんどん悪くなっていく病気。
引っ張れば引っ張るほど、時間もお金もかかるし、命にも関わる病気です。


あなたのご来院、お待ちしています。

猫と心臓の話・序章 冬は循環器に厳しい季節です

冬です。

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心臓や腎臓に不安のある子には、厳しい季節ですね。
アメリカでは、100年近くずっと、心臓の病気が死因のトップなのだとか。
肥満や糖尿病など、心臓に負担のかかっている人が多いことによるもの、だそうですが、気候もきっと大きな要因なんじゃないかと思っています。
だいたい北極のアラスカはもちろん、ボストンやニューヨーク、シカゴなんかも けっこう寒いですもんね。
いや、カナダには 遠く及びませんけども。(北から目線)


そもそも、冬がなんで心臓、腎臓に厳しいのか。
それは、水分の摂取量が減ることと、血圧が上がりやすいから。


冬は寒いので、たくさん汗をかく夏よりも喉が渇きませんね。
そのため、水分の摂取量は少なくなるのが一般的。
水分の摂取量が減ると、どうなるか。


まず、腎臓目線で考えます。
腎臓は、体の水分調節を司る臓器。
たくさん水分を取れば、体から余分な水を捨てるため、薄い尿をたくさん出します。
逆に、水分を取る量が少なければ、体に水を保つ必要がありますから、濃い尿を少しだけ出しますね。
冬は水分を取る量が減るわけですから、濃い尿を少しだけ出すことに。
でも、濃い尿を出すと、腎臓には負担がかかります。
濃い尿とは、少しの液体にたくさんの老廃物が浮いている状態。
たくさんの液体といっしょに流せば 詰まらない量の老廃物も、少しの液体としか流せなければ、詰まってしまうこともありますね。
それと同じことなんです。


次に、血液目線で見てみましょう。
血液は、水分に 血球などがたくさん浮いている状態です。
寒くて、水分を摂る量が減るわけですから、血液の液体部分は減ります。
すると、少しの液体にたくさんの物体が浮いている…という状態に。
おや?どこかでそんな話を見かけましたね。


次々いきましょう。
今度は 血管目線。
血管は、血液の通る管です。
よく、ホースに例えられることがありますね。
血球の浮いた液体、つまり 血液がサラサラと流れるのが 血管。
冬は寒いので、体の熱が奪われないよう、血管はキュッと縮みがち。
つまり、ホースの径が短く、通り道が細くなるわけです。
ここへ、濃い血液が流れるわけです。
通りにくいところへ、通りにくいものが流れようとする、という状態になります。


最後は、心臓目線。
心臓といえば、全身の血液を巡らせる ポンプですよね。
心臓に入ってきた血液を、全身に行き渡らせるため、強く押し出す役割です。
思い返してみましょう。
冬、心臓に入ってくる血液は、濃くて流れにくい血液になっています。
それは、液体の部分が少ないからでしたね。
そのような、流れにくい血液を、心臓が押し出す先は 血管。
血管も、細く流れにくい状態です。
流れにくいところを流すために、心臓はどうするか。
頑張って強く押し出しますね。

つまり、血圧が高くなる、というわけ。


そう。
これこそが、冬に心臓に負担がかかるメカニズムです。
他にも、交感神経が…とか、ホルモンで…とか、いろいろな要因があります。
でも、一番大きいのは、このメカニズムによるものです。


字数がえらいことになってしまいました。
肝心なところへ たどり着く前に、これにて一旦 小休止といたします。


…ドロン!

ONE TEAM

季節の変わり目を 完全に見逃していた1号。
先週の、いきなり寒くなった日に、夏服+カーディガンでちょっと歩き回ったら、ばっちり風邪を引きました…。
10月末には 副鼻腔炎もやったばかり。
いろいろと反省しています。(ガラガラ声で)

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秋の空…ですね


さて。
いよいよ、令和元年の12月。
いまは、亥の月といって、来年以降の 準備をするべき時期なのだそうです。


そのためなのか、年明け以降のトリミングのご予約も 徐々に埋まり始めてきましたよ。
例年、年末とお盆前は ご予約が混み合いますが、今年の勢いも かなりのもの。
特に、当院は、一般のサロンさんでは断られてしまう 持病のある子の専門サロンということもあり、年内に綺麗にして…と、お考えの方は、お早目のご連絡 お待ちしております。
持病があっても、年末年始くらい 綺麗な状態で迎えたいですもんね。


そうそう、当院に長く通っていただいている方には、トリミングに出している間に、大掃除や床のワックスがけなど、わんちゃんのいない間にやりたい作業を終わらせる!
という方もおられます。
かつて、トリミングのあいだに引越しを終わらせた!という 猛者もおられました。
確かに、新居に綺麗な状態で入れますから、とてもいい方法ですよね。


当院では、トリミング前後のお預かり料金はいただきません。
朝一番にお預かりし、診察時間終了ギリギリにお迎えに来ていただいても いただくのはトリミング料金のみです。
(心臓病などで、お預かりの間 酸素室を使う子だけは、例外として 酸素室の利用料をいただいています)


預けたい日程や、トリミングを受けたいお日にちが お決まりの方。
受付枠は、どんどん埋まってしまいます。
お早めにご連絡くださいね。


そんな12月。
今年の流行語大賞は「one team」に決まったのだそうですね。

流行語大賞に「ワンチーム」 トップ10に「タピる」も

 今年話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2019ユーキャン新語・流行語大賞」が2日発表され、年間大賞にラグビー・ワールドカップ(W杯)日本代表のスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」が選ばれた。 トップテンには、台風接近に伴い鉄道各社が実施し…


ラグビーワールドカップの興奮は、未だに忘れられませんし、
もっと日本にラグビーというスポーツを浸透させたい!という情熱のもと、選手や監督が スポーツ番組のみならず、ニュースやバラエティなど、幅広い番組に 積極的に出演されている影響もあるのか、
開幕前よりも ずっと身近に思えるようになりました。


そんな中での、流行語大賞選出…
まさに追い風!ですね。


one teamといえば、当院の目指す 獣医療の姿でもあります。
どうぶつ本人、飼い主さま、そしてわたしたち。
トリミングチームによる皮膚や毛の手入れと、それによる暮らしやすさ。
獣医師チームによる治療や予防、そして啓蒙。
そして、医療者でもあり、獣医師よりも飼い主さまにより近い目線をもつ 看護師チーム。
当院で提供している獣医療は、この三位一体からなり、どの要素が欠けても 成立しないものなのです。


ラグビー日本代表は、日本を含め、7つもの国の出身選手からなるチームだったそうです。
お互いの文化や背景に敬意を払い、同じ目標に向けてベストを尽くし合う。
その精神を込めたスローガンが「one  team」…
なんとも素敵。
さすがは 紳士のスポーツですね。


元号「令和」を抑えての大賞ということで、どれほど盛り上がったのか 後世の人々に伝わるといいなと思います。
当院も、ブレイブ・ブロッサムズを見習って、病気にタックル!
ジャッカルさせずにすかさずスイープ!!
そのまま回復へトライ!!!
からの、完全治癒というコンバージョンゴール!!!を 決めていきたいと思います。


覚えた言葉は まるで生まれたときから知ってたかのようにバンバン使っていくタイプです。
にわかファンの 1号でした。


あなたのご来院、お待ちしています。