はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

最近気になる、下痢の話

大型連休でした…
私事ですが、1号はこの連休で 人生何度目かの引っ越しをしました。
何度やっても毎回毎回最後にわーっ!てなってグシャーッ!とやって後からギャーッ!てなる…
うさぎとかめ でいうところの、典型的な うさぎ です。


ようやくある程度の日常が戻ってきて、ここ数日。
1号家のチワワが 盛大な下痢をしています。
それはもう見事なもので、散歩中に食った道草がそのまま出てくるくらいのありさまなんです。


実は、ゴールデンウィーク前後くらいから、下痢など お腹の調子の悪い子が全国的に増えているよう。
北海道の先輩から、九州の後輩まで、みんな口々に 下痢の話をしています。


ただ、単純に 下痢 と言っても、わたしたち獣医師は いろいろなチェックポイントがあります。
病院へ連れてきていただくとき、押さえておいていただけるとうれしいポイントは、 2つ。


まずポイントになるのが、きっかけです。
いつ、どうして下痢が始まったのかがわかればベストですが、気づいたきっかけでもかまいません。
今回の1号家のチワワでいうと、引っ越しでバタバタしていたのが落ち着いたときに 下痢が始まった…とか。
昨日 来院されたのは、幼稚園児のお孫さんが帰省してきてから 調子を崩したようだ、という子と、バーベキューの翌日から 下痢をするようになったという子。
こんなふうに、いつから…という日付がわかり、その前後の イベントごとがわかると、治療の方針がとても立てやすくなります。


2つめのポイントは、やはり下痢のようす。
下痢 自体の様子はもちろん、排泄中の その子の様子もわかればとても助かります。
下痢のようすとは、量や色や臭い、どの程度水っぽいのか、血は混じっていたのかどうか、中に寄生虫のようなものや、なにか変なものはなかったか。
できるだけ細かく、具体的に教えていただけるとよりいいですね。
もちろん、下痢の時には 糞便検査(うんちを詳しく調べる検査)を行いますが、出たばかりのうんちの様子も とても大切なポイントなんです。


そして、その子は下痢をするとき、時間をかけてしぶりながらうーん…とやっていたのか、それとも サラサラサラ…と出たのか。
お腹は痛がっているようだったか、そうでもなかったのか。
他に、ふだんの様子と違うところはなかったか。
こういった、飼い主さんでなければ わからないことを教えていただけると、とても助かります。


下痢 というのは、ごく一般的な病態、症状です。
原因もたくさん考えられますが、結局 詳しく調べるまでもなく治ってしまうことや、体質!で片付けられてしまうことも 多々あります。
でも、中には重病のサインが隠れていることも もしかしたら同じくらいあるんじゃないか、見逃されているだけなんじゃないか?とも。
下痢、と ひとことで片付けてしまわず、気になることがあったら ぜひ病院へ連れてきてくださいね。
飼い主さんの「何か違う…」が、本質を捉えている場合も多いんです。


あなたのご来院、お待ちしています。