はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

災害のあとの、伝染病の話

倉敷の水害から、早2年。
あの日も七夕でした。
そして、今年も七夕。
自分だけは…まさか…
そういった安全バイアスこそが、命取りとなることもあります。
あなたの家より、あなたの車より、1号はあなた自身が大切です。
逃げるべき?と迷ったときは、1号のために逃げてください。
あなたの命を守る行動を、どうか。


災害の後は、汚れがひどく、衛生状態が悪くなるため、伝染病が心配です。
中でも、水害の後に特に心配なのが、傷口から菌が入るタイプの病気や、水をなかだちにして広がっていくタイプの病気です。


具体的に見ていきましょう。


まずは、最近ニュースでも取り上げられています。
破傷風
これは、傷口から菌が入るタイプの病気です。


ふだん、破傷風の菌は土の中にいます。
空気中くらいの酸素濃度があると死んでしまうので、砂場や公園といった 浅いところよりは、そこそこ深い土の中に多くいる菌です。
この菌は、大規模な災害…特に、水害や地震など、土が深く掘り返されてしまうような災害の後に出てくることが多いのですね。
空気中では生きられない とはいえ、災害で土が掘り起こされて空気に晒された後、死に絶えるまでには それなりの時間がかかります。
この間に、わたしたち人間の身体に入り込めば、病気を起こす原因になるのです。


破傷風という病気は、菌自体が増えて内臓にダメージ、というものではありません。
菌の作り出す毒素に中毒を起こしてしまう病気なのですね。
また、この菌の恐ろしいのは、作り出す毒素がとても強いこと。
ごくごく少量でも症状が強く出るため、世界最強の毒素なんて言われることもあるくらいです。
具体的な症状としては、手足の硬直、背中のエビ反り、呼吸困難などがあります。
この毒素は神経に作用するので、神経に支配されている筋肉に症状が出るのですね。


破傷風自体には、ワクチンがあります。
3種混合(DPT)ワクチンで予防ができるのですが、ワクチンを打っていなかったり、ワクチンで免疫がつきにくい体質だったりすると、きちんと抗体ができないことも。
そうなってしまうと、ごく小さな傷からでも、菌が入って 病気になる可能性があるんです。


では、どうすれば良いかというと、切り傷・擦り傷など、血が出るようなケガをしないこと がとても大切です。
後片付けなど、ケガをしそうな作業をするときは、長袖や長ズボン、軍手、長靴などで 皮膚を出さずに作業をすること。
これがとても大切です。
また、ごく小さな傷からでも 菌が入り込んでしまうことがあるため、定期的に手足を石鹸でよく洗うことも大切です。
破傷風菌は、消毒液がとても効きにくいという特徴がありますので、消毒液で拭くなどの対策よりも、洗って物理的に傷口から流し出す方が効果的です。


そして、水をなかだちにして広がってゆく病気。
わたしたち獣医師としては、やはりレプトスピラが気になるところです。


レプトスピラは、いろいろな哺乳類の腎臓に住みついている菌で、おしっこに混じって出てきます。
日本では、山奥などにいる野生のネズミなどがこの菌を体内にもっていることが多いと考えられています。
こうしたネズミのおしっこが混じっている可能性のある水や、湿った土から広がることの多い病気なのですね。
上下水道の整備された日本では、あまり見ることの少なくなった病気ではありますが、水辺のレジャーを楽しむ方々の間では 知られた病気でもあります。


東南アジアなど、しばしば洪水の起こる国々では、洪水のあとに この病気の患者さんがたくさん出ることがわかっています。
レプトスピラには、とてもよく効く抗生物質がありますが、まずは診断がつかなければ 抗生物質も使えませんから、
避難する際などに 水に浸かった方はもちろん、後片付けをされた方も、充分に気をつけるようにしてくださいね。
コロナやインフルエンザにも似た症状が出ることが多いため、特に 今は受診もなかなか難しい可能性がありますから。


この病気も、予防をするには 作業をするときに水が素肌に直接触れないような服装をすることが大切です。
具体的には、長袖・長ズボン・長靴に、できれば ビニール手袋をしてから軍手。
もちろんマスクも大切です。
レプトスピラは、らせん菌といって、ウイルスよりもかなり大きいので、布マスクも充分に効果があります。
直径約0.1μmの球状のコロナウイルスに対し、レプトスピラは直径こそ同じ約0.1μmですが、長さは60μm-100μmといわれています。
つまり、1000倍の長さがある ということ。
これだけの大きさがあれば、一般的な布マスク…いわゆる アベノマスク でも充分に捕捉ができますよ。


伝染病は、どのようにしてうつるのか?がわかれば、予防の可能性が高まります。
感染経路対策のみが絶対ではありませんが、大きな要素ですよね。
大きな災害の後は、破傷風も、レプトスピラも、100%避けられない状況だから。
感染経路対策は 確実に押さえていきましょう。
あなたのご来院、お待ちしています。

ノミ・ダニ対策をしないと、どうなるか

降ったり止んだり、梅雨らしい天気になってきました。
とはいえ、晴れ間が週末に重なることも多いようで、自粛明けを楽しむこともできている方が多いのではないでしょうか。
1号も、ベランダで育てているトマト・ゴーヤが例に漏れずえらいことになっており・・・
ベランダ園芸に精を出しています。
肥料や支柱など、自粛中は気軽に買い足しには 行けませんでしたものね。


さて。
ベランダ園芸を楽しんでいると、やはり虫が目につきます。
1号家のキッズはザ・女子2名なので、その度にいちいちキャアキャアうるさいわけですが、
中にはダニっぽいやつ、ノミっぽいやつ、色々なやつがいたりして。
ついつい、ノミ・ダニ対策に思いを馳せてしまいます。


ノミ・ダニ対策をなぜどこの動物病院でもしつこく言うか。
中には、「儲かるからだ」なんて尤もらしく言う方もいますが、ぶっちゃけそれほどでもありません。
原価もそこそこしますし、だいたい、ノミ・ダニ対策は薬を売るわけですから、簡単に言えば物販。
一度でも物販に関わったことのある方なら容易にお分かりかとは思いますが、店舗を構えて物販をする以上、在庫管理が発生します。
それだけに専念していても難しい在庫管理という業務、獣医師はもちろん、看護師・トリマーが診療・サロンワークと並行するのはとても大変なんですね。
動物病院が本気で儲けるのなら、皆さんにノミ・ダニ対策を勧める という、手間もかかる上、効果も確実に見込めるかどうか・・・といったものではなく、もっと楽で簡単な方法はいくらでもあります。


ではなぜ?
それは、ノミ・ダニ対策をすることで防げる病気がいくつもあるからなんです。


わたしたち獣医師は、獣医師法に書いてあるとおり、獣医事をとおして公衆衛生の向上に寄与することが任務です。
診察するとか、動物園の動物を飼育するとかいったことだけでは不十分で、
それを行うことで 公衆衛生の向上…つまり、人々の衛生状態をよくする というのが、本来の任務。
ですから、ノミ・ダニ対策を!と皆さんにお伝えすることは、獣医師が本来やるべきことの最たるものなんですね。
ノミ・ダニにきちんと対策をすることで防げる病気は、どれも 人獣共通感染症
動物からヒトにうつる可能性のある病気の、実際に「うつす」役割を果たしてしまうのが、ノミ・ダニですから、
これはぜひ皆さんに対策をしていただきたいと、手を替え品を替えて お伝えをしているんです。


具体的に見ていきましょう。
まずは、ノミ。
ノミは条虫という寄生虫をうつします。
いわゆるサナダムシですね。
これにかかると、吐いたり下したりするのは当然として、栄養が取れないので 痩せていきます。
さらに、お尻から虫が出るときにはかなり痒いので、そこら中にお尻を擦り付けます。
単純に汚いし、周りに広げてしまう可能性もあるばかりか、擦り付けたことでお尻の皮膚に傷がつきますので、皮膚炎など別の病気を引き起こしてしまうかも・・・


また、ノミは、サナダムシに関係なく、皮膚炎の原因にもなります。
動物の血液が好物で、犬・猫はもちろん、ヒトの血を吸うんです。
蚊とは違い、オスもメスも血を吸います。
ノミに血を吸われることを「ノミ刺咬症」といいます。
蚊と同じように、ノミも 血を吸っているときに 動物に気付かれないよう、麻酔のような作用のある物質を注入します。
これ自体に対してアレルギー反応を起こしてしまい、アレルギー性皮膚炎になってしまったり。
また、この物質は、後から強い痒みの原因になりますので、掻きむしってしまい、皮膚についた傷から 皮膚炎になってしまったり。
皮膚炎がひどいと、どうしてもフケや皮膚片が落ちますが、ノミはそういったものを栄養源としてどんどん繁殖しますので、家の中でさらにさらに増えて行くことも・・・
おそろしいことですね。


次に、ダニ。
ノミは、言うてちょっと痩せたり、痒かったりするくらいでした。
でもダニは違います。
ダニからうつる病気で、死ぬことがあります。
しかも、そんなおそろしい病気は複数あるんですよ。


なんと言っても、最近、話題になってきているのが、 重症熱性血小板減少症候群 という長い名前の病気です。
通称は、SFTS
簡単にいうと、熱が出て血小板が減ってしまう病気です。
血小板が減ると、血が止まりにくくなりますので、体の中で出血が止まらなくなってしまったりすると 死んでしまうことも。
致死率は10-30%と言われていて、これは コロナ(CoVID-19)の致死率(全世界で約5%)のおよそ倍〜6倍の数値です。
この病気の恐ろしいのは、治療法がまだないこと。
コロナと同じく、支持療法 といって、とにかく死なないようにしつつ、本人の免疫が病気を打ち負かすのを期待するしかないんです。


また、他にもマダニにうつされる病気はたくさん。
ダニ媒介脳炎という、同じく治療法のない病気や、
日本紅斑熱、ライム病、ツツガムシ病という病気が代表的です。
中でも、ライム病は、カナダ出身のアーティスト、アヴリル・ラヴィーンさんがかかったことでも 有名になりました。
彼女は、壮絶な闘病の経験として、死を受け入れ、身体の機能が停止していくのを感じた…と綴っています。
治療法があるとはいえ、それでも、肉体的にも精神的にも今までの人生で一番辛い日々だった…とまで言わしめる病気。
それが、ライム病なのです。


こういった恐ろしい病気は、あまり声高に語られることこそありませんが、実際に今もかかって苦しんでいる人がいます。
今年、2020年も 19名の方が既にSFTSにかかったと報告されています。
2019年には、102名の方がかかり、そのうち5名の方が亡くなられているんですね。


恐ろしい病原体をもったマダニは、身近にいます。
ダニ対策をしていないと、ペットについたダニが家の中に入り込み、咬まれ、そして 病気をうつされる危険があるんです。


コロナで 家庭の経済状況も 落ち込んでいますね。
日々、ニュースやネットニュースを見ては、支出を抑えないと…と思っていらっしゃる方も 多いのではないでしょうか。
でもね。
抑えてよいところと、抑えてはダメなところがあります。
お散歩に出る子の ノミ・ダニ対策は、抑えてはいけないところです。


そうは言っても、感染が心配…な あなたのために、
当院では、事前にご連絡をいただければ、ご用意をして お待ちをしております。
体重が安定している子、去年検査をして お薬をすべて飲み切っている子は、わんちゃんが来院しなくても お薬をお出しできますよ。
心配ごとは 一つでも少なく。
あなたのご来院、お待ちしています。
 

移動自粛解除。ということは、のみ・だに対策が大事です

のみ・だに対策が必要ですね。


ようやく…
長かった自粛が明けました。
全国どこへでも移動ができる。
自粛前と同じに戻るわけです。


でも、ふと見渡してみれば…
シャッターを下ろしたままだったり、やけに汚れたままだったり、ショーウィンドウの中が冬のままだったり。
そんなお店も 増えているようです。
大きな経済ダメージが、そこここで見て取れますね。


これからが本番なのでしょう。
感染症対策も、経済の復活も。
とはいえ、ひと段落ついたことも きっとまた事実。
今までのことを労いつつ、未来へと進んでいきましょう。


さて、このように 移動が自由になると、やっぱり旅に出たくなります。
今まで制限があった分、反動で 今までは旅などしなかったという人も、たまには旅もいいかも となることも増えそうです。
何日もかけるような旅行はもちろん、日帰りでちょっと…車でふらっと…
そんな 気軽なプチ旅も 増えてゆくことでしょう。
そのとき、わんちゃんも連れていかれる方。
必ず、必ず のみ・だに対策をしてください。


コロナによる自粛で、虫が活発に活動しているようです。
イタリアなどでは、ロックダウンで 観光名所に人が来なくなったため、本来の美しさを取り戻せた場所も多いのだとか。
日本も、ロックダウンこそしなかったものの、観光地に人が入らなかったのは同じです。
それどころか、自粛により、手入れすらできなかった場所も多く、春ということも相まって ものすごい勢いで動植物が勢力を拡大した地域も とても多いのですね。


のみ・だには、比較的身近な虫です。
東京23区内では、見かけることは少なくなってきたとはいえ、当院のような 自然豊かな地域では、まだまだ普通に見かける虫なんですね。
中でも、小金井公園や 五日市街道など、自然が身近なところの草むらの中には、たくさんたくさん 生息しています。
やはり、自粛の影響で、例年よりもお手入れがされていないと感じるエリアも多く、
お散歩のときに 草むらの奥まで入って匂いを嗅ぐとか、そこまでしなくても 近くで排泄するなど、とどまる時間があると、身体についてしまうことも多いんです。


対策をしていないと、虫は簡単に身体に付きます。
そのまま、家まで持ち帰ってしまえば、本人が痒いのはもちろん、家の中で繁殖してしまう可能性も。
本人だけでなく、家族にも害が及ぶ可能性があるのです。
繁殖してしまうと、しつこいので、駆除するためになんどもバルサンしなければならず、とても大変です。
それに、他に鳥や魚を飼っていたり、なんでも舐めてしまう時期の赤ちゃんがいる場合には、バルサン自体出来ないこともあります。


このように、家に入ってしまえば、とても大変なことになるのが のみ・だに。
予防が 一番簡単で 効果的なのですね。


のみ・だには、以前は首の後ろに垂らす薬が一般的でしたが、最近はフィラリアの薬と一体化した ジャーキータイプの薬が一般的になりました。
のみ・だに・フィラリアと、3つの予防をまとめてできるので、忘れにくいことと、垂らす薬は肌に合わない子もいたこと、シャンプーのタイミングを合わせる必要がないことがメリットです。
それに、美味しいので、わんちゃんも喜びますから、アレルギーとか 体に合わないといったご事情がない限りは、ジャーキータイプをお勧めします。
バラバラにやるよりも安いですしね。


以前は、遠出しないからのみ・だにはやりません、フィラリアだけでいいです…という方も一定数おられましたが、今年は様子が違います。
自粛により、虫の活動が活発になっていることを考えて、
遠出する、しないに関わらず、お散歩に行くすべての子は ぜひのみ・だに対策をしてください。


当院では、きちんと薬を飲めた子は、血液検査は2年に1回でお薬をお出しできます。
去年検査をしていて、お薬の飲み忘れ・飲み残しのない子は、今年は検査なしでお薬をお出ししていますよ。
あなたのご来院、お待ちしています。

熱中症対策にはエアコンしかありません

いよいよ 梅雨入り。
真備町にあった 伯母の家が壊滅した 西日本豪雨から、早くも2年になります。
今年の夏は、悲しい思いをする人が 一人でも少なくて済みますように。


そんな今年。
新しい生活様式に従って マスクを着けるため、例年よりも熱中症のリスクが高いと言われています。
喉の渇きに気づきにくい。
蒸れて熱気がこもりやすい。
いろいろにいわれていますが、いずれにしても 快適な夏には 程遠くなってしまいそうです。


熱中症は、熱による脳や身体へのダメージにより さまざまな症状が出る病気です。
こうしたダメージは、治るものではありません。
細かくみると、細胞のタンパク質を壊すわけですから。
ゆで卵を冷やしても 生卵に戻ることがないように、
熱によりタンパク質が破壊され、ダメージを受けた細胞は死に、元に戻ることはないんですね。


そんなわけで、熱中症は 予防がとてもとても大切です。
喉の渇きに気づきにくいから、意識して水分をこまめに取る。
できれば、定期的に最低限取る量を決めてきちんと守る。
蒸れやすいから、小型の扇風機などを使って 湿気を飛ばしつつ換気もする。


それと同じくらい大切なのが、そもそも 高温に晒されないようにする ということ。
言い換えれば、エアコンなどで室温を保つ、暑い時間帯には出来る限り室内にとどまる ということです。


人間と違って、意識して水分を取らせることも難しいうえ、
汗をかかないために 扇風機で湿気を飛ばしても あまり熱中症予防にはつながらないのが どうぶつたち。
最も効果的 というより、唯一の方法が エアコンの使用です。


コロナのせいで、少しでも出費を抑えたいと、エアコンの使用を節約することを心に決めている あなた。
エアコンを使わず、どうぶつが熱中症になった場合、ほぼ間違いなく10万コースです。
夏中つけていても、電気代が10万超えになることは まずありませんよね。
節約のつもりが 大損だと思いませんか。


ひとたび熱中症になると、入院。時間外診療。薬。通院も必要です。
時間も手間も 割にあいません。
それに、10万以上使っても、治るという保証はありません。
毎年、熱中症になって、入院するほどではなかったけど老け込んだ…とか、別の病気になった…なんて子がいます。


夏の日中、お留守番中は エアコンは切って、扇風機にしてました。
だって小型だから、猫だから、病気したことないから、うちの子は大丈夫。
窓をちょっと開けて行くし、扇風機には保冷剤をつけていくから涼しい風が吹くし、パートや買い物の間の短い時間だから…
これ、どれも、実際に熱中症になった子を連れて 駆け込んでこられた方たちのおっしゃったことです。
でも、結果、その子たちは 程度の差はあれ、熱中症になりました。
ボケてしまった子もいます。
何週間か入院して 費用が大変なことになった子もいますし、因果関係は不明ですが 若くして重い病気を発症した子も。


夏の日中はもちろん、夏でなくとも 暑い日にエアコンを切るのは、危ない賭けすぎます。
そして、賭けに勝っても 手に入れられるのは ほんの少し電気代を節約できたという事実だけ。
全く割にあいませんね。
そんなリスクは冒さずに、きちんとエアコンを使って 夏を乗り越えましょう。


それでも、体調を崩してしまったら…
あなたのご来院、お待ちしております。

狂犬病ワクチンを受けさせよう!愛知で狂犬病発症者が出ました

長かったですね。
本当に本当に、長かった。
緊急事態宣言が、ついに全国で解除となりました。

当院も、短縮診療を止め、通常どおりの診療時間に戻しています。
でも、だからといって、宣言が明けたら いきなり全てが元どおり!とはいかないのが、マンガやアニメとは違うところです。
現実ですから、ゆっくりゆっくりと、戻すべきは元に。
宣言を経て 良くなったことは そのままに。
もっと良くできることは、貪欲に改善していきたいですね。


そのいっぽう。
もうひとつの恐ろしい伝染病の患者さんが、愛知で報告されたというニュースが。
緊急事態宣言絡みで なかなか取り上げられにくい話題なのか、ネットニュースなどではあまり上がっていませんが、
患者さんの受診した病院のある 岡崎市では 記者会見をするなどしたようですね。


報告された伝染病の名前は、狂犬病
1956年を最後に、日本国内では なくなった といわれている病気です。
今回、報告のあった方も、日本国内で感染したわけではなく、出身地フィリピンで昨年9月に犬に噛まれておそらく感染。
長い潜伏期間を経て、いま発症したという説明でした。


狂犬病は、ヒトだけでなく、すべての哺乳類が感染し、発症すれば100%死に至る恐ろしい伝染病です。

伝染病という点では コロナと同じですが、狂犬病は感染したどうぶつから噛まれたときに、体内に唾液に含まれたウイルスが入ってうつる という点が、咳やくしゃみなどでうつる コロナとは大きく違います。


そんな狂犬病
もうひとつコロナとは大きな違いがあります。
それは、ワクチンがあること。
防ぐ手立てがあるのです。


来年に延期された 東京2020こと、オリンピック・パラリンピック
開催は、コロナのワクチン開発にかかっているといいます。
ワクチン。
BCGワクチンを打つと、コロナにかかりにくい?という噂が流れ、特異な主義主張により 今までワクチンを打ってこなかった人たちが、大挙してBCGを打ちに病院に押しかけたとか。
日本やポルトガルのように、BCGの接種を続けている国が、感染した方に対して亡くなった方の割合が低い(ここでは母数がそもそもPCR陽性者であるため、PCRの実施数は関係ない)ことを指摘する声もあります。
相関関係があることと 因果関係があることは別、つまり 相関関係があっても因果関係があるとは限らないため、BCGは、今のところ コロナに確実に効くとはいえません。


でも、狂犬病には、ワクチンがあります。


発症した場合の致死率100%、すべての哺乳類が感染する、など、恐ろしい特徴もたくさんある 狂犬病ですが、ワクチンがあるんです。
しかも、わたしたち 人間が感染する経路は、既に明確に分かっています。
それが、イヌ。
感染したネコに噛まれても、コウモリに噛まれても、感染はします。
でも、最も感染して人間に噛みついてくるリスクが高いどうぶつが イヌなんですね。
ですから、まず イヌにワクチンをする。
これだけでも、かなりリスクは下がります。
安心材料となるのですね。


ですが、最近 狂犬病ワクチンを受けていない子が増えている、という指摘があるんです。
少し前に、厚生労働省の調査で、
・畜犬登録をしている子は630万頭くらい、そのうち狂犬病ワクチンを受けている子は450万頭くらい=7割程度の接種率
・ペットフード協会の調査では、(畜犬登録の有無に関わらず)実際に飼われている子は890万頭くらい
→受けている子450万頭/実際に飼われている子890万頭=実際の接種率は半分程度
と報告されています。


50%のワクチン接種率…
つまり、2頭に1頭はワクチンを受けていないということ。
日本にはない病気でしょ、もう半世紀も国内発生していない過去の病気でしょ、と 受けさせていない あなた。
愛知に発症した方がいるんですよ。
日本国内で感染したわけではないけれど、でも、ウイルス自体は日本国内にいる人の身体の中で、いまこの瞬間も暴れ回っているんですよ。


コロナも元はそうでした。
海外で出た病気、海外で感染した人がクルーズ船内で発症して降りてこれない病気。
それがあれよあれよと言う間に緊急事態宣言にまで至ったわけです。


狂犬病も、同じことになる可能性があります。
他人事ではないんです。


今すぐに、狂犬病のワクチンを受けさせてください。
1年間の安心を手に入れましょう。
狂犬病ワクチンはほとんどどこの動物病院でも受けさせられるはずですから。
当院も、もちろん そのひとつ。

今までどおりの診療時間で、あなたのご来院、お待ちしています。


 

獣医師の求人をしています。東京都で診療しませんか

39県で 非常事態宣言も解除となり、今日には西の2府1県も。

新規の感染者数も 落ち着きを見せ…
いよいよ 終息に近づいてきた!?と 希望が見えてきましたね。
あと少し。
油断せずにいきましょう。


そんな最近。
早くも、来年の採用どうしよう…という動物病院が 複数。
都内で開業している先輩、地方で開業している後輩。
最近分院長になった同級生。
求人を止めることにしたから、見学や実習の受け入れも止めた!期待させる方が却ってかわいそうだし…
既に、Facebookにそんな投稿をしている人も。


実際、コロナが落ち着いたとしても、やはり 家の経済状況が悪いときに どうぶつたちにかけられるお金というのは、今までよりは減ってしまうでしょう。
1号も、帰国直後の 明日をも知れぬ状況のときには、自分たちのごはんも当然 見切り品にしていましたが、やはり犬たちのごはんも 少し価格帯の低いものを選ばざるを得ませんでした。
家族ですから、どうしたって一蓮托生になりますね。


そんな状況ではありますが、当院は求人をしています。
2021年春から、ともに働く獣医師を募集しておりますよ。
まずは、ご連絡をいただき、コロナが落ち着いたら 一度 見学・実習にお越しください。
実際の当院を見ていただいて、ここで働きたい!ここで成長したい!と感じていただいた方に ご応募いただきたいと思っています。


当院にはさまざまな特色がありますが、時期的にも トリミングの話を。
当院では、一般サロンでは受け付けてもらえない 病気の子や、高齢の子でも、当院に通っていただいており 当院でワクチンや虫下し・ノミダニ対策を受けていただいている子なら、専任トリマーによるトリミングを受けていただけます。
…簡単に書いていますが、実はこれ けっこうすごいことなんですよ。


トリマーさんは、わたしたち獣医師とも、そして 看護師さんとも違った目線から 動物たちを見るプロです。
中でも、当院のトリマーさんは、専門学校でトリミングの専門教育を受け、その後長年 当院でトリミング一筋。
どのスタッフよりも 長く仕事をしていますから、誰よりも当院の患者さまのことを知っています。
皮膚や毛の状態がいつもと違う…というトリマーさんの指摘から、診察・治療になることも 珍しくはありません。
飼い主さまでも気づかないような違いにも気づき、治療に結びつけてくれる プロフェッショナルなんですよ。


そういった人たちのいる病院は、実は多くはありません。
当院は、獣医師としての目線 だけでなく、異なる視点からの意見も聞ける病院。
わたしたち臨床医はジェネラリスト、森を見る立場ですから、
却って見落としてしまう可能性のある 森の中の木の1本。
そこを、トリマーさんというプロが見逃さず、愛を持って指摘していただけるありがたさ。
成長しやすい環境なんです。
怠らない方は、どんどん磨いてもらえますから、ぐんぐん伸びていけますよ。


お申し込みは 受付を開始しています。
実際の日程調整は コロナが落ち着いてから。
あなたのご連絡、お待ちしています。
ともに成長していきましょう!

診察をおすすめする場合、様子を見ても良さそうな場合

連休が明けました。
引き続き自粛を続けているみなさんも、出勤やふだんの生活に 徐々に戻っていかれるみなさんも。
お疲れ様です。
まずは、体調重視、健康最優先でいきましょう。


さて。
現在のような、イレギュラーな事態が続きますと、ペットたちも体調を崩しやすくなります。
かれらの生活自体は変わっていなくても、家族の生活パターンの変化はもちろん、精神面での変化。
人間だけでなく、どうぶつたちも、こういったものが顕著に体調に反映されるんですね。
これには、大きく分けて、消化器症状といって お腹に来る子と、皮膚症状…つまり、肌荒れになる子がいるようです。
また、腰や関節を痛めたことのある子、てんかんなどの発作持ちの子の場合、そちらの症状が出てくることも多いようですね。


こういった、いつもの症状…体調不良というより、不調 くらいの症状の場合、受診を迷われることも多いもの。
自粛で ずっと家にいますと、ずっと目につくので 気になってしまうという方も多いです。
とはいえ、大したことでないのなら あまり受診もしたくないというのが本音ですよね。
まずは電話で…とご相談をいただくことが多くなっています。


当院でお勧めしている受診のめやすは、
・その子のふだんの様子をいちばんご存知の方が、受診したほうがいいかもと感じられる場合
・常備薬がなくなった場合
・いつもよりも症状が重い気がする場合
・いつもと違う症状がある場合
などです。
でも、どれにも当てはまらなくとも、受診していただいても問題はありません。
動物病院は、休業要請の対象にはなっていませんし、当院は 動物病院の受診は どうぶつたちの権利と考えています。
ですので、たとえ 爪切りやシャンプーのご希望でも、飼い主さまが必要と感じられるのであれば、それは必要な受診。
ふだんと同じように、ご来院ください。


そうは言っても、家庭内にハイリスクの人がいるから…と お悩みの方。
お気持ち、よくわかります。
1号も、実家の両親はどちらも基礎疾患がありハイリスクですし、母に至っては、ハイリスクでありながら 人間の病院で勤務をしていますから。
万が一、自分が持ち込んでしまったら?と、心配ですよね。


上記に当てはまる場合は、受診をしていただきたいのですが、難しい…怖い…という場合。
1号が、うちの子に試してみるであろう方法をお知らせします。


●消化器症状のある場合
ご飯を抜きます。
吐いているなら水も抜きます。
吐き気がなければ水だけで、まる一日様子を見ます。
その後、まずは重湯、おかゆ、ふやかしたフードと段階を追っていつものごはんに戻していきます。
途中で症状がぶり返したら、またご飯を抜いて初めからです。


草を食べて吐くとか、オエッとやる場合は、吐いてスッキリしようとしている状態です。
これから本格的な消化器症状へと進んでしまう場合もあれば、少し吐いてスッキリする場合もありますが、
いずれにせよ 少し油分は控えた方がよいかも。
できれば、カリカリに熱いお湯をかけて、油抜きをしてから与えるとよいですよ。


水も飲ませていないのに吐きつづける場合や、何かを飲み込んだ可能性があるときは、即病院へ。
当院の経験では、錠剤の包装やとうもろこしの芯を飲んでお腹を開けたことがあります。
吐き続けている子のお腹を開けたら、丸めた靴下や大量のキン●マン消しゴムが出てきたという話も耳にしたことが。
こんなもので?というようなものでも、詰まるときがありますから、飲み込んだかも?と思う場合は病院へ連れていきましょう。


●皮膚症状のある場合
まず予定を調整して、時間を作ってシャンプーをします。
毛の短い小型犬でも最低1時間。
大型犬や毛の長い子は半日以上必要です。
シャンプーには時間がかかりますから、時間が取れないのであれば洗わないほうがマシ。
まずは予定を調整しましょう。


家に薬用シャンプーがあればそれを。
ない場合は、出来るだけ肌に優しいものを選び、洗面器1杯のお湯に、小型犬はポンプ半押し、中型犬は1押し、大型犬や肌が脂性の子は1押し半分のシャンプーを入れて静かに混ぜて溶かします。
まずは地肌までシャワーでよくよく濡らし、シャンプーを溶いた液体を首筋から尻尾のほうへゆっくりとかけます。
次に、地肌を優しく手のひらで撫でて、もみ洗い。
このとき、泡が立つかどうかはあまり重要ではありませんので、泡立たなくても大丈夫です。
また、皮膚症状が出ているときは、洗うこと自体も刺激になる場合もあります。
指や爪ではなく、手のひらで撫でるように洗うのがポイントです。


すすぎは、シャンプー液をつけていた時間の倍以上の時間をかけます。
シャワーヘッドを直接地肌に当ててお湯をかけてあげることで、シャワーの水流で却って泡立つことがなくなりますから、効率がいいですよ。


その後、たっぷりと時間をかけてドライヤーで地肌を乾かします。
ここが一番大切で、一番しんどいところですね。
時間もいちばんかかります。


ドライヤーは皮膚には近づけず、熱ではなくて風で乾かすのがコツです。
地肌が乾くころには、毛も勝手に乾いていますから、地肌を乾かすことだけ考えて乾かしましょう。
片手でドライヤーを持ち、もう片手にタオルを持って拭きながら乾かすのが早いようです。
風を当てる場所は、必ず毛をかき分けて地肌に当たるようにします。
地肌が乾くと、地肌に近い根本の毛の色が変わりますから、すぐにわかりますよ。


地肌が少しでも湿っていると、そこから菌がワーッと増えて、とびひのようになってしまうことがあります。
ですから、乾かす工程にたっぷりと時間をかけられるときでないと、洗ってはいけません。
暖かい時期だからとか、夏だからと洗いっぱなしで放っておくと、皮膚病まっしぐらなので気をつけましょう。


赤い輪っかのような斑点がたくさんあったり、かきこわして血が出ている箇所が複数ある場合は、塗り薬や飲み薬が必要かも。
指の間が真っ赤になっているときや、酸っぱい臭いがあるときも、専用のシャンプーでの薬浴やお薬が必要な場合があります。
人間によくある水虫の薬は効かないばかりか、成分が強く却って肌荒れが悪化することが多いので、とりあえず塗って様子見…というのはおすすめしません。


●関節痛?歩き方がいつもと違う場合
緊急事態なのは、まず腰がいきなり立たなくなった場合。
特に、ねこさんで、腰が抜けたように見える場合、心臓が原因でその症状が出ている場合があります。
放置すると突然心臓が止まることがありますから、すぐに病院へ駆け込んでください。
それから、走っていて急に向きを変えた場合などに、キャン!と悲鳴を上げて足をつかなくなることがあります。
これも緊急事態。
膝の靭帯を痛めた可能性がありますから、すぐに病院へ。
また、高いところから落ちてしまって、その後様子がおかしい場合も 急いで病院へ行きましょう。
低床タイプの車から降りようとして落っこち、足を骨折したトイプーちゃんを診たことがあります。
チワワ、トイプー、ポメなど、小型カワイコちゃんたちは、ソファーから落ちて骨折することもよくあるんです。
足のつきどころが悪ければ、10cmくらいの高さから落ちても骨折しますから、落ちた場合にはよく確認をしてください。


こういった緊急事態には当てはまらなそう、でもなんか様子が変…という場合には、歩き方をよくチェックします。
足を引きずって歩いているのか?
それとも、足を地面に付けずにケンケンして歩いているのか?
片足なのか?両足なのか?左右で違いはあるか?
じっくり観察することで、痛い場所の見当をつけましょう。


引きずっている場合は、股関節か腰の可能性が高いです。
これは飲み薬やサプリメントなどが必要。
病院の受診が難しい場合は、MSMという成分の入った人間用のサプリメントを、体重に合わせて減らして飲ませてみてください。
関節痛の人用サプリ みたいなコーナーで見つけられると思います。
出来るだけMSM以外の成分が少ないものを選んでくださいね。


ケンケンの場合は、膝、足首、または足裏の可能性が。
お散歩の後とか、公園でちょっと運動した後などですと、足の裏に何か刺さっていたりするかも。
自粛により、草がふだんよりも勢いよく伸びているエリアも多いので、草の実やトゲなどが刺さっていないかよく確認してみてください。


特に何も見当たらない場合は、少し様子を見てみましょう。
いずれ、どうぶつはその痛い箇所をなめたり、かじったりし始めます。
そうなったら、改めてそこをじっくりと観察してみてください。
それでも何も見当たらない場合は、数日間様子を見てみてください。
様子を見ているうちに軽快すればよし。
いつまでも軽快しないとか、どんどん悪化していく場合は早めに受診を。


いろいろと書きましたが、最後はやっぱり、飼い主さま自身が 受診がいると思うかどうか?です。
たとえ、いまは様子見で大丈夫 という先生の診断でも、飼い主さま自身で必要と思って 診察したのであれば、それは必要な診察なんですよ。


それでも迷う時は、お気軽にご相談ください。
あなたのご来院、お待ちしています。