先日、用事があって 北海道へ行ってきたのですが、いやー快適ですね。
梅雨もゴ…の者もいない 北海道、カラッとしてるし、ご飯は美味しいし。
そりゃみんな来るわなーというくらい、全世界からインバウンドしまくっておりました。
羽田空港に着いたら、明らかにわかるくらいに 湿度が上がった感じがして、早くも北海道ロスの1号です。
そんな 梅雨入り間近な この時期。
ジメジメとした湿気で人間もなんとなく不快になりがちですが、実はわんちゃんやねこさんたちにとっても 皮膚トラブルが増えやすい季節 なんです。
湿度が高くなると、皮膚や被毛の環境が悪化しやすく、カビや細菌が増殖しやすい状態に。
普段は健康な皮膚でも、ちょっとしたきっかけで炎症やかゆみが起きてしまうことがありますよ。
今回は、そんな梅雨の季節を快適に過ごすために、湿気対策と皮膚トラブル予防のポイント をご紹介します!
### 1. 梅雨時の皮膚トラブル、どんなものがある?
・湿疹・皮膚炎
湿気が多くなると、皮膚がふやけて柔らかくなり、バリア機能が低下します。
そこに細菌やカビが繁殖しやすくなり、赤み・かゆみ・ジュクジュクした湿疹ができやすくなるんですね。
お子さんのとびひとかと 似たような感じになってしまうこともあるんですよ。
痒いけど、かくと広がるし、繰り返しやすくなりますから、かいちゃダメー!
が 伝わるならば、苦労はしませんよね。
よく効く塗り薬、お出しできますから、ぜひご相談ください。
・マラセチア皮膚炎
カビの一種「マラセチア菌」が過剰に増えることで、耳や皮膚に炎症が起きます。
耳をよくかく、耳が臭う、皮膚がベタベタするなどの症状が出たら要注意ですよ。
独特な酸っぱい臭いがあるので、繰り返してしまう子では、「今年もまた…」なんて 来院くださる方も。
マラセチア菌は、私たちの皮膚にも悪さをすることがあり、しつこいニキビとか、抜け毛なんかの原因になることもあるようですから、一緒に寝る派の方は、特にご注意くださいね。
・ 膿皮症
皮膚の表面にブツブツや赤みが出たり、毛が抜けたりする 細菌性の皮膚炎です。
湿気が多いと皮膚の免疫力が落ち、発症しやすくなります。
あとは、意外と多いのが、お散歩などで草むらに入り、ぴんぴんした草の先端で皮膚に小さな傷がついてしまって、そこから菌が入って…というパターンです。
痒みがかなり強く出ることが多く、掻きこわしや舐め壊しがかなり多いので、2次被害というか しつこく症状が続きがち。
こちらも、軽いうちなら塗り薬がよく効きますから、お早めにご相談ください。
### 2. おうちでできる湿気対策は?
・室内の湿度管理
わんちゃんやねこさんの過ごすお部屋は、湿度50〜60%程度に保つのが理想です。
除湿器やエアコンの除湿モードを活用して、ジメジメしすぎない環境をつくりましょう。
梅雨前くらいから、エアコンはずっとオン!でお願いいたします。
・寝具やハウスの管理
お気に入りのベッドやクッションは、こまめに洗濯&しっかり乾燥させましょう!
湿ったまま放置するとカビや細菌の温床になってしまいますから、複数を使い回すのがいちばん安心。
しっかりしたベッドでなく、大きめのタオルを分厚くたたんであげるだけのほうが、清潔キープの観点からは 良い場合もありますから、
もし 今、皮膚病などを繰り返していて、しっかりタイプのベッドをずっと使ってる…という子は、
梅雨時〜夏場だけでも 洗濯しやすい・乾きやすい素材の寝具に切り替えるのもおすすめですよ。
・ 換気を意識する
お天気の良い日にはしっかり換気をして、室内にこもった湿気を逃がしましょう。
これが意外とこもってるんですよね!
特に、最近の高気密・高断熱住宅は、湿気がこもるとなかなか抜けにくいですから、意識して対策してあげてくださいね。
### 3. ブラッシングとスキンケアのコツ
・こまめなブラッシング
湿気が多い時期は、毛が絡まりやすくなります。
絡まった毛は通気が悪く、皮膚トラブルの原因になりますよ。
毎日のブラッシングで毛玉やムレを防ぎ、皮膚の通気性を保ちましょう。
スッキリとサマーカットにしてしまうのもおすすめです。
真夏のめちゃくちゃ紫外線が強い時期は、肌が日焼けするので、今の時期にうんと短くしておき、
少し伸びかけくらいで真夏を迎えるのは、理にかなってもいます。
ぜひ ご検討ください。
・皮膚の観察を習慣に
まあ、簡単にできたら苦労しないわけですが…
とはいえ、ブラッシングのときや、お散歩でリードをつける時、おうちに帰ってきて 足を拭いてあげるときなどに、皮膚に赤みや湿疹がないか ささっとチェックする習慣があると トラブルに早く対処できる可能性が増します。
見える範囲でいいですが、効率よくチェックするなら 耳の内側、口元、顎下、お腹とお尻周りを重点的に。
そうそう、「なんだかいつもより手触りがべたついてるな…」「ニオイが強くなったかも」と感じたときも、早めにご相談くださいね。
・ 必要に応じてシャンプーを
べたつきやニオイが気になる場合は、専用シャンプーでケアを。
いわゆる薬浴にあたるので、保険が使える場合もあるようですから、まずはご相談ください。
そして、シャンプーよりも大事なのが、実は ドライヤーです。
洗ったあとに、皮膚をしっかり乾かすことが とても大切!
乾かし残しがあると、逆にトラブルの元になりますから、しっかりと乾かしてあげてくださいね。
### 4. 特に注意したい子たち
・ 皮膚が敏感な子
アレルギー体質のわんちゃんやねこさんは、この時期に皮膚の状態が悪化しやすいです。
こまめなチェックと早めのケアが重要ですよ。
当院のかかりつけの子たちには、飲み薬や塗り薬を常備薬としてお出しできる場合も。
まずは、ご相談くださいね。
・シワの多い品種
パグ・フレンチブルドッグなど、顔や体にシワの多い犬種は、シワの間に湿気がこもりやすいので要注意です!
ねこさんも、ブリティッシュショートヘアーなど、マズルの短い種類が増えてきていますから、わんちゃんだけの問題ではありません。
シワの間を濡れた布でやさしく拭き取ったあと、しっかり乾かすケアを習慣にしましょう。
・耳の垂れている品種・耳の弱い子
耳の中は湿気がこもりやすく、マラセチア菌が増殖しやすい環境です。
垂れ耳のかわいいプードルやダックスはもちろん、ねこさんでも スコティッシュフォールドのように 垂れ耳の品種がありますから、定期的な耳掃除とチェックを心がけましょう。
湿気の多い梅雨の時期も、ちょっとした工夫と早めのケアで、わんちゃんやねこさんが快適に過ごせる環境を整えていきましょう!
「皮膚が弱いので梅雨時期が不安…」「スキンケア用品はどんなものが合う?」といったご相談も、どうぞお気軽にご相談くださいね。
みなさんのご来院、お待ちしています。