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東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

忘れずに!春は狂犬病ワクチン接種の時期です

ようやく、お散歩が楽しい気温になってきましたね。
わんちゃんにとっても、外の空気を感じられるこの時期は とても大切な時間です。

 

さて、今回はそんな春に毎年必要になる「狂犬病ワクチン」についてのお話です。
「今年も通知が来たけど、つい後回しにしがち…」というみなさんも、ぜひ一度読んでいただけたらと思います。

 

#狂犬病ってなに?

狂犬病は、ウイルスによって引き起こされる非常に恐ろしい感染症です。
感染するとほぼ100%の確率で命を落としてしまう病気で、人にも感染する「人獣共通感染症」として知られています。

 

日本では長い間、発生はありませんが、世界的には今も多くの国で感染が確認されており、年間で数万人が命を落としている現実があります。
特にアジアやアフリカの一部地域では、今でも大きな脅威となっていますよ。

 

最近、ニュースで はしか(麻疹)が取り上げられるのを目にされた方も多いのではないかと思います。
はしかも、日本は 2015年に WHOから、「麻疹排除国」と認定されましたが、海外から帰国・入国された方が国内に持ち込み、発生する例が出ているのですね。
狂犬病も、海外からウイルスが入り込むリスクがありますが、
日本がいま 「狂犬病のない国」として維持されているのは、法律に基づいたワクチン接種と、みなさん一人ひとりの協力のおかげです。

 

#ワクチン接種は義務です

日本では、わんちゃんを飼い始めたみなさんに対して、「生後91日以上のわんちゃん」に毎年1回、狂犬病予防接種を受けさせることが義務づけられています。
これは法律(狂犬病予防法)で決まっており、接種を怠ると罰則が科されることもあります。

「うちの子はずっと家にいるし大丈夫」
「体が小さいから、ちょっと心配で…」

そんなご相談を受けることもありますが、万が一、外に出たときや、他のどうぶつたちと接触した際に 感染するリスクはゼロではありません。

また、災害や事故などで突然外に出てしまう可能性もあるため、国内にウイルスが入り込んでしまった場合に備えておくことが とても大切です。

 

#接種はいつ・どこで?

毎年春に、自治体から「狂犬病予防接種のお知らせ」が届きます。
集団接種の会場で受けられるほか、動物病院での個別接種も可能です。

当院でも狂犬病ワクチンの接種を行っておりますので、予定が合わない方や、持病があるわんちゃんなどには病院での接種をおすすめしています。
健康状態のチェックも含めて、集団接種会場よりも安全に接種することができますよ。

 

なお、接種の際には市区町村から届いた「ハガキ」や「登録番号」があるとスムーズですので、お持ちの方はお忘れなくお持ちください。
小平・小金井の方は、ハガキがあれば、当院で接種後のお手続きを代行することもできますよ。

 

#他のワクチンとどう違うの?

よく混合ワクチンと混同されがちですが、狂犬病ワクチンは「法律で義務づけられているワクチン」です。
一方、混合ワクチンは任意で接種するもので、感染症の予防や重症化を防ぐために重要ですが、法的な義務はありません。

 

両方を適切に受けることで、わんちゃんをさまざまな病気から守ることができます。
春はどちらの接種も重なる時期なので、体調を見ながらスケジュールを調整してあげましょうね。

 

#健康チェックのチャンスにも

ワクチン接種のとき、当院では、健康状態のチェックも一緒に行います。
「最近少し痩せた気がする」「おしっこの回数が増えた」など、ちょっとした変化を気軽に相談できる機会でもあります。

 

また、春はフィラリア予防やノミ・マダニ対策の準備も始まる時期です。
健康診断やごはんの相談なども含め、トータルでわんちゃんのケアをしていきましょう。

 

狂犬病の予防接種は、わんちゃん自身を守るだけでなく、周囲の人やどうぶつたちの安全を守るためにもとても大切なことです。
「まだだったな」というみなさんは、この春のうちにぜひ接種をお済ませくださいね。

 

みなさんのご来院、お待ちしています。