秋ですね。
実は、先月末から、保育園児が濃厚接触者になってしまった 1号家。
園児はマスクを着けるのが難しいので、同じ園の子はみんな濃厚接触扱いということでの 認定でした。
幸い、保育園児本人は 元気いっぱいで、ただただ エネルギーを持て余したちびっ子と過ごした2週間でした。
そんなわけで、改めて ちびっ子の好む遊びをじっくり観察したわけですが。
思ってた以上に、ちびっ子というのは 土を食べるのですね…
ベランダでかんたんなプランター菜園をしているのですが、まあ土を触るし、そのまま口を手に持っていく回数の 多いことといったら。
コラコラコラー！と 手洗いをさせた回数は、もはや思い出せません。
一家でお家にこもると 手洗いの回数が減らせるから、手荒れが治ると聞いていたのですが…
むしろ 手荒れがひどくなりました。
さて、土を食べるといえば、おそろしいのは 土の中の病原体です。
中でも特におそろしいのが、寄生虫。
土の中には、ジャガイモシロシストセンチュウ(ジャガイモの寄生虫)やバナナネモグリセンチュウ(バナナの寄生虫)に加え、
エキノコックスという おそろしい寄生虫が潜んでいる場合があるのです。
エキノコックスは、長く 北海道の一部に限定された寄生虫病と考えられてきました。
肝臓を中心に、全身の臓器を食い荒らす、とても恐ろしい寄生虫です。
北海道にいる キタキツネが この寄生虫を持っているので、どれだけかわいくても キタキツネには触ってはいけない…と言われてきました。
触った手から、寄生虫が身体に入ってくる可能性があるためです。
ですが。
その、エキノコックスが、愛知県の野犬からも見つかった…という報告が出てきました。
エキノコックスは、感染した動物の便の中に出てきます。
そして、便の中の寄生虫が、土へと入り込むことがあるのですね。
土には菌が…という方も多いのですが、エキノコックスはガチです。
お腹が痛くなるかも☆とかではなくて、内臓を食い荒らされるわけですから。
早めに気づけて、手術で内臓ごと エキノコックスを取り出せなければ、死にます。
ある程度の数がいなければ、本人の免疫で押さえ込むことも期待できる 菌とは違い、
たとえ1体でも 身体の中に入り込んでしまえば…
ちびっ子はもちろん、犬や猫も 土を食べたらエキノコックスに感染するリスクがあります。
食べるつもりで 口にすることはなくても、落ちているものを拾って食べてしまえば、感染する可能性があるんですね。
落ちているものを 拾って口にしないように、猫さんは家から出さない。
わんちゃんも、リードをつけ、目を離さないようにする。
こういった、地道な対策が 必要ですよ。
当院は、緊急事態宣言中も、通常どおり診療をしています。
デルタ株による第五波も 鎮静化の兆しが見えてきた いま、
最後まで気を抜かず このままピークアウトを迎えたいですよね。
動物病院の受診は 必要至急。
あなたのご来院、お待ちしています。
