はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

狂犬病ワクチンのすすめ

3月末です。
変化のある方も、変化を受け入れる方も。
お疲れ様です。
肩の力を抜いていきましょう。


1号家でも、長女がいよいよ 小学校入学。
入学式には 家族からひとりだけしか参加できないけれど、式が行われるだけでも ありがたいことです。
本人の強い希望で パパに参加してもらうので、デッカいカメラを託すつもりです。
…たぶん デッカいカメラをぶら下げたまま iPhoneで撮りそうですが。(ー"ー;


そんな 春。
狂犬病ワクチンの時期が 近づいてきましたよ。


これは、年に一度 必ず打たなければならないワクチンです。
犬を飼うのなら、お住まいの自治体への登録と合わせて、必ず受けさせなければならないものです。
去年は、コロナで 公園などでの集合注射が できない地域もありました。
今年は、宣言解除により、集合注射が 再開されるかもしれませんね。


コロナは、私たちの日常を 大きく変えました。
悪いほうへ変わってしまったことも 多いのですが、中には 良いほうに変わったことも。
その中に、ワクチンの接種率が上がったことがあります。


ワクチンは、どうしても 一定の割合で 副作用が出ます。
パーセンテージとしては低くとも、出てしまえば その人にとっては100%と同じ。
したがって、副作用をおそれ、ワクチン自体を打たない…という選択肢を取る人も 中にはありました。
また、宗教や信条上の理由から、ワクチンを打たないことを選ぶ人もいました。
こうした、免疫不全疾患を抱える方など、体調面からワクチンを打てない方とは異なり、打たないことを選択してきた方々が、
ある病気のワクチンがコロナ予防にも有効らしい! という情報が出回ったときに、一斉に考えを変え、ワクチンを打ったことがあったのです。


狂犬病ワクチンも、接種率は高くありません。
本来、打たなければならないワクチンですが、
忙しくて…
なんか、打つのが嫌で…
ついでにぼったくられるんじゃ…
そんな方も多く、ペットフードやグッズ、生体の販売数から推定される 実際に飼われているペットの数と、接種し手続きを終えている子の数は 全く合っていないのが実情です。


でもね。
狂犬病は、海外ではふつうに出ている病気です。
去年、海外で感染した方が、日本に帰国した後 発症して亡くなりました。
日本国内での発生こそ、1956年のものが最後ですが、この方のように 海外で感染し、日本で亡くなるという方も複数件の報告があるんです。


そう。
海外から、ヒトが移動することで、海外で出ている病気が 持ち込まれてしまう可能性があるんですね。


狂犬病は、ヒトからヒトへ直接うつる可能性は 比較的低い病気です。
臓器移植をして うつってしまったという報告があるそうですが、輸血でもうつらなかったとか。
では、昨年 日本へ帰国してから、発症して亡くなってしまった方は、どうやって感染してしまったのか。
それは、現地で、野犬に噛まれたときだったと考えられています。


実は、この方に限りません。
世界で、狂犬病で亡くなった方の9割は、犬から感染したと考えられているんです。


狂犬病?もうなくなった病気じゃん。
ワクチンって、獣医が儲けるために打つんでしょ。
必要のないワクチンは打ちたくないんで、いいです。

これ、みんな1号は口にしている方を直接見かけたことがあるのですが、本当にそうでしょうか。
コロナで、わたしたちはもう充分学んだはずです。
感染症対岸の火事はないと。
これだけ世界中、ヒトやモノの行き来が盛んになっている現代に、日本では病気が出ていないこと。
その時点で、もはやだいぶ奇跡的なのですね。


いつ、日本国内で発生しても、おかしくはない。
だから、発生してもいいように、予防をするのです。
年に一度の、狂犬病予防接種、今年も忘れず 受けに来てくださいね。
あなたのご来院、お待ちしています。