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暑さに負けない!初夏の熱中症対策スタートガイド

ホントに長袖しまって良い??
ホントに??
と、何度か繰り返した この春。
ようやく、薄着でも終日 心地よく過ごせる季節です。
…とはいえ、油断は禁物。最近は「春が短く、すぐ夏が来る」と感じている方も多いのではないでしょうか?
実際、5月から6月にかけては、日差しの強い日や夏日になる日も増えてきます。


私たち人間も「ちょっと暑いな」「日差しが強いな」と感じる日、わんちゃんやねこさんたちには もっと大きな負担がかかっているかもしれません。
今回は、そんな**「初夏の熱中症」**に焦点を当てて、今からできる予防策をまとめてみましたよ。

 

### 1. そもそも熱中症って?ペットもなるの?

なります!
だいぶ知られてきましたけど、つい先日も聞かれたので、改めてお伝えを。
わんちゃんやねこさんも、もちろん熱中症になりますよ!
特にわんちゃんは 人間よりもずっと体温調節が苦手。
人よりもずっと熱中症になりやすいといわれているんです。
その理由は、体温の逃がし方が人と違うから。
わんちゃんは汗をかくことができず、体温を下げるのは「口からハァハァと呼吸(パンティング)」することがメイン。
ねこさんも同様に、舌や足の裏からわずかに汗をかく程度です。

さらに、 暑さに弱い体型や犬種もいます。
鼻の短い「短頭種(パグ・フレンチブルドッグなど)」、被毛が厚い犬種、肥満気味のどうぶつたち、高齢の子、持病のある子…これらの子たちは特に注意が必要です。
私たち人間も、太ったら汗かきになった!とか、昔は冷え性だったのに、年を取ったら暑がりに…なんてこと ありますよね。
どうぶつたちも同じなんです。


### 2. 散歩時間の見直しは、今からが肝心!

日差しが強くなるこの時期、アスファルトの熱が足元から体をじわじわと熱してしまいます。
特に、わんちゃんにとって「道路が熱いかどうか」はとても重要なポイント。
手のひらで地面を触ってみて、「熱っ!」と感じたら、お散歩は避けたほうがいい合図です。

お散歩時間のおすすめは 早朝 or 日没後。
日が昇る前の早朝や、日が沈んだ後の涼しい時間を選び、出かける前に、地面の温度チェックを忘れずに。

それから、短時間のお散歩とはいえ、飲み水はあったほうが良いです。
外出時もこまめに水分補給できるように、ペットボトルや携帯用水飲みを用意しましょう。
それと、帰宅後は、しっかり体を冷やしてあげることも大切ですよ。

 

### 3. 室内でも、熱中症になります!
「家の中だから大丈夫」と思っていても、締め切った部屋・風通しの悪い空間では、どうぶつたちも熱中症になります。
これも、私たち 人間と同じですね。

外気温が25℃を超える日は、日中の室温が 30℃近くになることも。
お留守番中の部屋は、エアコンや扇風機で風の流れを作る工夫をしてあげましょう。
窓を開けて…という方もおられますが、熱中症対策の観点からは あんまり意味ないです。
エアコンの風が当たると体に悪い、という方もおられますが、直撃しなければ大丈夫。
不快なら自分で避けますから、安心して エアコンをつけてあげてください。

それと、直射日光を避ける工夫も大切です。
窓際にハウスを置いている場合は、遮光カーテンやブラインドで日差しを避けてあげたり…ですねね。
そうそう、ハウスの中に冷感マットやアルミプレートを敷くのも おすすめですよ。

 

### 4. 熱中症のサインを見逃さないで!

これだけ対策していても、もし、以下のような様子が見られたら、それは熱中症の初期症状かもしれません。

・パンティング(ハァハァ)が止まらない
・ヨダレが多い・ぐったりしている
・舌や歯ぐきが赤い・紫っぽい
・意識がボーっとしている・フラフラしている

このような場合は、すぐに涼しい場所に移動し、体を冷やす必要があります。
室温を20度くらいに下げて、水で濡らしたタオルで足元やお腹を冷やしたり、うちわや扇風機を使ったり、できることをすぐに始めてください。
ただ、冷水のお風呂にどぼん!は、獣医師から指示された時だけにしてくださいね。


そして何より、一刻も早く動物病院へ!
熱中症は命に関わる重大な症状です。
初期対応が遅れると、回復が難しくなることもあります。
ちょっとの様子見が命取りとなることも、熱中症の場合は よくあること。
心配しすぎ?なくらいで ちょうど良いですから、ん?と思ったら、すぐにご相談くださいね。

 

### まとめ:まだ5月…でも“もう夏”です!

今年も例年通り、「5月なのに真夏日」が増えています。
気温だけでなく、「湿度」や「日差し」も体にじわじわ効いてくる時期ですね。
・お散歩時間の見直し
・留守番中の室温管理
・水分補給の工夫
熱中症のサインを見逃さない

これらをしっかり意識して、暑さに負けない初夏を過ごしましょう!

 

ご自宅での対策に不安がある場合は、いつでもお気軽にご相談ください。
わんちゃんやねこさんに合わせた暑さ対策、一緒に考えていきましょう。

 

みなさんのご来院、お待ちしています。