はい、栗本動物病院です。

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天災と伝染病① レプトスピラ症って、なんですか?

リンゴ台風以来の、「非常に強い」まま 上陸した台風でした。
関東は電車のダイヤ乱れくらいで済みましたが、
関西以西の被害は…
西日本豪雨といい、辛い毎日が続きます。
1号の友人が関空で働いていて、一時は連絡も取れなくなってとても心配しました。
もう、こんな被害が出ませんように。


こうした天災の後に、片付けが本格的に始まると、心配になるのが 病気のまん延です。
菌やウイルスはもちろん、時期的に 虫もたくさん出ますから、そういう意味でもとても心配です。
中でも、今回のように 大雨や洪水の被害があると、心配になるのが レプトスピラ症 という病気です。


レプトスピラ症は、らせん菌 という菌の一種が原因でかかる病気。
ネズミの腎臓などに住み着いている菌で、おしっこに混じって身体の外へ出てきます。
菌の混じった水や土に触ったり、あやまって飲んでしまったりすると うつってしまう病気で、わたしたち人間も どうぶつたちもかかる病気です。
上下水道が整備された日本では、かなり少なくなってきたとはいえ、自然の中で水辺のレジャーをする人にとっては、比較的身近な病気です。


そんな レプトスピラ症。
汚れた水や土を介して広がっていく という特徴があり、皮膚からもうつる病気。
ということは、実際に洪水が起きている間はもちろん、後片付けのときにも、油断はできません。
作業をするときには、必ず手袋を着け、マスクをし、できれば眼鏡も。
実際、過去の大雨災害や台風の後には、レプトスピラ症が流行してしまうこともありました。
油断は禁物です。


レプトスピラ症の症状は、いわゆる 風邪 のような症状といわれています。
そのまま気づかずに治ってしまう、軽症で済むこともあるかもしれません。
が、おそろしいのは それで済まなかった場合です。
肝臓がやられて 黄疸が出たり、腎臓がやられてしまう場合があるんです。
こうなってしまうと、命を脅かされることもあります。
日本よりも大雨や洪水の多い東南アジアなどでは、災害の後にレプトスピラ症が大流行し 亡くなる方も多くいるとか。


こんな おそろしいレプトスピラ症、人間では、あまり一般的ではないようですが、どうぶつたちには ワクチンがあります。
今のところ、日本では 猫さん用のものはなく、わんちゃん用のもののみが出回っています。
レプトスピラ症のワクチンには、複数のタイプがありますが、当院でおすすめしているのは、特に危険な2タイプを予防できるもの。
当院では、いつでも在庫を切らさないようにしていますから、水辺のレジャーに行く子はもちろん、川の近くにお住まいの方も、お気軽にお申し付けください。


あなたのご来院、お待ちしています。