はい、栗本動物病院です。

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ねこさんの水分補給のためならば…尿結石、腎不全の予防にはこれ!

最悪の被害になりました。
西日本豪雨
1号の実家は名古屋ですが、両親とも岡山県出身。
特に、すっかり有名になってしまった 倉敷市真備町に住む伯母夫妻をはじめ、親戚ほぼみんなが被災し、いまも避難所生活をしていたり 浸水した自宅の片付けに追われたり。
身内はだれも命だけは取られなかったのが 不幸中の幸いではあるものの、リフォームしたばかりの家が全壊したり、何日もかけて植え付けした田んぼも畑も全滅したりと、生きているから良かった…だけでは 済まないものがあります。


そんな 避難所や、被災地での生活。
やはり、お手洗いが気になるからと、水分を取るのを控えてしまったり、避難所生活でなくても、そもそも 飲み水を手に入れるために 暑い中長時間並ばなければならなかったりするのだそう。
テレビでも多々呼びかけていますが、脱水や熱中症は、倒れないうちは大丈夫…ではありません。
喉がかわいたな と思ったら、もう黄色信号ですからね。
乾く前に水分補給、時間を決めて量も決めて飲む。
これが鉄則です。


さて、そんな 水分補給。
わたしたち人間は 言えばわかります。
飲んでね!と伝えれば、しぶしぶでも飲むでしょう。
でも、どうぶつたちは…?
特に、もともと砂漠にいたねこさんたちは、水分がないのが当たり前ですから、水を飲ませようとしても なかなか飲んでくれません。
かれらは、水を取らない代わりに、捨てるのも少しの水分で済むよう、ぎゅっと濃縮された尿を排泄するような体のつくりになっています。
この、濃い尿を作るため、腎臓が全力で頑張ります。
ねこさんは、腎臓が頑張りすぎてしまいやすい体のつくりなので、腎不全といって もう頑張れません… 状態になりやすいのですね。
他にも、濃いおしっこを作ると、尿結石といって、おしっこの成分が塊になって 体の中で詰まりやすかったりします。


腎不全、尿結石、どちらも予防できるのが、水分補給。
濃すぎるおしっこは、いいことはないのです。
そんなわけで、水を飲ませたい…けれど、飲んでくれない。
そんな方にまずやっていただきたいのは、お皿にお水を入れてあげること。
これは、給水ボトルよりも飲みやすいことが 解剖学的にも明らかですから、それだけでも取れる水分の量が増えます。


さらにもう一手…とお考えのあなたに おすすめなのが、お水に味をつけてあげることです。
たとえば、いつものカリカリフードを お水のお皿に数個。
他にも、お気に入りのオヤツや、市販の食欲の出るふりかけなんかもおすすめです。
ふやけたフードが飲み水の中でフワフワしてると汚らしいな…とか、日中に悪くなったらいやだな…と思ったら、表面だけふやけたら 本体は取り除いてしまってかまいません。
フードやジャーキーは、表面に 味や匂いのコーティングをしていますので、それが水にうつれば 十分なんです。


ごはんをふやかしたり、猫缶などを食べてくれる子なら、ここまで必死にならなくても ある程度食事からも水分補給はできます。
でも、カリカリ至上主義、というか、カリカリ以外は口もつけない というねこさん、意外にいるんですよね。
こういった、食べ物の好みがはっきりしているねこさんの場合、たとえいつものカリカリでも、ふやかして食感が変わるだけで 食べてくれなくなったりします。


わたしたちも、ただの水より、飲みやすく味付けしたスポーツドリンクやお茶のほうが 量は飲めるという方、多いと思います。
糖尿病などで、厳密に食事を管理している子は また話が変わってきますが、そうでない子はぜひ一度試してみてください。
お皿にお水と フードをちょこっと入れるだけですから、簡単です。


ねこさんは、夏場におしっこトラブルを起こす子 ほんとうに多いんです。
尿結石も、腎不全も、予防のためにはまず 水分補給!
あれこれ 試してみてくださいね。
そして、このオヤツやあのふりかけが好評だった!と、ぜひ 当院に教えてください。
全力でいろんな方に 拡散 いたしますのでね。
あなたのご来院、お待ちしています。