はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

あと少し、あともう少し

名古屋…
いえ、愛知県を始め、大阪、兵庫などで 緊急事態宣言が解除されました。
東京、神奈川、千葉、埼玉の首都4都県は引き続き宣言下にあるとはいえ、喜ばしいニュースです。
とはいえ、3/7以降も 首都圏では宣言延長の可能性も高いようです。
まだまだ油断せず 頑張っていきましょうね。


宣言解除の追い風になったのは、やはり ワクチンの存在がとても大きいと思います。
いまは、2回接種して 高い抗体価を定着させるタイプがメインですが、
1回接種でよいもの、一度打ったらもう一生追加接種は不要なもの、
いろいろなタイプが 開発されているようです。
医療従事者、高齢者と ワクチンプログラムを進めてゆくうちに より改良も進むでしょうから、
わたしたち 一般の「若い世代」にまでワクチンプログラムが進むころには、
もしかすると 一度打ったら追加接種不要で、しかも 副作用もほとんどないようなワクチンが 作られているかもしれませんね。


さて、突然ですが、クイズです。
ヒトでは天然痘、家畜では牛疫。
共通点がわかるでしょうか。


答えは、今までに 撲滅宣言が出された病気です。
どちらも、うつりやすく、致命的な病気で、天然痘の撲滅はWHOの大きな功績ですし、
動物版WHOのような OIEは、牛疫をきっかけに作られました。
そして、撲滅のために、わたしたち人間の使ったツール。
天然痘は種痘、牛疫では弱毒生ワクチンでした。
つまり、病気になったらああしよう、こうしよう というだけでなく、
そもそも 病気にならないようにしよう!という アプローチの仕方、
いま目の前にあるものを、どうするか?だけでなく、望ましい未来を作るという アプローチをして、病気を撲滅することができたのです。


これらの病気に使われたのは 生ワクチンといって、弱らせてあるとはいえ 生きた病原体をそのまま使うタイプのワクチンでした。
ワクチンは しばしば、免疫系に勉強させる…といった例え方をされますが、その例えでいけば 生ワクチンは  模擬試験を繰り返し受ける勉強法といえます。
それとは違い、いま Covid-19に使われているワクチンは、mRNAワクチン。
免疫系に、ウイルスの中の 特徴的な一部を覚えさせるものです。
同じ例えでいけば、キーワードをまとめた まとめノートを使った勉強法といったところでしょうか。


生ワクチンは、病原体が病気を起こせない程度にはちゃんと弱りつつも、きちんと免疫ができるくらいには力が残っているか?といった 検証に時間がかかります。
ワクチンが体内に入ったあとで、弱らせたはずの病原体が 病原性を取り戻してしまっては困りますし、
反対に 弱りすぎていて免疫ができなくても困ります。
いい塩梅に調整するのが、ものすごく大変なのですね。
一方、mRNAワクチンは、病原体の一部にすぎず、病原体の中でも 特徴的な部分だけ、
勉強法の例えでいえば、テストの出題範囲の 出るところだけを抜き書きにしていますから、こういった心配はないんですね。


天然痘以外にも、今まで、人類は さまざまな感染症と戦ってきました。
ポリオのように、撲滅はまだできていないけれど、かなり追い込んで もう最終回のツーストライクくらいまできている病気もあります。
同じように コロナにも 打ち勝ってやりたいですね。
そのための武器は、もうこちら側にあるのです。
勝利の暁には、肩を組み、高らかに勝利を叫びたい。
だから、今は あともう少し、三密を避け 手を洗いながら頑張っていきましょう。


当院では、密を避けて 診療を続けています。
あなたの来院、お待ちしています。