はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

備えよ、常に

コロナの勢いが収まりませんね。
緊急事態宣言の出ている地域に住むものとしては、やはり日常のあらゆる場面で、気にせずにはいられません。
まだ直接の知り合いが コロナになったという話は聞こえてきませんが、知り合いの知り合いが…くらいまでの話は ごくふつうに耳にするようになってきました。
確実に近づいてきているのだなあ、と思います。
とはいえ、1号に出来ることといえば、手を洗うこと、消毒をすること、そして マスクなしでの会話をしないことくらい。
今までも、これからも、自分に出来る対策に努めていきたいと思います。

そんな中、17日の日曜日。
あの日から26年が経ちました。
阪神淡路大震災です。

当時名古屋にいた1号は、震度5の揺れにも気づかないくらいの爆睡だったのですが、岡山に親族が多いため、かなり揺れた!という記憶のある身内も多く、集まりなどがあると 未だにしばしばその話になります。
距離的に近かったためか、ちょうど 10年前の東日本大震災よりも、阪神淡路大震災のほうが 記憶の鮮明な人も多いのですね。

東京では大きな地震が起きうるけれど、関西では地震は起きないから、関西へ首都を移転すべき!とまで 言われていた関西で起きたのが、阪神淡路大震災でした。
実は、あの日、被災したのは、人間だけではありません。
犬と猫をあわせて、1万近くのペットが ケガをしたり、飼い主さんとはぐれてしまったといわれているのです。

阪神淡路大震災は、初めて 官民一体となってペットの避難に取り組んだ地震でもありました。
とはいえ、被災したペットたちのうち、飼い主さんのもとに戻ることができたのは、わずか2割だったといわれています。
こうした悲しい経験をもとに、東日本大震災では、同行避難を受け入れる避難所も作られました。
その後の熊本地震、豪雨や台風などの避難所開設のときも、同行避難のできる避難所の割合は増えているといいます。

とはいえ、連れていけばとりあえずオッケー、ではありません。
ペットは赤ちゃんや小さい子どもたちとは違います。
ごはんやトイレ用品の備蓄、同行避難ができるようなしつけをしておくことは 100%飼い主の責任なのです。

いざ、同行避難が必要になってしまったとき。
そのときでは、もう遅いのです。
ふだんから、同行避難のことも考えた暮らしをしておくことが大切ですよ。

1号の先輩で、獣医師会の一員として、ある激甚災害の同行避難受け入れを準備、調整した方がいます。
この先輩が教えてくれた おすすめの備蓄の方法をシェアしますね。

  • ごはん(フード):

ドライフードを1袋。小型なら1匹につき1.5kg以上、大型なら7.5kg以上を。
開封済み+未開封1袋を常に家にストックしておき、
開封に手をつけたら新しいものを買うようにすれば、新鮮なものをいつも用意できる。
ウエットフードもダメではないけど、できれば嵩張らないドライフードを備蓄して。
非常時にもいつもの味で安心できるよう、できればフードは普段から同じものをあげ続けるのがおすすめ。

  • トイレ用品:

フードと同じく、トイレ砂でもトイレシートでも、
開封済み+未開封1袋をストックしてローテーションしていくのがおすすめ。
トイレ砂は長く放置すると空気中の湿気を吸ってしまうし、
シートはボロボロになってしまうから、どんどんローテーションを。

  • しつけ:

ケージの中でもくつろいで過ごせるよう、普段からケージに慣れさせておいて。
ケージの中で吠え続けてしまう子は、同行避難しても避難所の中に入れなかったり、
飼い主さんが、周りの目が気になって過ごしづらくなってしまう。
病院へ連れていくときなど、嫌なことをするのにケージを使っている場合、
ケージが嫌いになっているかも。
使っているのがソフトケージなら、普段づかいはハードケージにするなど、
違うものだよとわかるようにすれば、ケージ嫌いを克服できるかも。
ハードケージで過ごせれば、たどり着いた避難所が受け入れキャパを超えていても、
他のハードケージに積み重ねて受け入れてもらえる可能性もあるから、
これから用意するのなら、ハードケージがおすすめ。

先輩自身、家で複数のどうぶつと暮らしています。
件の激甚災害のあとも、大雨で避難したことがあったけれど、このような仕組みを作ってあったので 安心して避難ができたそうですよ。
ふだんから備えておくことで、何かあっても安心できる、どんと大きく構えていられる。
非常時には、そういったことがとてもとても大切だと思います。

実は、ごはんやトイレ用品の備え方は、ローリングストックといって、わたしたち人間の備蓄でも 使われている考え方です。
普段使いのもの、普段食べている加工食品を少し多めに買い置きしておくことで、災害時にも普段に近い食事が取れ 安心できる と、お勧めされているそうですよ。

ごはんやトイレ用品、未開封のストックはありますか?
ない!という方は、早めに 確保しておきましょう。
処方食のストックは、ぜひ 当院から。
新鮮な在庫をご用意して お待ちしております。
忙しくて取りに行けない… 緊急事態宣言中に出かけるのが不安…
そんなあなたのために、当院では、ご自宅への直送も 承っております。
お気軽に お電話くださいね。

あなたのご来院、お待ちしております。