はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

犬をしまえ、猫をしまえ

台風が近づいてきていますね。
接近中の12号は、上陸の可能性こそ低くなったものの、引き続き発達しながら北上をしているそうです。
太平洋側はかなりの荒天が予想されているようですよ。


こうしたとき、少し前から、Twitterでは #犬をしまえ というタグの付いた投稿が増えてきました。
要は、ガレージなど、ヒトと同じ生活空間ではないところで主に暮らしている飼い犬たちを、ヒトの生活空間に一時的に入れようという呼びかけです。


この、#犬をしまえ は、もともと いわゆる外飼い、つまり 庭などに置かれた犬小屋に、鎖などでつながれ 飼われている子が、台風で怯えていたり、ひどいときには 風で飛ばされそうになったり、飛んできた物で怪我をしていたりといったところを見た人が始めたハッシュタグでした。
これが拡大し、いまでは、台風でなくても 室内飼いを啓蒙するために使われたり、わんちゃんではなく 猫さんに呼びかける #猫をしまえ とか、
台風があると田んぼや川、用水路などの様子を見に行く人、見に行かされる同調圧力を諌める #田んぼを見に行く人をしまえ など、さまざまな形で使われています。


当院のあるエリアは、かなり室内飼いが浸透しており、患者さまもほぼ100%室内飼いの子です。
でも、やはり 猟犬の子や、家族がアレルギーを発症してしまったなど、生活空間を共有することのできない子も 中にはいます。
そういった場合でも、せめて台風の間だけでもよいので、屋内で過ごさせてあげられると安心ですよね。


台風が来たら、万一に備えて、モバイルバッテリーの充電や 緊急持ち出し袋の確認をしたり、物干し竿やゴミ箱など 風で飛んでしまいそうな物の確認をしている方も 多いのではないでしょうか。
このようなとき、一緒に わんちゃんや猫さんを #しまう 先も確認できるといいですね。


そして、台風の前後、助けを求めて迷い込んでくる 外猫さんも多くなります。
外猫さんは、ワクチンなどを打っていない子もいますし、中には 悲しいことに 病気にかかっている子も…
もともと 猫さんがおうちにいる、という方は、助けてあげたその外猫さんは、ひとまず おうちの子とは 別の部屋へ通してあげましょう。
優しい気持ちで保護した子から、家族が病気をもらってしまったら 悲し過ぎますから。


ビショビショだと とても見にくいのですが、ノミなど 人間にも悪さをする虫がついている場合もあります。
できれば、お風呂場や 使用頻度の低い部屋など、何かあっても 比較的対策の取りやすい場所に入れてあげてくださいね。


台風が去った後も、その子を飼うと決めたなら、ぜひ 当院にご相談を。
病気の検査や、もしいれば虫下しなど 一緒にやっていきましょう。


そうそう、たまにお問い合わせをいただくことがあるのですが、当院は外猫さん、保護猫さん、ペットショップからきた子、ブリーダーさんの子、どの子も平等に診察しています。
来院された方が大人でも、お子さんでも、同じです。
子どもさんが子猫ちゃんを拾って連れてこられても見ません、ということもありませんし、DINKSのご夫婦がペットショップで買われた子だからちょっと多く出してくださいね、ということもありません。
必要ならば同じようにお薬をお出ししますし、同じように検査をしますし、来院された方にいただく金額も同じです。


最近では、#犬をしまえ #猫をしまえ は、完全室内飼育・終生室内飼育を勧めるムーブメントともなっているのだそうです。
外での生活を知ってしまった猫さんなどでは、なかなか難しいこともあるようですが。
実際、外猫生活は過酷で、平均寿命も相当短くなりますし、しんどいことも多々あるようです。


飼えるものなら、完全終生室内飼育がベストですね。
あなたのご来院、お待ちしています。