はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

熱中症対策にはエアコンしかありません

いよいよ 梅雨入り。
真備町にあった 伯母の家が壊滅した 西日本豪雨から、早くも2年になります。
今年の夏は、悲しい思いをする人が 一人でも少なくて済みますように。


そんな今年。
新しい生活様式に従って マスクを着けるため、例年よりも熱中症のリスクが高いと言われています。
喉の渇きに気づきにくい。
蒸れて熱気がこもりやすい。
いろいろにいわれていますが、いずれにしても 快適な夏には 程遠くなってしまいそうです。


熱中症は、熱による脳や身体へのダメージにより さまざまな症状が出る病気です。
こうしたダメージは、治るものではありません。
細かくみると、細胞のタンパク質を壊すわけですから。
ゆで卵を冷やしても 生卵に戻ることがないように、
熱によりタンパク質が破壊され、ダメージを受けた細胞は死に、元に戻ることはないんですね。


そんなわけで、熱中症は 予防がとてもとても大切です。
喉の渇きに気づきにくいから、意識して水分をこまめに取る。
できれば、定期的に最低限取る量を決めてきちんと守る。
蒸れやすいから、小型の扇風機などを使って 湿気を飛ばしつつ換気もする。


それと同じくらい大切なのが、そもそも 高温に晒されないようにする ということ。
言い換えれば、エアコンなどで室温を保つ、暑い時間帯には出来る限り室内にとどまる ということです。


人間と違って、意識して水分を取らせることも難しいうえ、
汗をかかないために 扇風機で湿気を飛ばしても あまり熱中症予防にはつながらないのが どうぶつたち。
最も効果的 というより、唯一の方法が エアコンの使用です。


コロナのせいで、少しでも出費を抑えたいと、エアコンの使用を節約することを心に決めている あなた。
エアコンを使わず、どうぶつが熱中症になった場合、ほぼ間違いなく10万コースです。
夏中つけていても、電気代が10万超えになることは まずありませんよね。
節約のつもりが 大損だと思いませんか。


ひとたび熱中症になると、入院。時間外診療。薬。通院も必要です。
時間も手間も 割にあいません。
それに、10万以上使っても、治るという保証はありません。
毎年、熱中症になって、入院するほどではなかったけど老け込んだ…とか、別の病気になった…なんて子がいます。


夏の日中、お留守番中は エアコンは切って、扇風機にしてました。
だって小型だから、猫だから、病気したことないから、うちの子は大丈夫。
窓をちょっと開けて行くし、扇風機には保冷剤をつけていくから涼しい風が吹くし、パートや買い物の間の短い時間だから…
これ、どれも、実際に熱中症になった子を連れて 駆け込んでこられた方たちのおっしゃったことです。
でも、結果、その子たちは 程度の差はあれ、熱中症になりました。
ボケてしまった子もいます。
何週間か入院して 費用が大変なことになった子もいますし、因果関係は不明ですが 若くして重い病気を発症した子も。


夏の日中はもちろん、夏でなくとも 暑い日にエアコンを切るのは、危ない賭けすぎます。
そして、賭けに勝っても 手に入れられるのは ほんの少し電気代を節約できたという事実だけ。
全く割にあいませんね。
そんなリスクは冒さずに、きちんとエアコンを使って 夏を乗り越えましょう。


それでも、体調を崩してしまったら…
あなたのご来院、お待ちしております。