はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

international safe abortion dayによせて。避妊・去勢手術のすすめ

ラグビーワールドカップ、盛り上がり続けていますね!
奇跡の再来、1号は電車の中で知りました。
興奮を抑えきれず、試合終了とともにガッツポーズをしながら立ち上がった大柄なスーツ姿の男性が 同じ車両に2名いたのです。
ホーム戦はやはりサポーターの力が大きいですよね。
このまま、いいところまで行ってほしいな!と思います。

 

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アイルランドといえば、のシャムロック。


そんな今日。
9月28日は、international safe abortion dayです。
https://safeabortion.jp/
安全な中絶・流産を考える という日です。
中絶と流産って、まったく違うようですが、お母さんの身体から赤ちゃんを出すという点では 医学的に同じ。
だから、その安全な方法について、考えよう という日です。


中絶、流産は、何も人間に限りません。
外へ散歩に出ていた飼い猫、帰ってきたらどうも妊娠しているようだから、中絶を…と連れて来られたり。
家で飼っている犬、どうも親子とか兄弟で近親交配してしまったようだから、中絶を…と連れて来られたり。
診察にいらした方に、話の流れで こういうこともあるんですよ、とお伝えすることがあります。

想像もつかない!とおっしゃる方も多いのですが、案外多いんです。


こういったことを予防でき、また、一部の病気を予防できる方法。
それが、避妊・去勢の手術です。
病気になる前、健康なうちに行うことで、手術のリスクは最小限になります。


そうは言っても手術だし。
麻酔が怖い。
いろいろな心配もわかります。
でもね。
手術による医療事故って、確率としてはとてもとても低いんです。


どうぶつよりもずっと母体数の大きな人間で、2017年に全国で報告されている医療事故の合計は370件。
2016年は406件でした。
このうち、お産を含む手術が原因の事故は、それぞれ2017年は117件、2016年は224件。
つまり、手術による医療事故は、お産を含めてもすべての医療事故の半分にも満たない数なんです。
そして、ここでいう手術は、ケガや病気、お産といった、基本的に健康でない状態で行う手術も含めています。
つまり、事故が起きた中には、もともと事故の起こるリスクが、避妊・去勢の手術よりも高い状況での手術も多く含まれているということなんです。


手術による医療事故はとても悲しいこと。
絶対にあってはならないことです。
当院では、幸運なことに、開業してから今までに30年以上、たくさんの手術を行ってきましたが、一度も事故が起きたことはありません。
それは、毎回毎回細心の注意を払って手術を行うことと、麻酔の専従者が麻酔管理に専念するというごく基本的なことによって成り立っていると思っています。
今までも、これからも、このごくごく基本的なことをずっと続けていきます。
わたしたちは、当院を選んでくれた方に、悲しい思いをさせたくありませんからね。


このように、手術による事故自体の数の少なさ、そして 当院では30年以上、毎年たくさんの手術を行ってきましたが、今までに事故が起きたことは一度もないという実績。
事故の起こるリスクは、非常に少ないということが伝わりましたでしょうか。


その一方、避妊・去勢をしないことによるリスク。
これはどれくらいあるのか。


結論から言うと、100%病気になると言われています。
先生によっては、どうぶつは避妊・去勢をしないことによって100%かかる病気で死ぬ。そうならなかったとしたら、その前に寿命が来たからだ、とすら。


リスクの低い手術事故を恐れて、そのままでいれば100%病気になる避妊・去勢をしないことが、どれだけ危険なことか、伝わりましたでしょうか。


確率がどれだけ低くても、事故に遭ってしまったら悲しみは同じ。
それも、よくわかります。
だから、当院では、今までも これからも 事故の可能性を最低限にする 基本的なことをずっと続けていきます。
他院さんから 難しい手術を紹介されるのは、それだけの実績と信頼の 証でもあるんですよ。


あなたのご来院、お待ちしています。