今日はラグビーワールドカップですね!
電車の中でも、各国のユニフォームに身を包んだサポーターをたくさん見ました。
やはり元ラガーマン、現役ラガーマンが多いようで、大柄な方が多かったです。
でも、さすがスポーツマンでみなさん紳士。
子どもやお年寄り、妊婦さんに席を譲ったり、荷物を運ぶのを手伝ったりと、心が温かくなる場面をいつもよりも多く見かけました。
心温まる、ふるさとの光景です
そんなスポーツマンのみなさんが激しくぶつかり合うのが、ラグビーというスポーツ。
防具をしているとはいえ、避けられないのがケガですね。
その中でも、タックルやスクラムを組むラグビー選手に、特に多いケガといえば。
靭帯のケガです。
競技中、足首やヒザなどがありえない角度で曲がるのを見ると、あーーーー…という声が出てしまう方も多いと思います。
実は、このケガ、わんちゃんにも多いんです。
ラガーマンは足首のケガが多いですが、わんちゃんに多いのは膝。
前十字靭帯を傷めてしまうことがとても多いんです。
前十字靭帯は、他にもサッカーや相撲、バスケットボールなどでも傷めることが多い場所です。
犬では、フリスビーや障害などのアジリティをやる子やドッグランなどで激しく遊ぶ若い子に多いケガ。
これらに共通するのは、素早く・かつ勢いよく、向きを変える という動きがあることです。
こういった動きをすると、なぜ前十字靭帯を傷めやすいのか。
それは、前十字靭帯は、太ももとすねをつないでいる靭帯だからです。
太ももとすねは、膝で繋がっていますね。
太ももには大腿骨、すねは脛骨と腓骨という骨があります。
それぞれ、向かい合う面には溝があり、その溝の中を膝蓋骨…いわゆる、ひざのお皿が滑車のように動くことで、膝関節を曲げることができます。
この溝のある面同士がきちんと向かい合うよう、骨どうしを繋げているのが十字靭帯。
膝の前面にあるのが「前十字靭帯」です。
靭帯は、大腿骨の右側と脛骨の左側、大腿骨の左側と脛骨の右側というように、クロスするように骨どうしを繋いでいます。
だから「十字」というのですね。
ここの靭帯に大きな力が加わると、靭帯が伸びたり、切れたりします。
伸びてしまうと、溝と溝との間隔が広がってしまうので、滑車=膝蓋骨が外れてしまったり。
それよりも大きな力が加われば、切れてしまうこともあるんです。
これが、前十字靭帯断裂という状態です。
この靭帯が切れているということは、太ももとすねが繋がっていない状態。
切れてしまうとものすごい痛みで、歩くどころではないそうですが、物理的にも歩ける状態ではなくなります。
これを治すためには、手術や体重コントロール、リハビリなどが必要になります。
スポーツ選手のように、競技が出来なければ生活もできなくなってしまうことのない犬の場合、ケガの状況などにもよりますが、当院では、手術は最後の手段。
関節の中をいじる手術は、感染のリスクがとても高く危険ということ。
手術後はしばらく歩けなくなり、犬自身はもちろん、飼い主さまの生活がとても大変になってしまうこと。
手術後のリハビリはかなり難しいこと。
こういった理由から、手術をするのは、どのリスクよりもメリットが大きい場合に限って行なっています。
それでも、当院は近隣の他院さんから紹介を受けて執刀することもあり、手術の件数は多いほうです。
走っていて、キャンッ!という悲鳴とともに、足を上げて地面につかなくなったら、前十字靭帯を傷めた可能性があります。
痛み止めなどのお薬をできるだけ使わない治療をご希望の方から、積極的に手術をご希望の方まで。
ぜひ一度、当院にご相談ください。
あなたのご来院、お待ちしております。