はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

梅雨入り前。皮膚チェックのすすめ

火曜の雨は ものすごかったですね。
雨の音や 風の音、雷の音もすごかったですし、電車の遅れも…
雨の季節が 確実に近づいているんだなと、憂鬱な気持ちになります。


今年も 7月に豪雨の予想が出ているとか。
去年、1号の親戚家も全壊した 岡山豪雨も7月でした。
今年も同じように つらい思いをする人がいないよう、祈ってやみません。

 


そんな 雨の季節、予想以上に多いのが 爪のトラブル。
これは、ネイリストの飼い主さまによると、人間でも同じなのだそうです。
人間は、スカルプチュアの付けっぱなしなどで 爪にカビが生えてしまうトラブルが多いのだそう。
動物たちは、スカルプチュアは付けませんが、やはり 真菌、つまり カビの仲間によるトラブルが多くなるのが この時期です。


どうぶつたちの悩まされるカビは、マラセチア という、ひょうたん型のカビがほとんどです。
ときどき、いわゆる水虫の原因である 白癬菌 による皮膚炎を見ることもありますが、大多数は マラセチアによる皮膚炎や、外耳炎。
痒いだけでなく、特有の臭いがするので、犬が臭くなりました!洗っても洗っても翌日には臭い!と、駆け込んでいらっしゃる方もおられます。


マラセチアの皮膚炎にかかると、どうぶつたちも痒いので 身体をかきむしり、そのときに 爪の根元に真菌が入り込んでしまう…というのが、最も多いパターンです。
人間も同じだそうですが、爪の根元 というのは、案外深いもの。
ここに 真菌が入り込んでしまうと、なかなか薬でやっつけるのも たいへんです。


当院では、マラセチアによる皮膚炎のある子には、飲み薬とシャンプー、塗り薬を併用する 最強の布陣をご提案しています。
飲み薬で 身体の中から、シャンプーで 身体の外から物理的に、そして 塗り薬でダメ押しをするイメージです。
これだけ 頑張っても、なかなか落としきれないのが マラセチアの嫌なところ。
毎年、時期になると マラセチアに悩まされるという子もたくさんいます。


こういった病気は、一旦発症してしまってからでは かなり治療はたいへんになります。
発症していないときの 皮膚の上では、病気を引き起こす マラセチアと、エサを取り合うライバル関係の 常在菌が 、あるていどのバランスを保っています。
発症してしまうと、このバランスが完全に崩れてしまうんですね。
崩れてしまったバランスを また取り戻すのは、ほんとうにたいへんなんです。


たいへんなことに なってしまう前に。
梅雨入り前に、一度 皮膚病のチェック しておきませんか。
あなたのご来院、お待ちしています。