はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

どうぶつたちも肩がこる!?マッサージのススメ

いやー…
長 長 長編でした…
花粉症4部作。
あやうく 大河ドラマになるところでしたよね。
反響もけっこういただき、みなさまに見て頂いているんだなあと 有り難いやら照れくさいやら。
これからも、たまに こんな大長編をお届けすることもあるかもしれません。
また 当ブログに遊びに来てくださいね。


さて。
そんな 長編記事、書いている間 どんどん肩に力が入ってゆきます。
1号は普段、電車の中で記事を執筆するモブログ派なのですが、書いても書いても書き足りない あまりのボリュームに、ついつい スマホを持ち上げ、首は前に突き出て、眉間にシワを寄せながらの高速フリック。
いわゆる スマホっ首 体勢で書き続けてしまうと、その日は肩がずーん…となります。
要は 肩こりですね。


肩こり というのは、日本語特有の言い方で、英語では、肩ではなく 首や背中のこり という表現をします。(stiff neck)
そこから発展して、肩こりになるのは日本人だけ…なんて、言葉遊びもあるようですね。


でもね。
肩こりになるのは、日本人だけ どころか、人間だけじゃないんです。
どうぶつたちも、肩こりになるんですよ。


そもそも、わたしたち人間の腕は、鎖骨と筋肉で胴にくっついています。
このおかげで、安定して手を使えるのですね。
それにくらべ、犬や猫を始め、いわゆる 四つ足のどうぶつたちは、基本的に 鎖骨が退化しています。
腕は、筋肉だけで胴にくっついているのです。
それは、手先に受けた接地の衝撃が この筋肉で緩和されるので、胴にダメージが及びにくいから。
つまり、手を使うよりも、四つ足を使って 速く走ることを優先した 体の作りになっています。


ところで、肩こりの正体 って、何だかご存知でしょうか。
それは、筋肉の緊張なんです。
筋肉が緊張することで、筋の線維の間に 乳酸などの疲労物質が溜まったり、血行が悪くなったり。
その結果、動きが悪くなったり 痛みが出たりするんですね。


そう。
筋肉の緊張が原因 なのですから、どうぶつたちも、肩こりになります。
むしろ、人間が骨で関節している箇所も 筋肉で支えているぶん、どうぶつたちのほうが こりやすい…
そういう人もいるくらいです。


筋肉は、同じ姿勢を取りつづけることで 緊張します。
姿勢を維持するには、縮める筋肉と、伸ばす筋肉のバランスを取る必要があります。
同じ姿勢を取りつづける ということは、常に縮める筋肉を縮め続け、伸ばす筋肉を伸ばし続けているわけですから、緊張して当然なんですね。


わたしたち人間は、パソコンを長く使ったり、肩より上に腕を上げることがそもそもあまりないような 体を動かさない生活スタイルが 肩こりを誘発しやすかったりしますが、家庭でともに暮らすどうぶつたちも 同じです。
散歩やキャットタワーなどで 多少運動はしても、やっぱり外飼いや 野生に比べると、圧倒的に運動不足。
同じ姿勢を取りつづける機会が多いので、肩がこって当然なんです。


どうぶつたちの肩こりにも、やっぱりマッサージが効くといわれます。
かれらのツボの見つけ方は とても簡単。
背骨の両脇にツボがあります。
ここをやさしく押してあげましょう。
大型犬なら、大人にやってあげるくらいの力加減でもいいですが、小型犬やねこさんには ツボを押す というよりも、押さえる くらいの力加減で。
頭に近い首のほうから、しっぽにむかって、じゅんじゅんとマッサージしてあげてください。
なんなら、人差し指と中指で背骨をはさみながら手をすべらせる くらいでも大丈夫。
だんだん、あー気持ちいい…という表情になっていくと思います。
体を撫でるついでにやってあげるくらいの 気軽さでいいので、ぜひ!


そうそう、大切な注意をひとつ。
背骨や腰を痛めている子は、このマッサージでも痛い場合があります。
痛がるときは、そこに手を当てるだけでもじゅうぶん。
手のひらの温度で、痛む場所を暖めてあげる…くらいの気持ちで触りましょう。
あまりにも 痛がるときは、痛がらなくなるまで 治療が進んでから ゆっくりマッサージしてあげましょうね。


そして、もう一つ。
このマッサージをしていて、ときどき、背中の筋肉が ピクピクッ!とする子がいます。
そうしたら、ちょっと時間をおいて、また ピクピクッとしたときにマッサージしていたのと 同じ場所を同じように触ってみましょう。
それでも、また 同じようにピクピクッ!とする場合、そこに 腰痛の芽があるかもしれません。
早めに 一度 動物病院を受診してくださいね。


ベビーマッサージなどでも よく言われることですが、こうした おうちマッサージでいちばん大切なのは、触れ合いをすること。
きちんとやらなきゃ!ツボを見つけなきゃ!と 躍起になる必要はありません。
撫で方のバリエーションのひとつ…くらいに考えて、気軽に試してみてください。
背中や腰が ピクピクッ!としてしまったら、一度 当院へご相談くださいね。


あなたのご来院、お待ちしています。