毎朝、電車で会う男性がいます。
進むにつれてまあまあ混んでくる電車なのですが、彼は始発駅でまずいつもの席に座ると、おもむろにタオルを取り出し、目と耳を覆うように巻きつけます。
そしてそのまま、目的の駅まで巻きっぱなし。
駅に着くと、スッとタオルを首までずらし、まるでマフラーのように。
かばんにヘルプマークこそ付けていますが、とても落ち着いていて、同じ車両に乗り合わせたほとんどの人は、彼に気づいてもいなさそうです。
でも一度だけ、彼がタオルを忘れてしまったのを見たことがあります。
ガタガタと震え、冷や汗と涙とヨダレをダラダラと流しながらブツブツと独り言をつぶやく彼に、周りの人の視線が集まりだし、混み出した電車の中 彼の両隣だけは空席のまま。
5駅目でついに、彼は金切り声を上げながら電車から飛び出し、駆け寄ってきた駅員さんにヘルプマークを見せ…
タオルのあるときと、ないときで、こんなにも変わるのですね。
あのタオルは、文字どおり 彼の一部なのだと実感しました。
そんなタオルのように、いま わたしたち人間の精神的な支えとなるどうぶつたちが アメリカにはたくさんいるのだそうです。
そういった子たちは、emotional support animalなどと呼ばれています。
彼らは、一般的なペットとは違い、たとえば飛行機の客室に一緒に乗れたり、電車でも膝の上に載せていられたり。
飼い主をメンタル面で支える 大切な仕事をしている彼ら。
日本では、今のところ 盲導犬・聴導犬・介助犬くらいしか 補助犬としては認められていませんが、今後は 補助犬の一種として メンタルサポート犬、メンタルサポート猫なども 増えてくるかもしれませんね。
実は、早くから それに近いお仕事をしている犬が、神奈川県立こども医療センターにいます。
ゴールデンレトリバーの ベイリーという男の子です。
彼は犬でもあり、「ファシリティ・ドッグ」という医療従事者でもある 特別な存在。
お医者さんや看護師さんと同じように、病院で働いているのです。
彼の主な仕事は、採血や手術、治療に臨む子どもたちに寄り添い、支え、励ますこと。
ベイリーがいるから 入院を嫌がらなくなった子や、治療を頑張れた子が たくさんいるのだそうです。
ファシリティ・ドッグがいない病院でも、もちろん治療は行えますし、治療がうまくいけば 治癒・寛解して 退院できます。
でも、治療に挑む子どもたちを、メンタル面から支えることのできる 彼の存在は、とても大きいと思うのです。
ファシリティドッグ、補助犬、警察犬や探知犬、救助犬など、直接的に仕事をしている子たちはもちろん、家族の一員のわんちゃんやねこさん。
みんな、健康第一 なのは、同じです。
だいじな家族の健康管理、当院にもぜひ お手伝いさせてください。
当院では、健康診断キャンペーンを行うことがあります。
別に気になるところ、ないしなー…という方こそ、いま受けておいてほしいのです。
それは、元気なとき、気になる症状のないときの 状態がわかるから。
夏から冬に、季節が進むと、夏には見えにくい病気が現れてくることがあります。
具体的には、おしっこや腎臓の病気や、関節の病気など。
症状が出てしまう前なら、使えるお薬の種類も多く、量も少なくて済みますから。
元気に見えるからこそ、健康診断!
あなたのご来院、お待ちしています。