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東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

台風のときは絶食!?獣医が勧める下痢対策

続けざまの台風です。
今度の25号も、かなりの勢力のようですね。
予想進路をみる限り、日本海を北上するようで、24号のように首都圏直撃とはならないようですが、油断はできません。
停電に備え、モバイルバッテリーなど買っている人も多いとか。
スマホ中毒の1号にとっては、バッテリーはライフラインも同然。
ふだんから充電式と電池式のモバイルバッテリーを持ち歩いていますが、よりいっそう手放せない思いを新たにしました。


台風をはじめ、低気圧が近づくと、体調が不安定になりやすいという方は多いと思います。
実は、わたしたちもどうぶつたちも同じ。
低気圧の時期には、体調を崩しやすくなります。が、そこにはちょっとした違いも。


わたしたち人間の場合、頭痛や関節痛、神経痛などの出る方が多いのに対し、どうぶつたちはお腹をこわしやすいといわれています。
実際、聴診しているときにも、お腹がゴロゴロ、ギュルギュル鳴っている子は 秋に多いと感じます。
特に下痢とか、吐くといった症状のない子も、聴診器を当ててみると、ギュルギュルと音がしていることもあるんです。


どうぶつたちのお腹の調子の悪いとき、当院ではまず うんちの検査をします。
お腹の虫がいないかな?悪玉菌が増えているのかな?といったことが、これでわかります。
お腹の虫がいるときには、虫下しがよく効きます。
ですが、この時期はまだ フィラリアのお薬を飲んでいる子も多いので、虫がいることはあまりありません。
中には、フィラリアのお薬は効かないタイプの虫が見つかる子もいますが、少数派。
圧倒的に多いのは、悪玉菌がうんと増えているケースです。


悪玉菌には、よく効く抗生物質がありますから、これを使ってあげると 症状はわりとすぐに落ち着いてきます。
でも、もっと効きをよくしてあげたい。
早く症状がおさまるように手助けしてあげたい。
そんな優しいあなたにおすすめの治療法が、絶食です。


絶食というのは、簡単にいえば 食べものを与えない ということ。
食べものを与えず、消化管を休ませましょう、そして回復に専念させましょう、というのが目的です。
お腹を休めるために食べものを与えないわけですから、もちろんオヤツや缶フード、人間の食べものも無しですよ。
ごはんを抜いてくださいね、とお伝えすると、はいわかりました、と言いつつも ごはんじゃないから、とオヤツを与えてしまう方や、
お腹が空いてかわいそうだし、カリカリより消化が良さそうだから、と食べ慣れない缶フードをあげてしまう方、
お粥なら…なんて人間のごはんをあげてしまう方もいますが、完全に逆効果。
かえって長引いてしまうので、やめておきましょうね。

 

実は、ごく軽い下痢なら、抗生物質を使わなくても 絶食だけで治ってしまう場合もあるんです。

病院さんによっては、「下痢?下してるだけで吐いてはないのね。そしたらまずね、明後日まで水以外一切何も口に入れさせないで。明々後日になっても下痢だったら、また連れてきて」なんてところもあるくらいなんですよ。

当院では、うんちの検査で 明らかに悪玉菌が多いことを確認したら、抗生物質をお出ししていますが、下痢のときには絶食 というのは、治療法なんだ!とおっしゃる先生もいるくらい、大事なことなんです。


下痢のひどいときも、そうでもないときも。
あなたのご来院、お待ちしています。