はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

設定温度は25度以下!?それには理由があるんです

湿度の高い日が続きます。
台風の影響もあり、気圧も安定しませんね。
こういうときは、わたしたちだけでなく、わんちゃんやねこさんも 体調を崩しやすいもの。
特に、お歳の子や、持病のある子。
こういった子たちは、高温・高湿度にとても弱いですから、特に注意が必要です。


わんちゃん、ねこさんは、汗をかかない。
これはとても有名ですね。
汗腺 という汗をかくための穴がないので、汗をかかないんです。
この時期、満員電車で汗だくになって通勤しているわたしたちからすれば、うらやましくもありますね。


ですが、汗をかかない ということは、汗をかいて体温を下げることが一切できない ということ。
つまり、暑さが体にこもってしまいやすいんです。
違う言い方をすれば、とても熱中症になりやすい状態 ということになります。


電気代も気になるし、やっぱり節電したいから。
扇風機でいいでしょう?
そういう方も毎年いらっしゃるのですが。


冷房にかかる電気代、ごくふつうのリビングひと部屋だったら、ひと夏数万円にもなりません。
ところが、熱中症で動物病院に駆け込んだら?
ふつうにフルタイムで仕事している方の場合、帰宅して うちの子の具合が悪い、もしや熱中症!?と気づいたときにはもう夜。
たいていの動物病院は閉まっていますから、夜間病院などで緊急受診することになります。
夜間でも電話一本で診てもらえる、救急車で駆けつけてくれる病院もあり、本当に安心…ではあるのですが、やっぱり日中に受診するのとは 費用の桁が違います。
熱中症で間違いない ということになれば、症状にもよりますが、ほぼ間違いなく 血液検査と点滴はすることになるでしょう。
この時点で、体格にもよりますが、既にひと夏分の電気代とトントンくらいになります。
場合によっては、入院したり、点滴に通ったり。
持病のある子なら、酸素室などに入ることになり、さらにお金がかかるかも。
数万円の電気代をケチったばかりに、十万円近くのお金がかかったあげく お金で買えない健康までも損なうことになりますね。


扇風機でいい…のは、汗をかける人間だけです。
それも、汗をかいての体温調節が追いつく間だけ という条件つき。
扇風機は、涼しい風を出すものではなくて、空気を動かすものなんです。
その結果、からだの表面から熱をうばい、涼しくさせるという原理。
理科の授業などで、気化熱 ということばを習ったことを 思い出しますね。
汗をかけるのなら、からだの表面が 汗で湿った状態になりますから、そこへ風があれば 気化熱で体温調節できます。


でも、わんちゃん、ねこさんは汗をかけません。
扇風機を使っても、体温調節できるほど 気化熱の恩恵はないんです。
じゃあ…と、扇風機の前に 氷を取り付けてあげるのもいいですが、冷たい風がからだに直撃するのって どんなに暑いときでも辛いですよね。
しかも、毎日毎日氷を用意して、扇風機に取り付け、出かけて疲れて帰ってきたら 溶けた氷を片付けて…って。
手間!
暑さがさらに身にしみそうです。
その作業、時給換算したらいったいいくらになるのか…
氷水で すべって転んじゃうかもしれないし、水たまりで遊んで床が汚れたり傷んだりするかも。
それに、皮膚が湿ったせいで、皮膚病になっちゃうかも…
エアコンを使えば そこらへんのことに一切悩まされずに済むわけですから、やっぱり つけてあげていただきたいと思います。


帰宅して、なんだか様子がおかしいな?と 思ったら。
当院は、木曜・祝日は5時半まで、それ以外の日は夜 6時半まで受付しています。
それ以降は、ER府中 042ー306ー8052 の受診をおすすめします。

 

健康に暮らすには、病気の予防がいちばん大切です。

熱中症は、病気のなかでも、予防のできるもの。

エアコンピッ、で かんたんにできますから、ぜひ 今日この日から。

合言葉は 25度以下!でお願いいたします。