はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

しもやけかな?と、軽く考えないで!

なんだかもう完全に秋、冬の空気になってきましたね。
道行く企業戦士のみなさんも、ジャケットはもちろん、トレンチコートやダウン姿の方も多く見かけるようになってきました。
こんなふうに、気温がぐっと下がり、関東でも最低気温が10度を割るようになってくると、増えてくるのが しもやけのご相談なんです。

わんちゃん、ねこさんは、裸足で歩いています。
肉球は、わたしたちの足の裏より だいぶ硬い皮膚…ではありますが、それでもやはり 皮膚。
牛や馬のひづめのように、爪ではありませんから、しもやけになってしまうことがあるんです。
ひづめはひづめで 爪切り(専門用語で 削蹄さくてい といいます)などのケアがたいへんではあるのですが、わんちゃんやねこさんがしもやけになると 歩けなくなってしまうこともあり、とてもたいへんです。

しもやけになると、人間と同じで やはり最初はかゆみがでます。
ずーーーっと足先をなめたり かじったり、毛色の薄い子の場合、なめすぎて足先の毛色が変わってきた…なんてことも。
あれー?と思いつつも様子を見ていると、今度は、あかぎれ・ひび割れに進行してしまうことが。
肉球の皮膚は、ふつうの皮膚よりも厚くて硬いので、あかぎれやひび割れになると傷が深くて治りにくく、やっかいです。
こうなってしまうと、塗り薬だけでは治らず、抗生物質や 中には痛み止めやかゆみ止めなどを飲まないとだめな子も。

しもやけの治療には、わんちゃんやねこさんの皮膚の強さ、飲み薬・塗り薬の合う・合わない、傷口をなめるかどうかや、おさんぽのルート、おうちの床の冷たさなど、さまざまな要因が絡み合います。
一度なってしまうと、繰り返すことも多く、毎冬たいへんな思いをする子も 少なくありません。
オロナインやタイガーバームを塗って様子を見てました…という方も ときどきいらっしゃいますが、様子を見てる間に どんどんこじらしてしまうことがほとんど。
早めに動物病院を受診しましょう。

それから、見た目や初期の症状が しもやけと区別がつかない病気もあります。
これは、アレルギーの一種で、寒くなると発症してしまうもの。
これにかかってしまうと、一般的なしもやけの治療では治らず、アレルギーに対する治療も必要に。
この病気はとてもやっかいで、ふつうはしもやけで済むくらいの気温でも、凍傷を起こしてしまうことがあるんです。
凍傷で、耳の先や肉球の一部、鼻先なんかが欠けてしまう…
都内でふつうに室内飼いしていても、この病気の子は そうなってしまうことがあるんです。

しもやけかな?と軽く考えたり、様子を見たりせず、早めに動物病院にご相談ください。
特に、ダックスちゃんやラブちゃんのように、耳の先の毛が短い子や、元々アレルギー体質の子は 要注意ですよ。

あなたのご来院、お待ちしています。