はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

水分補給はお皿から!ボトルは脱水しちゃうかも!?

あまりの暑さに、毎日ペットボトルを買ってしまう エコでない1号。
お財布的にも なんとかしたくて、カバンにしのばせやすい280mlのお水を買った…つもりが、まさかのココナツウォーターでした。
水と信じて飲んだので、いや えらい目にあいました。

さて、気温の上昇に伴って、やっぱり熱中症の症状で来院される子が増えてきました。
毎日毎日高温注意報ですから、熱中症にもなりますよね。
なんども当ブログで呼びかけていますが、夏場のエアコンはぜいたくではありません。
宇宙では宇宙服を着なければ死んでしまうように、日本の夏はエアコンを使わなければ死んでしまいます。
昔はそうじゃなかったけれど、今は気温がちがうんです。
節電のためなら死んでもいい、なんて方はいないですよね?
1号家も、小さなチワワのために大きなエアコンが稼働中。
ドアを閉めているせいで、玄関までは冷気がいかないので、お迎えもサボり気味です。

閑話休題
本日、みなさんにぜひともお伝えしたいのは、
わんちゃんや猫ちゃんは、給水ボトルからはお水が飲めない!ということ。
おうちでの水分補給、給水ボトルからしか飲めない状況だと、脱水を起こしてしまうかもしれませんよ。

お店などでは、お皿のお水に比べてボトルのお水は清潔だとか、ヨダレで汚れにくいとか、周りに飛び散らないからいい…なんて ポップが付いていることもある、給水ボトル。
でも、解剖学的に、わんちゃんや猫ちゃんの喉というのは、上を向いて、口を開け、舌でボトルの玉を押して垂れてきた水を受け止めて飲むようなつくりにはなっていません。
彼らは賢いですし、何より喉が渇いたら水を飲む!という本能がありますから、必死になってボトルから水を飲みますが、
本来からだのつくりに合わない飲み方なので、誤嚥しやすくなりますし、飲める水が必要量に足らない可能性も出てきます。

お皿に入った、あるていど深さのある水に舌の先を漬けて、裏側へ巻き上げながら舌の先で水をくみ上げて飲む。
これが、解剖学的に自然なお水の飲み方です。
ボトルやポップに、「おかあさんのお乳と同じ飲み方ができる…」なんて書いてあるようなものもあるようですが、どうぶつたちはいつまでもあの飲み方はできません。
乳ばなれをしたら、もう大人と同じ、解剖学的に正しい、からだのつくりに合ったやり方で水分を取らせてあげましょう。
それは、ボトルなどではなく、お皿に水を張って飲ませてあげるやり方です。

ドライブのときや、お出かけの間など、限られた短い間なら ボトル給水でもいいのですが、ボトルでしか水を与えていない…という方が 最近多いようです。
思い当たる方は、脱水で体調を崩してしまう前に、お皿に水を張る方式も 導入してあげてくださいね。