はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

ドア・ツー・ドアにご用心!リードかケージをご利用ください

つい先日のこと、
訪問販売というか、宗教の勧誘というか、お説教というか、端的に申し上げてカオスに 巻き込まれました。

インターホンが鳴り、チビッコを連れたスーツ姿の男性に、
「先日、ご主人にお世話になった者なんですが… 」と、白い紙袋を掲げて見せられたので、
つい ドアを開けてしまったところ、
紙袋の中からは 怪しげな洗剤と、聞いたことのない 宗教のパンフレットが。
洗剤を売りつけながら宗教の教義を熱く語る男性の話がふっと途切れたところで、
「そういうの、興味ありませんので」と断った瞬間、
今まで静かに男性の横にたたずんでいたチビッコが、
「ダメよ〜、ダメダメ!」
と ものすごいドヤ顔で言い放ちました。
すると、さっきまではどちらかと言えば小さめの声で話していた男性が、
「やめなさいっ!それは汚い下ネタだから使うなって言っただろっ!!」
と、マンションの廊下に響き渡る声でチビッコをいきなり怒鳴りつけ、
怒鳴られたチビッコは 大声で泣き出し、
それを聞きつけた隣室のコーギーが ものすごい声で吠えだし、
ご近所の犬たちも 負けじと吠えだし…、
最終的には、近所の交番から警察官がそれとなく様子を探りにくるくらいの 大騒ぎになりました。
嘘みたいなトラブルに巻き込まれやすいタイプの 代診1号当院twitterはこちらからです。


さて、「ドア・ツー・ドア」といえば、
家のドアを出てすぐ車に乗り、目的地にすぐ入ること…と思っていらっしゃる方も 多いと思います。
当院のドアも、駐車場に面しており、
「ドア・ツー・ドア」でご来院いただくには、最適の環境となっております。

ですが。

「家から出たらすぐ車に乗るし、車から下りたらすぐ病院だから、大丈夫でしょ!」
と、
リード(ヒモ、引き綱)もつけずに、ケージにも入れずにご来院いただくのは、
ものすごく危険です。

リードの苦手な子、ケージに入るのが嫌いな子もいますが、
それより何より みんな病院が嫌いです。
スキがあれば、なんとか逃げ出そうとするのが普通です。

以前、通りかかった動物病院で、
某黒猫さんが 荷物を抱えて自動ドアを開けたところ、
中からリードも首輪もしていないイタグレちゃんが飛び出してきたのを 目撃したことがあります。
飼い主さん、病院スタッフさん、黒猫さんが必死に追いかけたのですが、
イタグレちゃんて走るのがめちゃくちゃ速いので、
あっという間に ハイヒールの飼い主さんとサンダルばきの病院のスタッフさんが脱落。
最終的に、スニーカーで必死に追いかけた黒猫さんの執念が勝り、
イタグレちゃんは病院の前で泣き崩れていた飼い主さんの腕に無事に飛び込み、
「はっ….はいたつ、かんりょお」と、黒猫さんが息も絶え絶えにつぶやくところまで、
一部始終を この目で目撃ドキュンだった1号。
病院が環八の近くにあったので、本当にハラハラしました。

普段、どんなにおとなしい子でも、
病院に来ると、普段からは想像できない行動をとることがあります。
「この子は噛みません。いままで誰も噛んだことないです」と言われてお預かりした子に噛まれたり、
「吠えたことなんて数えるほどしか…」という子がギャンギャン吠えまくったり、
当院スタッフもそういう経験を 散々してきました。

逃げてしまったり、よその子とケンカになったり、
トラブルになってからでは、遅いのです。
ドア・ツー・ドアだからと安心せずに、
リードをつけるか、
ケージに入れるかしてのご来院
を、
どうぞお願いします。


ちなみに、
リードもケージも苦手なネコちゃんは、
洗濯ネットに入れて、バスタオルでくるんでいただき、
ケージに入れていただくと、
嘘みたいに大人しくできる子が多いです。
連れて行けないから、と諦めてしまう前に、
チャレンジしてみてください。

あなたのご来院、お待ちしています。


…そうそう、余談ですが、
訪問販売のことも 「ドア・ツー・ドア」と呼ぶそうですね。
1号のように、トラブルに巻き込まれる可能性がないとも言い切れませんし、
どちらの「ドア・ツー・ドア」にも、十二分にご注意ください。