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はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

避妊・去勢手術のススメ≪女の子編≫

皆さん、ご機嫌麗しゅう。
1号です。

さて、
先日、お知らせしました通り、
避妊・去勢手術のススメ≪女の子編≫をお送りいたします。

前回同様、
長文気味。


長いの、か…。

よろしくお付き合いください。



女の子の避妊手術には、明確なメリットがあります。


命にかかわる病気の予防ができるのです。


詳しく教えていただけます?

●乳腺腫瘍(乳がん)

乳腺腫瘍になってしまった子のうち、
わんちゃんは50%、ねこちゃんは90%の確率で、
「悪性腫瘍(命にかかわるがん)」になるといわれている、
乳腺腫瘍。
2回目の発情までに避妊手術をすることで、
ほぼ100%予防できるとされています。

当院HPでもお知らせしていますが、
「こどもを望まないのであれば、早めに避妊手術をしたほうが良いですよ」
というのは、
早めに手術をすれば、
病気になる確率が下がりますよ

という意味なのです。


●子宮蓄膿

昨年の記事、
「避妊手術をしていないわんちゃんへ〜子宮蓄膿症の恐怖〜」でも、
お伝えしましたように、
子宮に膿がたまってしまい、命にかかわる病気です。
こちらは、子宮を摘出してしまえば、
発情を何度経験していたとしても、起こることはない病気です。
ですから、
「うちの子、最近生理不順で…」
「若いころより、出血がダラダラ続くようになった」
など、

生理(発情出血)に関して、
いつもと変わったところがあれば、

すぐに手術を受けておいたほうが、

病気にならずに済みます。


命にかかわる病気というと、
代表的なものは以上のふたつですが、
他にも、ホルモンバランスの崩れから毛が抜けてしまったり、
発情がくるたびに、
交尾ができないストレスで吐いたり、下したり、
ひどいケースでは、ストレスから自傷行為(自分の尻尾やツメを噛んでしまう)を繰り返し、
傷口が化膿してしまうなど、
発情シーズンのたび、
かわいそうなことになって病院に担ぎ込まれる子を診ます。

「健康なからだに、メスを入れるなんて…」
と仰る方もいらっしゃいますが、

健康でなくなってからでは、遅いのです。


こんな笑顔を、いつまでも見ていたいから。

手術をするなんて不自然だ、と仰る方もいらっしゃいます。
からだには、本来、必要なものしか備わっていないはずだから、
健康なのに取り除いてしまうのはおかしい、というお考えでしょうか。
では、
発情がきているのに、交尾ができないという状況は自然ですか?
わんちゃんも、ねこちゃんも、時期になれば必死になってオスを求めます。生き物ですから、当然のことです。
そのときに、交尾をさせるつもりがないのなら、こどもを取るつもりがないのなら、
どうか手術をしてあげてください。

手術をしないで、こどもを取る、という選択ももちろんあります。
うちの子はかわいいから、そのこどももきっとかわいいはず。うちの子の赤ちゃんに会ってみたい。子育てをするうちの子が見たい。
そういうお気持ちもわかります。
ですが、お仕事をしながら、子育てをしながら、わんちゃんやねこちゃんの出産について勉強し、
必要ならば出産や授乳を手伝い、産まれたこどもたちの引き取り手を探し、あるいは自分で引き取って、
その子たちが全員天寿を全うするまで、幸せにしてあげられますか?
何匹生まれるかもわからないし、もしかすると生まれつきの病気があるかもしれない。
飼っているうちに、もしかするとご家族に病人が出たり、海外へ引っ越さなければならなくなるかもしれない。
引き取ってくれた方が、途中で飼えなくなることだって、十二分に有り得ることです。
それでも、責任を持って、全員を幸せにしてあげられる自信が、ほんとうにありますか?

わんちゃん、ねこちゃんのこどもを取るのは、簡単なことではありません。
実際に、「うちの子のこどもが見たい」と交尾をさせて、「たくさん産まれちゃったから先生なんとかして」と連れてくる方がいます。
本当の話です。
こういうお話をすると、「うちはそうはならないわよ、大丈夫大丈夫」と笑いながら言うような方ほど、後日同じように連れてくることが多いです。
そうやって、気軽な気持ちから生み出されてしまった、不幸なわんちゃん・ねこちゃんが世の中にどれだけいるか、
真剣に考えてほしいのです。


ところで、
避妊手術には、大きく分けて、
「卵巣だけを取る」=卵巣摘出術(らんそう・てきしゅつ・じゅつ)
「卵巣も子宮も両方取る」=卵巣子宮摘出術(らんそう・しきゅう・てきしゅつ・じゅつ)
のふたつがあります。
当院では、必ず、

卵巣子宮摘出術を行っています。

卵巣も子宮も両方取る場合、どうしても傷が大きくなってしまうこと、
卵巣さえなければ女性ホルモンが出ないことから、
卵巣だけを取る(卵巣摘出術をする)先生もおられるのですが、
ごく稀に取り残しがあったりするケースがあります。
他院さまから当院に転院してきた子で、
卵巣の取り残しがあったために、避妊手術をしたはずなのに、発情がきて、
結局子宮の病気になってしまった、という子を何例か診ています。
卵巣摘出術をされる先生は、「取り残さなければ大丈夫!」と仰いますが、
取り残して将来病気になってしまう可能性がゼロではない以上、
当院では、より確実な、卵巣も子宮も両方取る(卵巣子宮摘出術)手術法を行っております。

傷は確かに大きくなりますが、傷が小さい場合と比べ、痛みの度合い、傷の治りに違いはありません。
一生にたった一度の手術だから、確実に、1%の不安もなく手術を終えてほしいから、
当院は卵巣子宮摘出術を行っております。



ちなみに、
メスは、一度こどもを産ませれば、病気にならない

などという人がいるようですが、
(実際、獣医師免許をお持ちの先生で、そういったことを仰る先生にはお会いしたことはありませんが、)

大ウソです。

こどもを産ませていようが、産ませていなかろうが、いつかは必ず病気になります。
ただ、発病するのが先か、寿命を迎えるのが先かは、誰にもわかりませんが。



こういったお話をすると、
「でも、手術って痛いんでしょう?」と心配される方がいらっしゃいます。
確かに、お腹を開ける手術ですから、痛くないとはいえませんが、
当院では、手術前・手術中・手術後の3回、痛みどめを使います。
人間のがんの痛みどめに使われるような、非常に強い痛みどめを使いますので、
ほとんどの子が、翌日にはケロッとして、お散歩やご飯をねだります。
(1号家のチワワは、手術の数時間後にはご飯を食べたがって騒ぎ、大変でした…。)



だって、お腹が減ったんだもの。

また、「全身麻酔だと、事故がどうしても心配で…」と仰る方もおられますが、
麻酔で亡くなってしまうような事故の多くは、うっかり目を離してしまった場合や、
もともと深刻な病気がある場合に起きることがほとんどです。
うっかり目を離してしまった類の事故は、
術者兼麻酔医、助手兼麻酔医など、手術中の役回りを兼務していて起きてしまうことが多いのですが、
当院で手術を行う際には、麻酔医として、
奥さん先生(栗本動物病院開業当初より麻酔科ひとすじ、超経験豊富な麻酔の神様)が必ずつき、
兼務することはありません。
そのため、うっかり目を離してしまった間に、という事故は、開業以来、今までに一度も起こっていません。
もともと病気のある子に関しても、事前の血液検査や身体検査などを行い、できる限り短い時間で手術を終えるようにするなど、
事故が起こらないよう、細心の注意を払って麻酔をかけています。

ごく稀に、
「女性ホルモンが急に体からなくなってしまうと、辛いんじゃないかしら」
と心配される方もいらっしゃいます。
わんちゃん、猫ちゃんは、人間とは違い、いわゆる更年期障害のような症状にはなりません。
安心して手術に臨んでいただければと思います。



お話ししたいことが多すぎて、内容盛りだくさんになってしまいました。
ここに記載したこと以外にも、気になることがあれば、
いつでもお気軽にご相談ください。

皆様のクチコミ、お待ちしております。

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