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避妊手術をしていないわんちゃんへ 〜子宮蓄膿症の恐怖 編

こんにちは、1号です。
今日はいつもよりも真面目なお話をさせていただこうと思います。

子宮蓄膿のお話です。



子宮蓄膿症は、名前の通り、

子宮に膿がたまる病気」です。

そして、

命にかかわる病気のひとつです。


子宮蓄膿症が起こりやすいのは、

発情出血から2ヶ月半以内とされています。
一般的に、わんちゃんたちの発情は、
春先・秋口の年2回ですので、
そろそろ要注意の時期に差し掛かってきました。


子宮蓄膿症の症状として、多いものは、

・水を飲む量が増えた

・おしっこの量が増えた
・陰部から膿が出てきた
・お腹が張る
・食欲が落ちた・食欲がない
・吐いたり、下痢をする
・元気がなく、やせてきた
など、一見、
「うーん、大したことないんじゃないかな?」「たまたまかも・・・」
と思われてしまうようなものが多く、
「まぁ、数日、様子を見ようかな」
と思っているうちに、

ある日突然瀕死状態になってしまい、

駆け込んでくるわんちゃんが例年います。


治療方法は、注射と手術がありますが、
注射で治療するのは、
身体が悪く手術に耐えられない場合や、
今後交配する予定があるなど、
手術がどうしてもできない場合のみです。

ほとんど、
手術しか治療方法はない
といってもよいです。


注射の治療は、
根本的治療ではないので
生理が来るたびに、
ほぼ毎回膿がたまってしまいます。


手術は、
卵巣子宮摘出術といって、
卵巣と子宮のすべてを取る手術を行います。
子宮にはパンパンに膿がたまっていることが多く、
場合によってはお腹の中で破裂し、
腹膜炎を起こしていることもあります。


手術をすると、
無事元気になって退院していくわんちゃんも多いですが、
中には、手術が間に合わず、
亡くなってしまう子もいます。

「あのとき、様子を見るなんて言わなければ・・・」
「もっと早く、決断しておけばよかった・・・」
皆さんにはそんな後悔をしてほしくないから、
当院スタッフからお願いいたします。


5歳以上で、

避妊手術をしていない
女の子のわんちゃんを飼っているみなさん。

少しでも、わんちゃんの体調に異変を感じたら、

すぐに診察を受けてください。

大切な家族を、
子宮蓄膿症で亡くさないために。
よろしくお願いいたします。


おねがいいたします。


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以下で、摘出した子宮蓄膿症のわんちゃんの
子宮を掲載しています。
クリックする際はご注意くださいね。



この子は、膿でいっぱいのタイプではなく、
中がボコボコになっているタイプでした。
(嚢胞状子宮内膜過形成が著しい型)