はい、栗本動物病院です。

東京都小平市の栗本動物病院です。ときどき更新しています。

こんなに大変!?輸出・輸入

まだ だったそうですね。
梅雨入り宣言。
つい 10日前の記事で 参考にしたサイトは、どこだったのやら…
まさに、フェイク・ニュース!(喪黒服造のテンションで)


そんな今日このごろ。
考えることは、すっかり現実逃避。
あー今年の夏休み、犬を連れて海外旅行ができたらなー…
長く海外旅行がしたいけど、ホテルに預けると元気がなくなっちゃうし高いし、猫も連れて行こうかな…
そんな方も いらっしゃるかもしれませんね。


でも、どうぶつを連れての海外旅行って、本当に大変なんです。
それは、わたしたち 人間とは違い、どうぶつたちは 日本から出国するにも、入国するにも 健康面での条件があるから。


この 健康面の条件、日本やアメリカなどのように インターネットで 公開している国もあれば、詳しくはお問い合わせを としか書いていない国、そもそも 公式サイトなのかもよくわからないものしかないような国もあって さまざまです。
でも、とりあえず連れていって、条件に合わないのでお引き取りください と言われても、困ってしまいますね。
なので、実際に連れていくまえの、下調べがとても重要になってきます。


やはり、現代で頼りになるのは インターネット。
とはいえ、情報の質は玉石混交です。
最近、当院でも 海外赴任にペットを帯同したいという飼い主様がおられ、かなり調べましたが、もう本当に ウェブサイトごとに書いてある情報が違って 途方に暮れました。
結局、飼い主様ご自身で 現地の当局へ問い合わせをしていただき、なんとか正しい情報を集めることができたものの、いやもうなんというか…
よくよく読めば、同じことを、別な角度から書いてあるだけ だったりはするのですが、いやこれふつうに間違いじゃ?とか、あれ?さっきのとぜんぜん違う?え?あれ??とかいうのがたくさんあり、調べれば調べるほどわからなくなり…
頭の中に、フェイク・ニュース!と 喪黒服造が現れるたび、頭を抱えるしかない夜を過ごしたのでした。


本の窓口、動物検疫所へ問い合わせてみると、やはり 行き先の条件は行き先の国の当局に直接聞くのがいちばん まちがいがないのだそう。
他の人はどうしているんでしょう?一般的にはどんな条件なんですかね?と 食い下がってみましたが、同じ行き先の国でも呈示される条件が違うこともありますので…とのことで、詳しくは教えてもらえず。
やはり、行き先の国に聞くしかないのですね。


検疫所の方によると、出国するには 日本の検疫所での検査を受け、証明書をもらう という手続き自体は、どこへ行くにも同じ。
その、証明書に書く内容や、証明書の体裁が、行き先の国の条件によって変わるのだそうです。
よくあるのは、予防接種の種類や、打つ日程に決まりがあるとか、証明書に英語と 行き先の国の公用語を併記するとか、虫除け、病院での治療歴などだそう。
他にも、行く先の国で あらかじめ許可書を取らないとならなかったり、証明書に 大使館でまた別なスタンプを取る必要のある国もあったりと、ほんとうにさまざまなのだそうです。
不安だからとにかく全部やっておいて、全部の証明書を用意する!というわけには いかないんですね。


実際、1号が犬を連れて行った 某国の受け入れ条件と、今回 調べた国の条件は、まったく違いました。

 


日本を出るだけでも こんなに大変で、今度は日本へ戻ってくるとなると、また大変。
マイクロチップを入れ、予防接種を何度も打ち、血液検査をし、と、やることがたくさんです。
それと同時進行で、書類を揃え、日本の動物検疫所へも連絡をし、日本へ戻ってくるための証明書を用意し…
そう。
この、証明書の準備をするのが とにかく大変なんです。
1号も 連れて帰ってくるときに、現地で大変な思いをしました。
個人的には、この 証明書を現地で取る というのがいちばん大変な作業だった印象があります。


たった一日の滞在でも、パスポートは必ず必要なように、行きにも帰りにも 証明書が必要。
そのために、貴重な 旅先での滞在時間を費やすより、ペットホテルに預けたほうが、どうぶつも人間も お互いに幸せかもしれません。


でも、ペットホテルに預けようにも、体調が…と、ご心配の方。
当院では、心臓の悪い子など、持病があって一般のペットホテルを利用できない患者様で、当院でワクチンを打っていただいている子に限り、入院を兼ねて お預かりを行っています。
入院を兼ねて といっても、体調を大きく崩してしまわない限り、勝手に治療して高額請求 なんてことはしませんので、ご安心を。
ただし、入院室をご利用いただきますので、一般のペットホテルにくらべると 狭かったりオモチャがなかったり、夜中はモニターだけになってしまったり。
そして、入院生活に近いため、長くお散歩へ連れていったり たくさん遊んだりといったこともできないので、一般のペットホテルに頼めない子の 最後の砦 とお考えくださいね。


夏休み、ご予約がかなり 入ってきています。
当院でのペットホテルをお考えの方は、お早めに ご連絡ください。
あなたのご来院、お待ちしています。

やってみよう!避難訓練のすすめ

そろそろ寝ようよ、と裸で走り回る子どもを説得していたあのとき、突然テレビと携帯から鳴り響いたのは、8年半前に 毎日何度も聞いたあの音でした。
緊急地震速報緊急地震速報、強い揺れがきます。
繰り返し流れるあの音。あの声。
当時の様子を知っている犬は耳をぴんと立て、異常な気配に怯えて さっきまで走り回っていたのが嘘のように抱きついてくる子どもを片手で抱っこしながら とりあえず窓を開けて…


夜遅くの地震でした。
最大震度は6強。
大人でも立っていられず、はわなければ行動できないというレベルの揺れです。
電車で、立っているほぼ全員がよろけるようなときでさえ だいたい震度3に相当するくらいなのだそうですから、そのものすごさときたら…
怪我をされた方の 一日も早い回復をお祈りいたします。


そんな とんでもない揺れで、しかも 津波まで来たというのに、亡くなる人がいなかったのは 不幸中の幸いでした。
翌日からのテレビに踊ったのが、「自主練」の文字です。
新潟県地震が多く、日頃から自主的に避難訓練を行ってきた人が多いのだそう。
自主練 のかいあって、いざ避難が必要となったとき、迅速に動けたということのようでした。
確かに、初めてやる作業や、初めて行く場所では まごついてしまうもの。
とはいえ、一度でも 下見やリハーサルを行っておくだけで だいぶ変わりますよね。


避難の自主練て…と 思われたでしょうか。
不謹慎と感じてしまう方、そんなのいざとならなきゃわかんないから無駄だよ!と感じる方、いろいろかもしれませんね。
でも、保育園や空港は 毎月そういった訓練を続けているのをご存知ですか?
学校でも、毎月とはいいませんが やっていましたよね。
案外、やっていないのは あなただけなのかもしれませんよ…?
避難訓練とは、つまり、いざというとき 何を持って、どう動くか?ということ。
イメージトレーニングするだけでも、だいぶ変わるといいますから、やってみない手はありません。


特に、わたしたち どうぶつと暮らす者たちは、場合によっては 避難先の選定も必要になります。
ケージで静かにしていられる子と、どうしても吠えてしまう子では、やはり避難先の選択肢も変わります。
揺れがくる前に、どう動くか?どこへ行くか?
考えてみて、できたら一度はやってみてください。
それが 明暗を分ける可能性もあります。


こういった災害があると、やはり 非常持ち出し品の売れ行きが伸びるのだそうです。
1号家にも、貰い物の持ち出し袋があります。
普段視界に入ると あまりいい気持ちがしませんが、しまい込んでしまって いざというとき取り出せないのも意味がないのが 難しいところですね。


そんな非常持ち出し袋に、ぜひ加えて欲しいのが ペットシーツと手帳です。
ペットシーツは、ペットのいないご家庭にも かなりおすすめで、赤ちゃんのいるおうちには 日常の便利グッズとしてもおすすめしたいもの。
簡単にいえば、平たくて四角い 全面吸収のおむつですからね。
こぼれた液体を吸わせたり、おむつ替えシートにしたり、ベタベタ系の塗り薬を塗って なじむまで寝かせておいたり。
この手の薬は、布についてしまうと 乾燥にかけられなかったり 洗濯機を傷める場合がありますから、ペットシーツを使い捨てにするのが安心です。
また、病人にもおすすめです。
吐物が飛び散らないよう、ゲ●袋に敷いたり、消毒薬をたっぷり染み込ませて消毒したいエリアへ置いておけば 消毒薬が蒸発してしまって消毒不足…なんて事態も防げますから。
災害時には、タオル代わりに使ったり、身体に巻きつけて寒さをしのいだり、簡易の敷物や掛け物としても使えます。
あまり大きくても 重たいですから、新聞紙くらいの大きさのものを人数分入れておけば、じゅうぶん急場はしのげると思います。


手帳は、もう準備されている方も多いかもしれません。
鑑札やマイクロチップなど、個体識別の方法。
常備薬や既往歴といった、病気の情報や、かかりつけ医の連絡先。
こういったことをまとめておく手帳です。
ワクチン手帳をお持ちの方は、そこへページを追加するのも方法です。


そのとき、必ず 飼い主さんと一緒に写った写真と、少し離れたところからの 模様がよくわかる写真を 何枚かずつ入れましょう。
東日本大震災のとき、飼い主さんと一緒の写真と 遠くからの写真のあった迷子ポスターが、いちばん早く再会できたのだそうです。
ついでに、飼い主さんの無事もわかることもあり、あって困るものではありません。
スマホにたくさんデータがあっても、災害時にはやはり 写真が必要な場面もあります。
写真は、ベストショット よりも、普段の自然な写真がいいようですよ。


備え過ぎると、逆に 呼んでしまいそうでこわい、という考え方もあります。
でも、備え過ぎて困ることって、実はないんです。
それより、知っていたのに備えていなかった のほうが、ずっとずっと後悔すると 思いませんか。
まずは、ペットシーツを袋へ入れるところから、
そして、一度は 避難訓練 してみてくださいね。

梅雨は真菌の季節だから

続々と梅雨入りしています。
関東は、平均より1日早く、7日に梅雨入り宣言が。
いやーなジメジメや、不安定な空模様が続いていますよね。


そんな梅雨は、やはり カビの活動が活発になります。
おうちでよく見かける 赤カビや黒カビばかりではありません。
皮膚の上にいる カンジダや、白癬菌(水虫)、肺に入り込むととてもやっかいな アスペルギルス。
たくさんの種類がありますが、湿度が高く 温度は高すぎない梅雨の季節は どの種類も最高に活溌になりやすいんです。


犬や猫で問題になるのは、白癬菌よりも何よりも やっぱり マラセチア というカビ。
このカビ、顕微鏡で見ると ひょうたんの形をしているので、わたしたち獣医師は ひょうたんや 崎●軒のシウマイのたれ入れなど、くびれのある丸っこいものを見ると 反射的に連想してしまって…
というくらい、この時期から盛夏の一歩手前くらいまで よく見かけるのが マラセチア性皮膚炎なんです。


これは、痒みもあるのですが、独特な臭いがするのが困りもの。
うちの子、梅雨入りしたくらいからやたらと臭くて、洗っても洗ってもベタつくし…
なんて子は、ほぼ マラセチア性皮膚炎といってもいいくらいです。


そんな マラセチアですが、実は 常在菌 の一種でもあります。
皮膚の上に居ても そんなに悪さをしない場合もあるのですが、ふとしたきっかけで暴れだし、爆発的に増えると たいへんなことになってしまうのですね。


そして、マラセチアには、今の時期だけできる 予防方法があります。
それは、サマーカットと 薬浴シャンプーをしておくこと。
人間の水虫でも、蒸れにくい5本指靴下を薦められたり、足の洗い方を指導されたりするといいますね。
それと同じ感覚です。
今のうちに毛のカット、皮膚のシャンプーをすることで、蒸れを防ぎ、菌の数を減らすことができるのです。


こんなに いいことづくめのトリミングですが、獣医師のいない 一般のサロンさんでは、断られてしまう子も 多々います。
・お年や腰痛、関節痛などで、長いこと立っていられない。
・心臓や気道が弱っていて、負担をかけると ゼイゼイしてしまう。
てんかんなどの発作持ちで、突然倒れることがある。
・皮膚病で ふつうのシャンプーは使えず、薬浴する必要がある。
こんな子たちは、たいていのサロンさんでは お断りされてしまいます。


そこで、当院でのトリミングは、基本的に 一般のサロンさんで受けられない 病気のある子をお受けしています。
マラセチアなどの皮膚病の子、心臓などの悪い子、てんかんなどの発作持ちの子で、当院にて ワクチンを受けておられる子が対象です。


そういったトリミングですので、キレイに見た目を美しくする、というより、最低限の負担で おうちで過ごしやすいスタイルにするのが 当院でのトリミング。
ショークリップや フルコートのスタイルは 基本的にお受けしておりません。


夏が近づくと、やはり トリミングのご予約は どんどん埋まってきます。
混みあう前に、早めにご予約 お願いしますね。
ご予約は、診察のついででも お電話でも可能です。
9時から18時ならば 当院の至宝、トリミングチームと すぐにお話していただけますよ。
042-323-4567
お電話、お待ちしています。

改正、動物愛護法

梅雨入りが近いようですね。
天気が不安定な日が 続きます。
去年、大雨で親戚が被災し、未だに大変な思いをしています。
今年は、せめて 悲しい思いをする人が出ませんように。
備えを していかねば、と思います。


そんな、今日このごろ。
動物愛護法の改正案が、衆議院を通過したというニュースが。
改正のポイントは様々ありますが、なんといっても 大きいのは、56日齢未満での販売禁止、虐待の厳罰化と マイクロチップ装着の義務化です。
特に、マイクロチップの義務化は とても大きいことですね。


最近、気候が不安定なこともあり、とにかく 雷の音を聞く機会が増えました。
雷のように、突然の聞き慣れない大きい音は 本能的な恐怖をかきたてるもの。
さらに、初めて聞くような 大きな雨音や、雹のような 初めて経験するものが降ってくるとなれば…
状況のわかる わたしたち大人でもびっくりしますから、どうぶつたちがパニックを起こしてしまうのも よくわかります。


パニックを起こしたどうぶつは、本能的に そこから逃げ出そうとします。
人間でも、パニック発作を起こしてしまった方が、電車や飛行機、エレベーターなどから なんとかして降りようと 暴れてしまうことがありますね。
それと同じようなことです。
人間であれば、落ち着けば自力で帰宅できますが、どうぶつたちの場合はそうもいかないことも多いのだそう。
そうなると、飼い主を見つけて 迎えに来てもらうのが現実的です。


でもね。
1号の同期で、某自治体の保護センターで以前勤務していた子によると、雷のあとに保護されるどうぶつは、飼い主の手がかりがないことも多いのだそう。
首輪に書かれた連絡先は、パニックで走り回っているうちに 雨に打たれて消えてしまったり、そもそも 首輪がいつの間にか外れてしまったり。
また、走り回っているうちに とんでもない距離を移動していることも 案外多いようで、ようやく飼い主さんを見つけた!と思ったら まさかの県外の方だった…なんてこともあるのだそうです。


その点、マイクロチップなら。
ぜったいに取れない・壊れない とは言いませんが、首輪に名前や住所を書くより 確実です。
それに、保護してくれたとはいえ、見知らぬ人に 住所を知られるのもなあ…と 思われる方もいるでしょう。
その点、マイクロチップの情報から 飼い主さんの個人情報にアクセスできるのは、基本的に マイクロチップ団体から認証された動物病院や 自治体の保護センターなどだけ。
よくわからない人に住所を知られる心配も、少なくて済みます。


改正 動物愛護法で、マイクロチップが広がること。
とてもいいことだと思います。
56日齢未満での販売を禁止して 衝動買いの抑制を。
虐待の厳罰化で 虐待の防止を。
それだけではなく、現在飼っている子が 全国どこでも飼い主さんの情報と結び付けられるように。
これから飼われる子も、辛い思いをしている子も、そして 現在飼われている子にも目を配っている、とても良い案だと思います。


当院では、マイクロチップの装着・登録も行っています。
注射器のような道具で、生体に影響のない小さなカプセルのようなものを 皮膚の下に入れるのですが、痛みを感じにくい 肩の間に入れるので、それほどは痛くなく 入れてあげることができますよ。


いざ 法律が施行されると、マイクロチップの在庫も 少なくなるかもしれません。
今のうちに、入れていただくことを おすすめします。


ご予約なしでも お入れできますよ。
あなたのご来院、お待ちしています。
 

世界禁煙デー、小さな家族のために

先週の金曜日は世界禁煙デーでした。
帰りの駅で乗り換えのためにちょっと歩いているだけで、手にはティッシュやらチラシやら、様々な啓発グッズが。
そこに乗っかったのか、改札を通過するころにはいつの間にか分譲マンションのチラシとパチンコ屋のティッシュも持っていましたよ。


そんな 世界禁煙デー
実は、当院の院長もかつてはヘビースモーカーでした。
シティーボーイズのO竹氏に似た シュッとしたイケメンの院長、タバコを吸う姿もかなりサマになっていました…が、ある日 きっぱりと卒煙し、今やタバコのタの字もなくなりました。
いつまでも吸い続けているうちの父に、爪の垢を煎じて飲ませたい 1号です。


それにしても、どうして 禁煙 禁煙と騒ぐのか。
健康に良くない という点では、お酒だって ギャンブルだって 変わらないのでは?
と 不思議に思うこと ありませんか。
実は、タバコだけは、自分だけでなく 周囲の健康も害する可能性があるんです。


タバコの煙、いわゆる 副流煙には、喫煙者自身が吸い込むよりも もっと健康に良くない成分が多く含まれている ということが、近年わかってきました。
つまり、タバコを吸うということは、周りに 有害な副流煙を広げている ということ。
吸えば吸うほど、本人はもちろん、周りの健康にも 影響を与えるのです。
吸う人自身は 本人の選択でも、吸わされる人は 本人の意志に関わらず吸わされる。
これが、禁煙の気運が高まっている理由の一つです。


でも、俺は一人暮らしだし。
外では吸わないし。
家の中だけだし。
…ほんとうに そうでしょうか。
タバコの煙で 健康を害するのは、人間だけではありません。


タバコの煙に含まれる、化学物質。
これが、健康を害するものの正体です。
化学物質による 健康被害は、人間もどうぶつも同じ。
誰にも迷惑をかけず、家の中だけで一人で吸っているつもりのそのタバコ、同居する小さな家族に 確実にダメージ 与えていますよ。


そして、煙による健康被害は、実は タバコだけではありません。
アロマセラピーやお香による健康被害があるんです。


これは、身体のつくり的に、わんちゃんよりも ねこさんでより深刻な被害があります。
アロマセラピーは さまざまな種類の精油を使いますが、中でも危険なのが オレンジなど柑橘系の精油
柑橘系のアロマは、全般的にさわやかで 果物のいい匂いがしますし、ダイエットや 目覚まし、集中力アップの効果もあるとあって とても人気があります。
でも、この成分が ねこさんの健康にとても悪影響を及ぼすということは、案外知られていません。


アロマセラピーは、さまざまな方法があり、マグカップに張ったお湯に精油を1滴垂らすなどの お手軽な方法から、アロマウォーマーという 専用の道具を使うといった 少しハードルの高めな方法まで、いろいろと選べます。
本格的に追求していけば きりがないけれど、始めるには 比較的ハードルが低いのですね。


そして、オレンジを始めとした 柑橘系の精油は、バラやムスク、イランイランにジャスミンなどといったものに比べて とても安く、また、比較的どこのお店でも手に入れやすいのです。
ですので、始めやすいアロマセラピーの中でも、特に 初めての方が手に取りやすい。
それが 柑橘系の精油なんです。


アロマセラピーで 身体に取り込まれた精油の成分は、アルコール等と同じように 肝臓で解毒されます。
でも、ねこさんは 肝臓のつくりが特殊で、身体から 精油の成分をうまく出すことができないんですね。
そうして、どんどんと身体に精油の成分が溜まっていってしまいます。


お香も同じです。
煙に精油、香料など、さまざまな化学物質が 健康に影響を与えます。


わんちゃんやねこさんは わたしたちよりも身体が小さい だけではありません。
構造的に、わたしたちよりもずっと こういった化学物質に弱いのです。
今年の世界禁煙デー、そういったことにも 少し 目を向けてみてくださいね。


院長の 卒煙トークが聞いてみたい!という方も、一度もタバコは吸ったことのない方も。
ぜひ、一度 ご来院ください。

梅雨入り前。皮膚チェックのすすめ

火曜の雨は ものすごかったですね。
雨の音や 風の音、雷の音もすごかったですし、電車の遅れも…
雨の季節が 確実に近づいているんだなと、憂鬱な気持ちになります。


今年も 7月に豪雨の予想が出ているとか。
去年、1号の親戚家も全壊した 岡山豪雨も7月でした。
今年も同じように つらい思いをする人がいないよう、祈ってやみません。

 


そんな 雨の季節、予想以上に多いのが 爪のトラブル。
これは、ネイリストの飼い主さまによると、人間でも同じなのだそうです。
人間は、スカルプチュアの付けっぱなしなどで 爪にカビが生えてしまうトラブルが多いのだそう。
動物たちは、スカルプチュアは付けませんが、やはり 真菌、つまり カビの仲間によるトラブルが多くなるのが この時期です。


どうぶつたちの悩まされるカビは、マラセチア という、ひょうたん型のカビがほとんどです。
ときどき、いわゆる水虫の原因である 白癬菌 による皮膚炎を見ることもありますが、大多数は マラセチアによる皮膚炎や、外耳炎。
痒いだけでなく、特有の臭いがするので、犬が臭くなりました!洗っても洗っても翌日には臭い!と、駆け込んでいらっしゃる方もおられます。


マラセチアの皮膚炎にかかると、どうぶつたちも痒いので 身体をかきむしり、そのときに 爪の根元に真菌が入り込んでしまう…というのが、最も多いパターンです。
人間も同じだそうですが、爪の根元 というのは、案外深いもの。
ここに 真菌が入り込んでしまうと、なかなか薬でやっつけるのも たいへんです。


当院では、マラセチアによる皮膚炎のある子には、飲み薬とシャンプー、塗り薬を併用する 最強の布陣をご提案しています。
飲み薬で 身体の中から、シャンプーで 身体の外から物理的に、そして 塗り薬でダメ押しをするイメージです。
これだけ 頑張っても、なかなか落としきれないのが マラセチアの嫌なところ。
毎年、時期になると マラセチアに悩まされるという子もたくさんいます。


こういった病気は、一旦発症してしまってからでは かなり治療はたいへんになります。
発症していないときの 皮膚の上では、病気を引き起こす マラセチアと、エサを取り合うライバル関係の 常在菌が 、あるていどのバランスを保っています。
発症してしまうと、このバランスが完全に崩れてしまうんですね。
崩れてしまったバランスを また取り戻すのは、ほんとうにたいへんなんです。


たいへんなことに なってしまう前に。
梅雨入り前に、一度 皮膚病のチェック しておきませんか。
あなたのご来院、お待ちしています。

ヒナは拾わないで!毎年のお願いです

 ようやく 浸透してきましたね。
野鳥のヒナを拾ってはいけない ということ。

f:id:kurimotoah:20190517053517j:image

こういう人とか…


これは、野鳥の会環境省などが、長年にわたり 啓蒙し続けてきたことです。
野鳥のヒナを拾ってはいけないのです。


野鳥側の理由としては、なんといっても ヒトが拾ってしまうと 親が迎えにこれなくなってしまう ということ。
落ちている ように見えて、親が近くに隠れているのですが、拾ってしまうと 迎えにこれなくなります。
こうして、保護 したつもりで 拉致 されてしまったヒナは、野生に戻されても その後きちんと野生復帰できないことがほとんどだそう。
自力で食べ物を手に入れることもできず、親からきちんと「しつけ」をしてもらうこともできなかったヒナは、すぐに死んでしまうのだそうです。
野鳥の命を守りたいからこそ 拾うのに、結果 早く死なせてしまうことにつながります。
野鳥のヒナは、拾うことで死なせてしまうことになるから、拾ってはいけないんですね。


次に、法律の観点から。
野鳥は、許可なく飼ってはいけないことになっています。
むしろ、セキセイインコ文鳥など、許可なく飼ってよい種類のほうが 圧倒的に少ないんですね。
ハトやカラス、スズメといった、比較的よく見かける鳥はもちろん、ヒヨドリなど この時期 「保護」されてしまいがちな鳥も 飼うのなら許可が必要なんです。
一時的な保護だから…と思うなかれ。
この 許可が必要 という事実には、期間や目的の決まりはないのです。
つまり、5分でも、5年でも、食用でも、愛玩用(ペットとして)でも、同じこと。
保護であって、飼っているのではない…と言い張っても、法律上は同じこと。
つまり、野鳥のヒナが落ちているからと 拾って家に連れ帰ることは、法律違反と罪に問われても 仕方のない行為なのです。
わざわざ 罪を犯したい人はいませんね。
野鳥のヒナを拾うことで、法律に違反してしまうから、拾ってはいけないんです。


また、わたしたち獣医師は、どうぶつのことだけ考えているわけではありません。
どうぶつの健康を通じて、社会全般、言い換えれば 人間の健康についても 向上させることが仕事なんです。
そういった、人間の健康 という観点からいって、野鳥のヒナを拾うのは とても 危険な行為です。
それは、野鳥は どんな病気を持っているかわからないから。
中でも、人間の命に即関わってくるような、恐ろしい病気を持っている場合が 多々あるのです。
毎年のように 鶏の大量の処分をしている、高病原性鳥インフルエンザ
ジカウイルスなどと同じ、感染症法4類に分類される オウム病。
他にも、抗酸菌症、ニューカッスル病など、いろいろな病気を持っているリスクがあります。
さらに恐ろしいのが、これらは 人間の医療分野では、比較的マイナーな病気だということ。
言い換えれば、なかなか診断がつかず、治療が遅れる可能性があるのです。
落ちている(ように見える)野鳥のヒナを拾うことで、こういった病気にかかるリスクが とてもとても高まります。
中でも、免疫力がまだまだ発展途上の 子どもたち。
落ちているヒナを見つける 名人でもありますが、非常に危険な行為であることがわかりますよね。
野鳥のヒナは、恐ろしい病気をうつされる危険性が高いから、拾ってはいけないんです。


いろいろな立場から、拾ってはいけないことを お伝えしてきました。
そうは言ってもケガしてるみたいだから、放っておけないよ…という、優しいあなた。
まずは、都道府県の 野生動物窓口に連絡をしてみてください。
ただ、「放っておいてやってください」などと言われる可能性もあります。
野生動物は、ペットとは違います。
目の前で弱った小さな動物を 見過ごせない。
あなたのその優しさは、ぜひ 自分の小さな家族に注いであげてください。


小さな家族の健康管理は、当院におまかせを。
あなたのご来院、お待ちしています。